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http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/news/20081005k0000m070114000c.html
発信箱:小泉さんと我が恥辱=広岩近広(編集局)
自民党の小泉純一郎元首相が引退する。影響力のあるうちに息子を後継にしたいのか、小泉流の引き際の美学か、あるいは別の理由からなのか、私にはよくわからない。
来る総選挙では、与野党とも小泉改革の罪に触れるようだ。長期政権だったので、功罪はあろうが、ここでは別の罪を振り返りたい。
芥川賞作家でジャーナリストの辺見庸さんが著した「いまここに在ることの恥」(毎日新聞社)を読み返していたこともあり、憲法に関する罪について思い至った。
それは2003年12月9日のことである。当時の小泉首相は自衛隊をイラクに派遣するに当たり、「憲法の理念に沿った活動が国際社会から求められている」と記者会見で強調したのだった。
辺見さんが「戦後最大の恥辱」と怒るのは、憲法前文の大事なパラグラフを省き、「国際社会において名誉ある地位を占めたい」とする後半部分のみを読み上げたことだ。辺見さんは「デタラメな解釈によって、平和憲法の精神を満天下に語ってみせた」と書いている。
返す刀はマスコミにも向けられる。「総理、それは間違っているではないですかと疑問をていした記者がいたでしょうか」。私が記者会見場にいても、小泉流の演説を聞き流したことだろう。
今にして、つくづく思う。小泉首相が「ぶっ壊した」のは自民党より憲法だったのではないか。事実、名古屋高裁は今年4月、自衛隊のイラク派遣は憲法9条に違反すると指摘した。永田町を去る小泉純一郎さんに、私は己の恥辱をみている。
毎日新聞 2008年10月5日 0時08分
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