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<マスメディア時評>(「二大政党」をあおった)過去の反省をどう生かすのか【しんぶん赤旗】
http://www.asyura2.com/08/senkyo54/msg/109.html
投稿者 gataro 日時 2008 年 9 月 26 日 07:37:10: KbIx4LOvH6Ccw
 

http://ameblo.jp/warm-heart/entry-10143912012.html から転載。

2008-09-26 07:31:57
gataro-cloneの投稿

<マスメディア時評>(「二大政党」をあおった)過去の反省をどう生かすのか【しんぶん赤旗】
テーマ:ジャーナリズム


以下は「しんぶん赤旗記事情報・G-Search」から検索、貼り付け。

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<マスメディア時評>過去の反省をどう生かすのか
2008.09.21 日刊紙 5頁 一般 (全2,069字) 

 自民党総裁選での、NHKをはじめマスメディアの異常な報道に続き、総選挙では「自民か、民主か」と、「二大政党」の対決″にすべてを流し込んでいく報道の激化が懸念されています。

 こうした報道は選挙の公正さを踏みにじるとともに、有権者の選択そのものを狭める、言語同断なものです。

 国内の新聞、放送が参加する日本新聞協会は、選挙ごとに機関誌『新聞研究』で選挙報道を振り返る特集を組んでいますが、そこでも多かれ少なかれ、そうした報道への「反省」を表明してきました。総選挙では、マスメディア自身のそうした反省を生かすかどうかが問われます。

 「二大政党」の虚構

 マスメディアで「二大政党」の対決をあおる報道が大きな問題になったのは、最近では自由党と旧民主党が合併し、現在の民主党がスタートした二〇〇三年の総選挙以来です。当時マスメディアは、「マニフェスト」(政権公約)によって政権を争うべきだという財界などのかけ声にこたえ、「自民か、民主か」の対立だけに的を絞った報道を繰り広げました。

 国民の多様な民意は、決して「自民か、民主か」だけに収れんさせられるものではありません。それどころか、憲法の「改正」でも消費税の増税でも自民と民主の主張に大差がない状況では、「自民か、民主か」は対立軸にならないばかりか、改憲や消費税増税に反対する世論を、逆に締め出してしまうことになります。〇三年総選挙の直後の、『新聞研究』〇四年二月号は、「二大政党」報道への当事者たちの反省を、次のように載せています。(肩書は執筆時、以下同じ)

 「二大政党制と表現すればするほど、二党の力関係で現実の政治が動いているかのような錯覚を読者に与えてしまうが、実際には『二大』以外の政党の影響力が増しているのだ」(「毎日」政治部副部長)

 「国民の価値観が多様化し、日本の外交・安全保障や憲法のあり方、内政の多くの課題が転換期を迎えているなかで、さまざまな民意を反映させる政治システムが『二大政党』で果たしていいのかどうか。具体的にいえば、(中略)憲法改正に慎重・批判的な国民の民意をどう政治に反映させていくのか」(「朝日」政治部次長)

 「二大政党」の「対決」なるものがいかに現実とかけ離れ、国民の選択を狭めるものでしかなかったのかを、マスメディア自身も無視できなかったことは明らかです。

 問題は、そうした反省にもかかわらず、実際にはその後の国政選挙でも、マスメディアが「二大政党」報道を繰り返してきたことです。

 とくに〇四年の参院選挙のころからは、多くのメディアが毎週のように「自民か、民主か」の世論調査を繰り返す「トレンド調査」を開始し、「対立」をあおりたてました。まさに報道からの逸脱です。

 〇五年の総選挙ではそうしたメディアの姿勢が、「郵政解散」に打って出た小泉自民党によって最大限利用され、テレビをはじめ多くのメディアが「刺客騒動」などのとりこになり、自民党の「大勝」に手を貸すことになりました。『新聞研究』〇五年十一月弓では次のような反省が語られました。

 「『小泉劇場』に席巻(せっけん)されたかのような今回の総選挙は、メディアとりわけ新聞にとって大きな試練だった。首相が設定した『郵政の国民投票』という狭い土俵を、『政権選択』にふさわしい政策論争という大きな土俵に広げられるかどうかが問われたからだ。結論から言うと、十分に役割を果たせたとは言えず、多くの教訓が残った」(「朝日」政治部長)

 権力の監視役いうなら

 時間は少し飛びますが、小泉内閣が任期を終える直前、〇六年八月号の『新聞研究』が、政治と国民、報道のあり方について、ある政治学者の次のような指摘を載せているのは注目に値します。

 「総じて、小泉政治の五年間、新聞はその時々の多数派に冷水を浴びせ、目を覚まさせるという役割を十分に演じてこなかったのではないか」「小泉政治の五年間には、メディアと政治の関係を考えさせられる事件が相次いだ。(中略)この間の経験を十分総括し、ポスト小泉の政治において新聞は権力ヘのチェックという本来の役割を取り戻してもらいたい」

 見過ごせないのは、〇五年総選挙でのマスメディアの「反省」には、「小泉自民党のメディア戦略にやられた」という「反省」はあっても、〇三年のときのように自ら「二大政党」をあおったことへの反省は乏しかったことです。その反省の乏しさが、その後の〇七年の参院選ではより露骨に民主党の「政権獲得」に肩入れする傾向となって一部メディアにあらわれました。その後の『新聞研究』にもそのことへの反省はありません。

 選挙は国民がその主権を行使する、もっとも大事な機会です。新聞をはじめマスメディアにまず求められるのは、国民に事実を伝え、国民が主権者として公正な判断を下せるような十分な材料を提供することです。

 新聞が「権力の監視役」を自任するならなおのこと、選挙に当たって国民の選択を狭める「二大政党」報道を続けるのではなく、本来の報道機関としての役割を全うすべきです。(宮坂一男)


 

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