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2008年10月02日
民主党が政権を取った時、真の国民的争点は何になるのか
国会で代表質問が始まった。
それをメディアはワンパターンの表現で報じている。
麻生総理の所信表明演説はまるで野党に対する質問だ。
小沢民主党代表の答弁は麻生総理の質問に答えていない。あたかも所信表明演説のようだ。
議論は深まっていない。
すれ違いの不毛な議論だ、などなど。
よくもこんな見当違いの報道ができたものだ。
ならば聞く。
報道関係者は、官僚が書いた文章を読み上げるだけのこれまでの答弁をどう評価していたのか。
菅直人の追加質問に答えられなかった小泉元首相の「答弁拒否」事件をどう受け止めていたのか。
政権交代前夜を思わせる今度の国会答弁のほうがはるかに面白い。
それに、彼我の答弁を少しでもまじめに聞いている者であれば、はっきりと違いがわかる。
官僚と一緒になって予算を私物化してきた従来の政策から脱却できずに、この期に及んでも小手先の変革でこの危機を乗り切ろうとする自民党と、出来るか出来ないかはわからないが、少なくとも予算編成や経済、社会政策において、格差を是正し、弱者に目を向けようとする民主党。
その違いは明らである。
あとはどちらの政権を選ぶか、だけの話だ。
もはや今の時点でこれ以上の政策論争は不要である。
これ以上の精緻な議論をすることは目くらましだ。
国民はそれ以上の議論はわからない。関心はない。
それは政治家や官僚の仕事だ。
しかし、今度の国会審議でも議論が深まらない問題が一つある。
小沢民主党が曖昧なままにしている大きな問題が一つだけ残っている。
それは日米同盟関係をどうするか、という事である。
麻生総理が、「日米同盟か国連か」とせまったあの問題である。
小沢代表ははっきり答えるべきであった。
日米同盟か国連か、という二者択一の問題ではない。
そういう質問をする事自体が間違っている。
日米同盟も国連も重要だ。
しかしより重要な事は、日本の目指す方向を明確に定め、それに向かって自主、自立した外交を取り戻す事である、と。
そして小沢民主党の大きな問題は、世界に向かって日本がどのような役割を果たすべきかについて、自民党のとの違いが打ち出せない事にあるのだ。
麻生太郎ははっきりと述べている。日米軍事同盟を最優先する。米国と一緒になって「テロとの戦い」に参戦する。そのためには憲法解釈をあらためて集団的自衛権を行使する。給油活動の継続はあたりまえだ、と。
それに賛成する国民は麻生自民党に投票すれば言いだけの話だ。その数が多ければ日本はこれからも米国に従属して矛盾を抱えたまま国力を衰退させ、国民生活を疲弊させていくだけだ。
小沢民主党は、それに対して明確な選択枝を示すべきなのだ。しかしそれが出来ていない。
それどころか、10月2日の朝日新聞は、小沢代表の10月1日の代表質問を聞いて、米国を別格に位置づける自民党の日米同盟最優先政策と同じだと評価を下した。
タイミングがいいのか悪いのかわからないが、同じく10月2日の読売新聞は前原民主党副代表のインタビュー記事を載せている。
この前原という政治家は口を開けば安全保障政策のことしか話さない政治家だ。
彼が暮らしや経済問題や官僚批判の事をいくら話しても心に響かない。場違いになる。
その民主党前原が、「国連にすべてを委ねる安全保障は理想論で、現実に即した対応を考える必要がある」と、読売新聞を通じて国民に公言しているだ。
小沢一郎の曖昧さに対する挑戦だ。日米軍事同盟最優先を明言せよと迫っているのだ。
壮大な矛盾を抱えたまま小沢民主党は政権交代を狙う。
それでも政権交代は必要だ。政権交代は不可避だ。
少なくとも自公政権の継続では日本は救われない。
政権交代で何かが変わる、その期待を抱かせる。
小沢民主党に委ねてみよう。
そして、格差問題の解決や官僚支配の打破や国民優先の政治を実現してもらおう。
その後で何が残るか。
国民を二分する大きな政治問題は何か。
それが、日米軍事同盟問題だ。
このまま米国の言いなりに日米安保体制を変化させ、強化していっていいのか、という大問題である。
これこそが吉田茂、白州次郎が取り組み、敗れた問題である。
63年たった今の日本の政治家、官僚、国民は、自主、自立、日本を思う心において、彼らの足元に及ばないほど後退している。
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