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今朝の日経新聞のコラム「春秋」は「配役が入れ替わった党首の国会論戦は案の定かみ合わず」と書いているが、筆者には形だけのありきたりな質疑より、よほど刺激的に思えた。
所信表明で意表をついた麻生総理。小沢民主党代表への質問攻めは、邪道ではあるが一つのアイデアでもあった。
その挑発に乗って同じ土俵に上がるのを避けた小沢一郎。代表質問を所信表明に変え、“横綱相撲”をとる作戦に出た。
これも邪道ではあるが、奇襲への対応としてはもっともなアイデアだ。
小沢はまるで総理のように自らの所信を衆院本会議の場で謳いあげることができ、さぞ本望だったろう。
「麻生総理の所信表明には明確なビジョンが全く示されなかった。総理が野党に質問するのは初めての経験だ。せっかくだから所信を申し上げることで、総理の質問への答弁といたします」
このように原稿を読み始めた小沢は、小泉純一郎流に総選挙のテーマを独断で規定した。
「近くおこなわれる選挙は、官僚にまかせっきりで莫大な税金を無駄遣いする自民党政治を継続させるのか、それとも大なたをふるい無駄遣いを徹底的になくして国民生活を治すことに税金を振り向ける民主党政治に転換するのかを国民に選択してもらう選挙であります」
演壇に顔を向けたまま微笑をたたえ、喉を痛めた小沢のしゃがれた声を聞いていた麻生の表情は、その演説が終わるころには険しい色に変わっていた。
最後まで小沢は民主党の公約や財源の裏づけをとうとうと述べ続けた。挑戦する野党党首の鎧を脱ぎ捨て、首相の質問を徹底して無視する小沢の姿がそこにあった。
「政治とは生活だ。政治とは意思だ。国民が決意をすれば政治を変えられる。日本国民が力を合わせればどのような困難も乗り越えられる」
これは宰相が発すべき言葉だ。小沢は麻生の奇策を逆手にとり、「オザワドクトリン」を国民に示した。
麻生は憤然たる顔つきで答弁の壇上に向かった。水でノドを潤し一呼吸おいて、こう切り出した。
「二代続けて首相が任期半ばで辞任し国民にご迷惑をおかけしたことはお詫びする。しかし、それは自民党が政権担当能力を失ったということではない。日本の未来に責任をもてるのは自民党であると信じている」
そして、昨年の大連立の話を持ち出し「あのとき小沢代表は民主党に政権担当能力がないことを自ら認めた記憶があります」とたたみかけた。
さらに「小沢代表が所信を述べることで私の質問への答えとしたのは残念だ。補正予算、消費者庁法案、インド洋給油活動継続への賛否に何一つ答えておられない」と批判した。
麻生首相が逆に挑戦的な鎧兜に身を包み、舌鋒を民主党攻撃に向けている。テレビ画面に安倍晋三、福田康夫の顔が映し出される。なんともいえない複雑な表情だ。
トップが攻撃的なら番頭は物腰が柔らかいものだが、細田博之幹事長はどうしてしまったのか。自分の代表質問がはじまったとたん、小沢が議場の外に出たのでプッツン切れてしまったようだ。予定の原稿を読むのをやめ、いきなり過去の政治経歴を持ち出して小沢攻撃を始めた。
「小沢さんの強引な政治のイメージが、麻生総理との人気の差だ。かつて小沢さんとともに脱党して、自民党に戻っている人がもう小沢政治はこりごりだと言っている」
小沢がいないときに、こんな話をするようでは、恐い動物に遠くから吠え立てる子犬みたいなものだ。小沢に向かって正々堂々とやればいい。10分後には小沢は自席に戻っていたのだ。
まるで自民党が束になって小沢にかかっていっているような印象になってしまうではないか。それほどの強敵なのか、小沢という人物は。彼が議場を出たときの自民党議員の騒ぎぶりは、過剰な反小沢意識のあらわれである。
自民党は負けたわけではないのだ。これでは、最初から負けるつもりなのかと思わせる。「負けるのではないか」という強迫観念があの磐石を誇った大自民党を揺るがせ、かえって自らを追い込んでいる。
先述のコラム「春秋」に、「本当の危機は現実への過剰な適応から始まる」との記述がある。目前の難事に心血を注ぐと先行き、持続可能性を見失いやすという意味だ。
自民党の古賀選対委員長がひそかに各選挙区を調査した結果、今すぐ総選挙に突入したら自公で過半数を取れるかどうか危ぶまれる状況だという。
だからと言って、自民党が焦って「小沢憎し」を印象づけるような低レベルの攻撃を仕掛けていては、それこそ先行きの持続可能性が懸念される。
この日最後の代表質問に立った民主党幹事長、鳩山由紀夫は「国民の皆さん」という呼びかけから演説をスタートし、「国民の皆さん、ご静聴ありがとうございました」で締めくくった。
ここにも、小沢民主をターゲットにした麻生首相の所信表明への痛烈な批判が隠されている。自分たち民主党は国民とともに歩む。国民に呼びかける。その点を強調し、麻生自民党の「反小沢合唱」をかわそうとしているのだ。
聡明な麻生総理のこと、そのくらいのことは先刻承知であろう。一刻も早く、総理としての胆力と大きな器を示し、自らの政治哲学と国家のビジョンを国民に語っていただきたい。
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