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[暴政]“麻生マンガ内閣”がひた隠す日本特有の“世襲議員内閣制”に潜む衆愚国家・日本の深い闇
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投稿者 鷹眼乃見物 日時 2008 年 10 月 01 日 21:53:49: YqqS.BdzuYk56
 

[暴政]“麻生マンガ内閣”がひた隠す日本特有の“世襲議員内閣制”に潜む衆愚国家・日本の深い闇


<注記>お手数ですが、当記事の画像は下記URLでご覧ください。http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20081001


【画像】映画『赤と黒』(Le Rouge et le Noir、1954)
[f:id:toxandoria:20081001213441j:image]
・・・画像はhttp://reasonistreason.blog104.fc2.com/blog-date-200806.htmlより/DVD情報はコチラ → ダニエル・ダリュ−、ジェラール・フィリップ主演(クロード・オータン・ララ監督)、http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD12686/index.html?flash=1


スタンダール(Stendhal/1783-1842)の『赤と黒』(副題:1830年の年代史)は、当時のフランスで実際に起きた事件から題材をとった長編小説で、「赤」は軍人を、「黒」は聖職者を指すとされています。そして、この作品が実際に描く舞台は1820年代の王政復古の時代(ブルボン朝/ルイ18世〜シャルル10世による復古期)です。


貧しい一青年(主人公ジュリアン・ソレル)の野心と炎のごとき恋愛のドラマとされるこのスタンダールの作品には政治・社会小説としての側面があります。そして、1820年代のフランス・王政復古の時代は、1831年にアメリカへ渡り、約9ヶ月の滞在経験を基に『アメリカの民主政治(デモクラシー)』(ピューリタンがニュープリマスに上陸してから約100年を経て英国から独立し、ニューイングランド地方を中心にデモクラシーを根付かせた頃のアメリカ社会の見聞録)を著した19世紀前半のフランスの政治家(思想家)、アレクシド・ド・トクヴィル(1805-1859)が多感な青春を過ごした時に重なります。


一切の描写を作中人物の視点という強い自意識のレンズを通して描く「主観的リアリズム」の手法は、スタンダールがこの作品で独創したものとされますが、この“新しいタイプ(当時としては・・・)の意識”はスタンダールとほぼ同時代人と見なせるトクヴィル(ブルボン朝に仕える貴族階級の出でありながら・・・)も共有していたようです。そして、このように画期的な視点は、フランス大革命からナポレオン帝政期を経て王政復古を迎えるという、きわめて困難なジレンマと反動の時代だからこそ培われたのかも知れません。


ともかくも、この「主観的リアリズム」をもたらしたのは「本来、人間に内在する多感で豊かな想像力」です。フランス革命以前のヨーロッパは、「アリストクラシー(Aristocracy/特権階級の支配が当然視される社会)」の時代であり、そこでは自らの階級外に属する人々について、それらの人々の目線で物事を考えるという「豊かな想像力の作用」は殆ど意識されていませんでした。


一方、“小泉構造改革”の「無残な負の遺産」を無反省に引き継ぎ、しかも甚だ想像力に欠ける「自民党・たらい回し&マンガ政権」が意図するとおり無責任なポピュリズム(マスゴミの協力で上から作られた衆愚政治に迎合する無気力な空気)が日本の隅々を覆いつくす中で、ますます「本来、人間に内在するはずの多感で豊かな想像力」が日本の社会から消え去って行くように思われます。この有様では、ポスト「米国発・金融パニック」の世界で垣間見えつつあるように思われる、新しい資本主義の方向性からも、再び、我が日本は取り残される恐れがあります。


・・・・・


(米国発・金融パニックが実証する新自由主義思想=市場原理主義の誤算と犯罪性)


「米・金融安定化法案の否決」(9/29、米下院/賛成205、反対228)によるマイナスの波動がアジア・欧州のみならず全世界へ広がっており、米サブプライム・ローン関連の派生金融証券(デリバティブ)の破綻から始まった金融危機(信用不安の連鎖・拡大による基軸通貨たるドル供給の枯渇)は、今や、ますます拡大・深刻化しつつあります。仮に、一部で伝えられるとおりの「米金融安定化法案」の小幅修正案の再可決の可能性が数日内にあるとしても、このマイナス波動の発生によって金融危機が収束するまでの時間が数年先まで大幅に延びてしまったことは間違いがありません。


前の記事(参照 → http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20080920)でも書いたことですが、この「米・金融安定化法案」問題の深刻さは、市場原理主義(新自由主義思想)に沿って<暴走してきたアメリカ型グローバル市場原理主義>が、今回の『金融パニック』の発生によって、やむな く「大きな政府」へ回帰せざるを得なくなったという大いなる誤算によるジレンマ(=市場原理主義の誤謬と病巣)が露呈した点にあります。これは、「対日・規制改革要望書」によって、「米国型市場原理主義」(新自由主義思想)に基づく徹底的な改革の実行を日本へ迫り続けてきた(今年度で8年目になる)アメリカ政府の強硬な姿勢からすれば大いなる<自己矛盾>以外の何物でもなく、今回の『大金融パニック発生』(9/14の投資銀行(5大証券会社・投資銀行の第4位)リーマン・ブラザースの破綻劇に始まる)そのものが、誰の目にも明らかな<米国型市場原理主義が根本的に誤謬であったことの証明>であると言えます(参照、下記・関連記事★)。


★2008-09-03toxandoriaの日記/福田・退陣の真相を“お笑い番組化”で脚色・転嫁する民放TVの唾棄すべき堕落・痴呆ぶり、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20080903


しかも、今回の「大金融パニック発生」の直接原因となったサブプライム・ローン問題では、新自由主義思想(=弱肉強食を煽る貪欲な市場原理主義)の徹底による<典型的な金融モラルハザードの発生>が観察されます。例えば、ABCニュース(9/18) によると、サブプライム・ローンの契約者の中には“死人まで存在した(存在させられた?)”というエピソードがあります。驚くことに、一連の住宅バブルで全米が舞い上がる異様な空気の中で途轍もなく杜撰な書類審査でのローン貸付が行われるようになり、絶対に支払い能力などあり得ない“死人”までもが契約者となって、新築のセレブな豪邸が売買されていたというのです。このエピソードからは、地上げ行為などのやり放題で暴利を貪った不動産関連会社や金融機関(表記の投資銀行等のみならず、果ては特に厳正・公正であるべき諸“格付機関”に至るまで)の“狂気の如く巨利を貪る仕事ぶり”が想像され、殆どポンジー(詐欺ビジネス)化した「アメリカ型市場原理主義の犯罪的性格」がリアルに見えてきます。


このような「アメリカ型市場原理主義の犯罪的性格」の恐るべき現実(=実相)を見据え、大いに懸念してきた欧州諸国からは、これまでも機会あるごとに過剰な投機への規制強化の必要性が叫ばれてきましたが、事ここに至るまでワシントンもウオールストリートも殆ど“聞く耳を持たず”の有様でした。このため、今回の『大金融パニック発生』の直後には、「アメリカ型市場原理主義の犯罪的性格」に対して、下のような厳しい叱責に近い声が欧州側を代表する形で発せられています(参照、下記▼)。ここでシュタインブリュック独財務相は、“世界は危機前とは一変することになる。米国は世界の金融システムにおける超大国の座を失い、世界の金融システムは一段と多極化するだろう。また、危機の責任はバランス感覚を失った米国政府と、米国の銀行・企業の幹部が利益の2けた成長や巨額ボーナスを追い求めたアングロ・サクソン型資本モデルの暴走にある(全世界における信用デリバティブの規模を6,300兆円(推定)まで意図的に膨れ上がらせた金融ゴリラ型の野獣たち、つまり詐欺的なエキゾチック金融商品をグローバル経済の資本部分に忍び込ませたアメリカの政・財・学の仕掛け人たち/例えば、破綻したリーマン・ブラザーズのリチャード・ファルドCEOの、ここ10年の年収は約1.86億万ドル(200億円/毎年)であった/参照 → http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20080920)”と、厳しく批判しています。


▼『米国は金融システムで超大国の座を失う=シュタインブリュック独財務相』、http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-33935720080925


(“小泉劇場”と“米発・大金融パニック”に通底する病巣(小泉劇場の負の遺産)を軽視する“B層向け・麻生マンガ内閣”の軽薄)


かつて、一世を風靡した「小泉劇場」には『竹中平蔵・B層ターゲット・プラン』(参照 → http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050816)なる、ポピュリズムを煽るための、まことに隠微で狡猾な陰のシナリオが潜んでいたことが暴露されています。が、何よりも「小泉劇場」がポンジー(詐欺)的・犯罪的であるのは、この『竹中平蔵・B層ターゲット・プラン』でポピュリズムを煽るだけ煽った上で、憲法違反の疑義を退けて<衆議院2/3の議席>を手中にしたことです。そのやり口がヒトラーのナチス政権誕生のプロセスを彷彿とさせたことは周知のとおりです(参照、下記・関連記事◆)。その後、二代続けて政権を放り投げた“安部の美しい夢の国・内閣”、“福田あわわ〜内閣”および現在の“麻生マンガ内閣”も、その政治手法としては「小泉劇場」の『竹中平蔵・B層ターゲット・プラン』を踏襲しています。その何よりの証拠は終わったばかりのマスゴミ化・チンドン屋化した民放テレビを使った「ポルノクラシー型のバカ騒ぎ総裁選・劇場」です。そこで見られたのは、どこまでも一般の日本国民(B層ターゲット)を小ばかにしつつ、悲惨な格差拡大と中間層の没落傾向を放置する<尻軽で利己的な自民党(政治屋一座)による“政治の芸能化”戦略>です。彼らの如き“稼業の繁盛と身内の利益だけを漁る政治屋とジャーナリズム精神を捨て去ったその日暮らしのマスゴミ”には、もはや渦中の<ウオールストリート発・金融大パニック>の真の原因を一般国民の目線で追求する問題意識など持ち得ないのかも知れません。


◆2005-09-07付toxandoriaの日記/マスコミが報道しない“小泉劇場”の暗部(1/2)、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050907


◆2005-09-10付toxandoriaの日記/マスコミが報道しない“小泉劇場”の暗部(2/2)、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050910


<参考/関連情報>


■『生活保護世帯』過去最多、初の110万世帯突破 07年度、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080926-00000066-mai-soci


■(H13〜H20)『日本の自殺者数の累計(推計)』が約27万人/年平均3万人超(イラク戦争(2006-2008)の3年間における民間人の死者数・約15万人を遥かに上回る異常な規模)、http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-29698120080110http://www.t-pec.co.jp/mental/2002-08-4.htm


■『日本のゼロ貯蓄世帯が占める割合』が1/4→1/3へ移行中、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070128


■『広義の中間層」(=“低所得層世帯〜比較的高額な所得層世帯”に分布する広義の中間市民層=普通の健全な経済力・生活力と健全な常識を持つ普通の人々)の没落傾向』が進行中、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070715


ところで、米国発の「グローバル市場原理主義」と「小泉構造改革」を支えた根本思想が「新自由主義思想」(Neo-Liberalism)です。その ルーツは、シカゴ学派(Manetalism)の祖と看做されている反ケインズ論の祖・F. A. ハイエク(F. A. von Hayek/1899-1992)及び、それを引き継ぐミルトン・フリードマン(Milton Friedman/1912- )らの経済学者たちです。彼らの際立つ特徴は“物価や名目所得の変動をもたらす最大の要因が貨幣供給量(Money Supply)の変動である”と主張することです。また、彼らは政府の財政的な介入を認める「ケインズ主義」や“付加価値の公平な分配”を重視する「福祉国家論」などは、社会科学的な無知と不勉強に基づくものだと厳しく批判します。


また、彼らは「福祉国家」は人間を堕落させるとも主張しま す。その代わり、彼らが提唱する価値観は“自由原理と市場主義の融合”です。それは、国民の一人ひとりが「自己責任の原則」に基づき自由に“市場”へ参加することになれば、市場における経済活動を通じて自ずから最適な調整と公正な分配が達成できるという考え方です。これは、簡単に言ってしまえばアダムスミ ス(Adam Smith/1723-1790)の古典派経済学、つまり経済・厚生・福祉活動における<全ての調整を神の手が宿る市場へ任せる>という「自由放任主義」が、再び「市場原理主義」(「弱肉強食」、「勝ち組と負け組の競争」による付加価値創造の理念)の名で復活した訳です。


1993年、IMF・世界銀行・米国政府などの関係者がワシントン(W.C.)に集まり、このような考え方を一定の合意に基づく戦略として取りまとめたものが「ワシントン・コンセンサス」です。このコ ンセンサスは“8つの基本合意”から成っており、それは「財産権の優先保護(W.C.とN.Y.に拠点を置く投資銀行等金融機関の)、政府の規制緩和と政府予算の削減(小さな政府/the minimal State)、資本市場の自由化、為替市場の開放、関税の引き下げ、基幹産業の民営化、外国資本による国内企業の吸収・合併の促進」という8つの項目です。


これは、アメリカが、1991年の「ソ連邦崩壊」後(ポスト冷戦構造)の世界を経済面から支配するための“新戦略”(その時には既に色褪せていたブレトン=ウッズ体制(第 二次世界大戦後に計画されたアメリカ主導の世界経済復興戦略)に代わるスキーム)という意味合いがあったのです。このような“ワシントン・コンセン サスに基づく新戦略”のシナリオに沿って「グローバル市場原理主義」が世界を覆ってきた訳です。 しかしながら、一方ではEU(欧州連合)諸国など多くの国々が、このアメリカ型グローバル市場主義に一方的に飲み込まれることを回避するための努力に必死に取り組んできたことも広く知られた事実です。


そして、日本における「小泉構造改革」は、米国(ユニラテラリズムのブッシュ政権)の要望(日本の非高率な社会構造の変革のため規制緩和と市場原理主義を導入・実践せよ との要望)に応じる形で、その一環として進められてきたのです。アメリカから日本政府に対して、「構造改革要望書」(JOINT STATUS REPORT ON THE U.S.-JAPAN ENHANCED INITIATIVE ON DEREGULATION AND COMPETITION POLICY/その内容は、進捗状況をチェック・評価した上で、毎年10月に更新される)が提出され始めたのは1993年(宮沢=クリントン会談での合意)から です。当然のことながら、オフィシャルに日本政府は必死で否定していますが、小泉・元首相が<構造改革の本丸>と明言した「郵政民営化」もこの米国ブッシュ政権の意向に沿ったものです(対日・構造改革要望書については右URLを参照 →http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20050503)。


そもそも、日本への「新自由主義」思想の導入は、1980年代に中曽根政権がイギリスのサッチャー政権(サッチャリズム)とアメリカのレーガン政権を真似て「構造改革」、「規制緩和」、「民営化」という三つの政策方向へ舵を切ったことに始まります。この流れの嚆矢となったサッチャリズムは、目前のスタグフレーション (デフレとインフレの同時進行)への対応で行き詰まっていたケインズ的な福祉国家政策(大きな国家政策)を根本的に批判して「小さな政府政策」(the minimal State)を提唱しました。が、やがて、その結末は失敗(格差拡大、福祉・教育水準の劣化など)へと大きく傾いたため、メージャー保守党政権(サッチャリズムの流れ)の後を引き受けたブレア労働党政権の「第三の道」(保守党の市場原理主義一辺倒と労働党の市場化への適応不足というジレンマからの脱却)によって、サッチャリズムの軌道修正が図られたことは周知のとおりです。


つまり、この「イギリスの事例(サッチャリズムの失敗→ブレアの軌道修正)」、「リスボン条約・批准のアイルランド国民による否決など、EUにおける直近の動向」(=市場原理へ過剰に傾斜することへの懐疑とその修正努力/参照 → http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20080618)、および今回の「米ウオルストリート発・金融大パニック」の三つの貴重な事例から学びつつ即実行すべきことは、<“米ブッシュ政権からの市場原理主義の日本政府への押し付け”の日本国民に対する擬装詐欺的な無理強い(その詐欺的な押し付けの仕事は“小泉政権→安部政権→福田政権→麻生政権”へ引き継がれてきた/参照 → http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20080711)>にすぎなかった「小泉構造改革の誤謬と政策の大失敗」を真正面から見据えて率直に反省し、新たな改革・改善への取り組みを期して、新しい日本型資本主義のグランドデザインを早急に作り直すことです。


それは、“小泉劇場”と“今回の金融大パニック”に共通して潜んでいたものこそが「市場原理主義と規制緩和へ過剰に傾斜することによる恐るべきモラルハザードと極端な格差拡大」という重篤なリスクと疑心暗鬼による大パニック発生の病根に他ならないからです。別に言うならば、これは「人間の社会から<公正な日々の営みを排除>して<信用の絆を毀損>するという愚かな行為」に他ならないのです。渦中の「米・金融安定化法案の否決」(9/29、米下院/賛成205、反対228)のアポリア(難問)も、実は、ただこの一点(ここまでメタメタに酷く痛んでしまった人間社会の<公正>を具体的にどうやって回復するのか、できるのか?という問題)にかかわっています。具体的に言えば、それは“強欲なウオルストリートのゴリラたちが残した巨額のツケ(不良債権、紙くず同然のエキゾチック証券類)を米国政府がいくらの価格で買い取れば“公正が確保できるのか?”という非常に悩ましい問題です。そして、実は、これこそブッシュ政権が推し進めてきたユニラテラリズム(米国一国主義、テロとの戦い、イラク戦争など)の問題に繋がるのですが、この論点の詳細は別の記事で述べることにします。ヒント程度に触れておけば、それは、アレクシド・ド・トクヴィル(Charles Alexis Henri Clerel de Tocqueville/1805-1859)の著書『アメリカの民主政治(デモクラシー)』と今回の『米金融安定化法案の否決』(9/29、米下院/賛成205、反対228)の問題の交差的な考察にあります。


なお、「小泉構造改革」の負の遺産(=擬装政治による一般国民へのツケ回し)の詳細については下記・記事★を参照してください。


★2008-04-05付toxandoriaの日記/【改定版】冷血小泉の狂想が生んだ後期高齢者制度(ナチス・ガス室まがいシステム)、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20080405


★2007-10-14付toxandoriaの日記/日本が取り憑かれた「ワグナー型劇場政治」の病理学(試論/再考)、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20071014


★2006-06-15付toxandoriaの日記/「総括・小泉改革」、それは冷酷な「日本のハイリスク・ハイリターン社会化」、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20060615


★2006-05-09付toxandoriaの日記/小泉流「狂気のリアリズム政治」で“地獄変”化するニッポン、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20060509


★2006-02-02付toxandoriaの日記/小泉首相の開き直り「格差論」/外道(ヤクザども)の喧嘩場と化した国会、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20060202


★2005-12-19付toxandoriaの日記/『小泉劇場』が培養する悪徳の栄え/耐震構造偽造問題の深層、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20051219


★2005-11-14付toxandoriaの日記/「小泉劇場」の七つの大罪/「ポスト小泉体制」を批判する心構え、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20051114


(アナクロな“麻生マンガ・世襲内閣”と“見得きり世襲男・小泉”が日本社会にもたらす弊害)


『 私たちは今、小泉純一郎が行った見得きり政治の負債を背負って、暮らしている。親の経済的・政治的資産に頼って生きてきた空虚な男が、国会議事堂の花道で見得を切った。政治をパフォーマンスのひとつとしか思っていない、この島国の人々は、叫び声で応えた。郵政民営化などの見得の後には、小泉チルドレンなる小役者の猿真似が続いた。安部晋三は、郵政民営化で当選したいわゆる小泉チルドレンの一人ではないが、小泉的な児戯性から生まれた跡取り息子だった。小泉チルドレンの総領といえる。森−小泉−安部と、三段跳びで進行した、幼稚と欺瞞の奇妙な混合は、地方政治でも同時進行している。・・・途中、略・・・批判力が育たないよう、目隠しして走らされてきた国民は、政治をテレビが作る祭り、パフォーマンスとしか思わなくなった。 』[野田正彰・著『見得きり政治のあとに/あとがき』(みすす書房)より引用・転載]


“麻生内閣”は、“金満内閣、マンガ内閣、擬装仕上げ内閣、自民ご臨終内閣、解散準備内閣”など様々なペットネーム(?)で呼ばれているようですが、もっともその特徴を捉えているのが“麻生マンガ・世襲内閣”です。なぜなら、その閣僚構成が「アナクロ思想に被れた、61%の世襲議員内閣」(18人の中で11人が世襲議員)ということになっているからです。そこで、ここでは日本の世襲議員の問題について触れておきます。


実は、麻生内閣が「アナクロ思想に被れた、61%の世襲議員内閣」(18人の中で11人が世襲議員)であることは当然のことでもあるのです。それは、すでに日本の国会議員の少なくとも5割以上が世襲議院であるという現実があるからです。因みに、<日本の世襲議員>の実態は<英国の世襲貴族議員>の問題より遥かに深刻で有害です。なぜなら、12名の法官貴族(上院議員)を除き、その他の上院(貴族院)議員は無給であり、歳費の支出が伴わない英国と異なり、<日本の世襲議員>には莫大な金額の歳費が伴っており、しかも彼らの<世襲>による弊害は政・官・財の門閥・閨閥・縁故・利害関係などを介したネットワークによって日本中の隅々まで、まるで黴(カビ)かダニの異常繁殖の如く蔓延っているからです。そればかりか、彼らは仲間内の自己利益を図るために<自らが支持するる政権与党の暴政化=一般国民の権利の縮小>へ絶えず手を貸しています(英国の上院(貴族院=世襲議員)改革については、下記▲を参照乞う)。


▲2007-06-22付toxandoriaの日記/[民主主義の危機]日「世襲政治家の繁殖・跋扈」と英「貴族院改革」に見る民度格差の拡大、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20070622


つまり、日本社会の大きな特徴となっているのが、このような意味で<世襲国会議員らの過剰な存在>ということです。多額の歳費を伴う国会議員を中核として形成されるヒエラルキー(政・官・財の門閥・閨閥・縁故・利害関係など)を介したアナクロ(時代錯誤的)な<現代日本の寄生ネットワーク>が日本社会の至るところに、まるで黴(カビ)の如く蔓延り広がっていることの最も恐るべき弊害の核心は、彼らの徒党集団的・仲間内的な利害関係意識のネットワークが、日常のビジネス現場などを介して絶えず再生産され続けていることです。この<内向きな利害意識のネットワーク>に加えて、先に述べた『B層ターゲット・プラン』を仕掛ければ、その成果は上々ということになる訳です。従って、日本の民主主義の成熟にとって、このような<寄生・世襲政治家の過剰な存在>そのものが非常に有害であることは明らかです。


恐らく、そこから芽生えるのは古代・中世の遺物のような、あるいは原始社会における血族単位の報復のように非現代的な“自力救済の方法”であるフェーデ(Fehde/殺人や経済・財産・利権的な損害に対する血讐に近い報復意識/参照、http://www.weblio.jp/content/%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%87)のように“古びた特異な感覚”です。例えば、あの松岡農水相の自殺事件の前後において、その身近な関係者の不可解な自殺が連続して発生していたという事実からは、恰も伏流水の如く流れている、このような意味でおどろおどろしく封建社会的な負のダイナミズムの存在が想像されて身の毛が弥立ちます。


なお、“麻生内閣が安部の美しい国と同様のアナクロ思想に被れた議院で構成されている”ということは、あの『麻生内閣で就任したばかりの中山国交相辞任、開き直り問題』(参照 →http://www.zakzak.co.jp/top/200809/t2008092910_all.html)に端的に現れています。つまり、それは、中山元・国交相が「価値観外交を推進する議員の会」(古屋会長、中山顧問、http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B2%C1%C3%CD%B4%D1%B3%B0%B8%F2)という摩訶不思議な考え方をする議員グループ(人権・自由・民主主義などの価値を掲げつつ戦前回帰型の古めかしい尊王攘夷的な意志で団結する)の枢要メンバーの一人であったことを想起すれば、当然のことと思われるからです。


<参考/関連情報>


■政府(麻生政権)、米紙(ニューヨーク・タイムズ紙)「首相は好戦的なナショナリスト」に反論、http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080929AT3S2900Z29092008.html


(“世襲議員”が交尾(つる)んでひた隠す衆愚国家・日本の深い闇)


耐震擬装事件、防衛疑獄の時もそうですが、再び<自民党政権を巡る深い闇>のバックグラウンドたる政界ルートと思しき辺りから妖しげな黒い霧が立ち込め始めています。これは直近の記事でも触れましたが、今や米ドルによる一極支配の時代は総崩れとなり、「対日・構造改革要望書」の要求に沿いつつ、率先して米ドルと抱き合い心中の役回りを演じてきた日本(円)は、クロス・ドルの観点からすれば、ドルを除く他通貨に対して、その価値を相対的に低下させて行くと思われます(購入した米国債等の外貨準備高は世界最大で約7800億ドル(約83兆円)で、もしドルが暴落すれば、それは限りなく紙切れへ近づく恐れがある)。併せて、日本の「食とエネルギー」がグローバリズム経済と<小泉構造改革以降の野放図な規制緩和の流れ>の中で、ますます危機的状況(食糧自給率の一層の低下、有害食品の流通促進、エネルギー価格の高騰など)へ向かう可能性が高まりつつあることは周知のとおりです。


渦中の「汚染米の流通問題」も、このような力学とトレンドの中で見据えるべきであり、その背後に潜む「政−官」と「悪徳業者」の<癒着・三色混合トライアングルの闇>は想像を絶するほどの魑魅魍魎の世界の存在が窺われます。“資本主義の軌道修正”のために日本の社会構造を改革するどころか、特に、この<食の問題>を「対日・構造改革要望書」が求める規制緩和の流れに乗せ野放図に放任し、他方で既得権益の争奪戦をカムフラージュしつつ、その<悪徳の姿>を善良な一般国民の目から隠蔽してきたのが<小泉以降の自民党政治の実相>であり、その負うべき責任は重大です。


因みに、ネットおよびメディア情報などを参照しつつ、ごく実務的な次元でこの「汚染米の流通問題」を見据えると実に奇怪な仕組みが透けて見えてきます。そのキーワードは<まわし/循環取引>と<ひねり>です。<まわし/循環取引>とは、その詳細には些か理解できぬ点もありますが、「悪徳業者」が複数の取引先を介在させて行っていたとされる、“伝票と帳簿上だけで「仕入れ→販売→仕入れ→販売→・・・」のプロセスを繰り返す一種の架空売り上げ操作による不正な利益計上のことです。これによって、タダ同然で国(農水省)から仕入れた<事故米>には“10倍もの暴利が上乗せ”され、非食用の事故米が食用の普通の米に“ロンダリング精米”されていたという訳です(参照、下記◆ニュース)。


◆三笠フーズ、汚染米を“循環取引”…価格10倍につり上げ、http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080923-OYT1T00712.htm


一方、<ひねり>とは、複数ランクに評価区分されている「米」が、精米作業の段階でランクの近い部分の米と入れ替え操作が行われるということです。渦中の「悪徳業者」らは、大型の精米処理装置を装備する有利な立場にあるため零細業者から精米業務を委託されることが多く、その時にランクの異なる米の入れ替えである<ひねり>が行われるチャンスが生まれます。ここにも「悪徳業者」が暴利を創造する巧妙な仕掛けが見えてきます。今後も、さらに違法で悪徳な<暴利創造のビジネスモデル>が解明される可能性があり、このような悪辣なビジネスモデルの創意工夫は、奇しくも現在の<米発・大金融パニック>の主な原因とされる「エキゾチック金融商品」(デリバティブ)のポンジーぶり(詐欺的性格)を連想させます(参照、下記▲ブログ情報)。


▲おたぬきの酒壺、http://blogs.yahoo.co.jp/otanuki78/54900385.html


「汚染米の流通問題」の周囲には、耐震擬装事件や防衛疑獄事件にも負けぬほどの黒い霧が立ち込めてきました。そこには、一般的な闇の構図とは異質で、より深く、より広範で、より複雑な得たいが知れぬ不気味な背景が窺われます。それは、<何故か農水大臣は鬼門だとされてきた>ことの秘密が隠れているのかも知れません。ともかくも、まるで江戸時代の悪代官さながらの傲慢で悪辣きわまりない政治・行政手法に甘んじてきた歴代の自民党政権の責任は非常に大きいと言えます。言い換えれば、この問題は該当する業界のみならず『民主主義国家・日本の基本となる理念部分の綻び』に繋がると見なすべきです。つまり、その根本には、やはり市場原理主義と野放図な規制緩和の問題(=大きな政府→小さな政府への安易な転換の是非を問う視点の放棄)があると思われるので、今回の“米発・大金融パニック”(=過剰な市場原理への傾斜による信用崩壊)と無縁ではないはずです。


<参考/関連情報>


■農水省、「農薬検査」問いたださず 意図的に手抜き調査か?、http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081001-00000508-san-soci


■(閉鎖の)銚子市立病院 来春再開へ課題多く 、http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/chiba/news/20080930-OYT8T00807.htm


■自治体財政:3市村が破綻状態、40市町村は“黄カード”(総務省まとめ)、http://mainichi.jp/select/seiji/news/20081001ddm001010022000c.html


■「自治体再生法制」に隠れる市場原理主義の牙、それを擬装・隠蔽する日本政府(2008-07-16付toxandoriaの日記『市場原理の人権破壊に抗うEU、国民へ向かうその牙を擬装・隠蔽する日本政府』の部分より)、http://d.hatena.ne.jp/toxandoria/20080716


しかしながら、“見得きり世襲男・小泉”、“麻生マンガ・首相”ら「日本国にベッタリと寄生する世襲議員」たちの心中には、国民の生活と福祉水準を向上させるのための資本主義改革への強固な意志など(例えば、EUが目指すような意味での)は殆ど存在していません。それどころか、彼らは、派手な擬装看板の裏で、実はヒッソリと交尾(つる)みつつ日本社会の実効支配(別に言えば、保身と世襲の維持・存続)にだけ汲々としています。しかも、これらの実像は、マスゴミ、御用学者、芸能人らを総動員したお得意のポピュリズム(B層向け愚民政策)によって実に巧みにカムフラージュされています。


つまり、日本に深刻な格差拡大の実害をもたらした「“小泉=竹中”一派によるネオリベ構造改革」も、実は、この「恐るべき日本社会の真相」を徹底的に覆い隠すための方便に過ぎなかったようです。しかも、今となってみれば、更に明らかにタダ飯喰らいの世襲政治屋にすぎなかった小泉元首相が、図々しくも、次への更なる世襲宣言と如何にもナルシスト風の派手な引退表明をした時でも、そのことについてメディア(マスゴミ化した)からの批判は殆ど聞こえてきません。ともかくも、このような一般国民を徹底して小ばかにした瞬間(場面)にこそ、恐ろしいほどの日本社会の闇の深さが現れているように思われます。
 

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