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2008年10月 5日 (日)
総選挙実施が麻生選挙管理内閣の役割
麻生政権は総選挙実施を先送りする気配を強めている。自民党の内部調査で自民党が惨敗する予測が得られたためだと見られる。自公政権は1年間に2度も政権を放り出した。有権者に対する背信行為だ。有権者は昨年7月の参議院選挙で自公政権に明確に「NO!」を突きつけた。そのなかで、国民の審判を受けずに3つ目の政権が作られた。民主党の小沢代表が指摘したように、政権担当能力の欠落を示した以上、自公政権は野党に政権を引き渡し、総選挙で国民の信を問うことが「憲政の常道」である。
自民党は日本経済の不況が深刻化し、世界金融恐慌のリスクが迫り、猛毒米の国内不正流通事件が広がるなかで、お祭り騒ぎの総裁選を3週間にわたって繰り広げた。「政権放り出し」の不祥事を自民党の宣伝活動に転用する言語道断の不適切な行動だった。そのなかで自民党執行部は、総裁選で自民党支持率を引き上げて解散総選挙になだれ込むとの意向を明確に示していた。
自民党の傍若無人の振る舞いに、多くの国民は強い憤りを禁じ得なかったが、総選挙により国民の信を問う方針が明確であったから、留飲を下げていたのだ。それが、政権を発足したところ、自民党支持率があまり上がらないから、総選挙を先送りというのは、あまりにも身勝手だ。
時間の経過にしたがって麻生政権の支持率は右肩下がりで下落すると予想されるから、総選挙の先送りは自民党にとって、とても得策には思えないが、日本国憲法第7条の「天皇の国事行為」としての衆議院の解散を、「私物化」するかのような麻生首相の姿勢は批判されるべきだ。
麻生首相は自民党総裁に就任した際の党大会でのあいさつで、「私も今ここに立ちます時に、少なくともこれは麻生太郎に与えられた天命だと思っております。私はその選挙(=総選挙)に勝って初めて天命を果たしたということになるんだと存じます」と述べて、総選挙に勝利して初めて、首相の地位に就くことが正当化されるとの趣旨の発言を示した。
日本経済の深刻な不況への突入、世界的な金融情勢の激動、年金、猛毒米、後期高齢者医療制度など、重要問題が山積している。これらの問題に腰を据えて対応するには、国民の信託を受けた本格政権でなければ不可能である。国民の審判を受けずに政権をたらい回ししてきたことに対する反省は、自民党も認めている。だからこそ、麻生首相は総選挙に勝って、初めて首相の地位が確かなものになると発言したのだ。
他方、自公政権は8月29日に緊急経済対策を決定し、1.8兆円の補正予算案を国会に提出した。小手先の個別対策で日本経済の方向を転換させることはとてもできないと考えられるが、無策で進むことはできないから、補正予算の対応は不可欠と考えられる。
こうした状況を踏まえて民主、社民、国民新党の三党は、衆議院解散の確約と引き換えに、補正予算の採決に応じる考えを麻生政権に繰り返し伝えている。いわゆる「話し合い解散」の提案だ。「政権放り出し」を繰り返し、国民に対して無責任な対応を続けてきた自公政権は、謙虚に「話し合い解散」提案を受けいれるべきだ。
それにもかかわらず麻生首相は、国会答弁で、「解散については私が決めさせていただきます」の発言を繰り返している。解散権は首相の大権だとされているが、その大前提は、首相が「公益」の視点から解散を決定することだ。首相が「私的利害」に基いて解散を好き勝手決定することを認めたものではない。
これまでの経緯を踏まえれば、首相が「権利、権利」と振りかざすのは筋違いであり、見苦しい。「権利」を主張するための前提は「義務」の実行である。無責任な政権運営を続けながら権利だけは「死んでも離さない」との姿勢は、国民の不信を買うばかりだ。自民党歴代政権の無責任極まりない対応に対する真摯な反省の気持ちを込めて、補正予算案採決後の衆議院解散の方針を明示するべきである。
補正予算について短期日の審議を実施して、与野党の主義主張の相違を明確にしたうえで、予算案を採決し、直ちに衆議院を解散すべきである。国民の意思を反映した政権を樹立したうえで、新しい本格政権が山積する難題に対応してゆくべきだ。
麻生首相は選挙管理内閣の首相であるとの就任当初の自覚を再確認すべきである。麻生政権が総選挙に勝利すれば、その段階で本格的な政策運営を始動させればよい。国民の審判を受けないまま、なし崩しで諸課題への対応を進めることは混乱を拡大させるだけで、問題が多い。政治の私物化は許されない。麻生政権の国会審議と解散総選挙に関する、私的利益優先の姿勢が国民の不信感を増幅している。
総選挙実施についての責任あるスタンス提示が求められる。
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