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http://www.news.janjan.jp/world/0809/0809207681/1.php
きみは潜水艦を見たか 国家的情報戦略の裏を読む
藤島利久2008/09/21
自民党総裁選が開始され、中国脅威論者や、北朝鮮脅威論者の論戦のさなか、突如「高知県沖領海を侵犯する国籍不明潜水艦発見」の情報が防衛省から発表された。例のイージス艦「あたご」が、広大な太平洋上で潜望鏡を発見、しかも目視で、しかも取り逃がし、しかも証拠写真1枚なし……。あまりにも都合よすぎないか、この情報。「出来レース」は何も総裁選だけではない。
土佐に生まれ育って40数年。これほど素晴らしい国は無い。鰹は美味いし、どんな野菜を植えてもすくすく育つ。皆さん、引っ越して来ませんか? 中国脅威論を持論とする麻生氏と自民党総裁選で北朝鮮脅威論を張った石破茂元防衛大臣も「来てみ〜や」。但し、鯨はおっても潜水艦はおらんぞね!
その手で来たか
これが率直な感想だった。9月14日、高知県足摺岬沖で海上自衛隊イージス艦「あたご」が、国籍不明の潜水艦(潜望鏡)を発見し追尾したが見失った…というニュースを聞いたときだ。自民党総裁選が盛り上がりを見せたときに流されたものだから、タイムリーな情報操作だと感心した。ただ今、9月20日0時55分。この記事が出る頃には麻生氏が新首相に選任されている可能性が高い。今、考え得る事を散述してみよう。国家的情報戦略の裏側が見える。
不思議な感じ
土佐は県土に占める森林率が日本一! ユーラシア大陸(中国)側から見れば、まさに日本の奥ふところの秘境だ。中国が「日本は何か隠している」と思ったら調べに来るのは当然か? それにしても、足摺岬沖に現れた1隻の潜水艦の潜望鏡を(目視で)発見したと言うから不思議だ。漁船を発見できずに追突した「あたご」の、その後の反省と努力の賜物だろうか?
潜水艦発見の翌日「中国の潜水艦ではないか?」との不確かな報道が防衛省から流され、ヒヤリとした。「そんな曖昧なことを言ってもいいのか?」。国民の多くがそう感じただろう。ところが中国は形ばかり反論するだけ。小泉首相(当時)が靖国参拝を繰り返した頃の強硬な抗日姿勢は影を潜めている。日本にしても、中国を犯人にしておきながら領海侵犯で抗議するわけでもない。本当に不思議だ。各国の軍部が、持ちつ持たれつでやっているかのよう。「情報戦」とはこういうものか……。
土佐の海をなめたらイカン
大海原で潜望鏡を発見とは? 50mプールに爪楊枝を1本投げてプールサイドから発見するようなものか? 事前に知っていて必死で探しても困難だと思う。そもそも、森林率日本一の土佐が「海の国」と言われる所以(ゆえん)は、太平洋に面する海岸線が700kmもあるから。真っ直ぐ伸ばせば東京−岡山間のJR線路とほぼ同じ長さがある。海自の全艦船が土佐湾に集結していれば可能性はあるかもしれないが、土佐人にはこのニュースが最初から「おかしい」と思える。土佐の海をなめたらイカンぜよ。
かき消された中国・北朝鮮脅威論
国民皆が「出来レース」と認識する自民党総裁選では、麻生太郎氏の経済出動論に対し与謝野馨氏が反論してバランスをとり、石破茂元防衛大臣が北朝鮮脅威論を展開して、麻生氏の持論である中国脅威論を薄め、タカ派的色合いを消した。そこに、今回の中国潜水艦の領海侵犯ニュースが飛び込んでくれば、「ふーむ、その手で来たか」となる。
次期自民党政権が標榜する「中国脅威論」を台頭させ、インド洋沖の海自給油作戦を継続せしめ、「あたご」の汚名をそそぐ秘策ではないかと勘ぐりもする。
独り鬱々と考え込んでいたが、風向きが変わった。リーマンブラザーズの経営破たんや残留農薬米の食用転売など、相次ぐビッグニュースで潜水艦問題は吹き飛び、「潜水艦ニュースの仕掛け」は国民に理解されないまま消えうせた。悪いことは企むものではない。写真1枚ないニュースで国民の関心をいつまでも引き付けられるものではない。
MD導入経緯と国家的損得勘定
おさらいすれば、1998年8月の北朝鮮のテポドン発射を脅威とみなした小泉内閣は、2003年12月にミサイル防衛(MD)システム導入を決定した。北朝鮮とアメリカは6カ国協議の頭越しに直接交渉し、いったんは核廃止協定(内部査察)にこぎつけた。順序が逆ならMD予算が日本の国会を通過しただろうか?
また、この間の国家的損得勘定はどうか? 北朝鮮は古い原子力発電所を爆破しただけで、得意の「グズグズ戦略」で先行きを不透明にしている。日本は、安倍・福田両政権が短命で終わり、拉致問題、集団的自衛権、憲法9条問題についての議論が停滞したまま総選挙を迎えることとなった(ちなみに、私は9条堅持主義)。対してアメリカの軍需産業は、MDシステム販売で潤った。
「テポドン発射」の真実
北朝鮮が日本にミサイルを打ち込む可能性は無い。間違えば瞬時に北朝鮮という国がなくなる。ミサイルを定期的に消費・生産しなければ国内軍需産業が悲鳴を上げるアメリカが行動を起こすからだ。これをもって、「アメリカ軍産企業から北朝鮮軍部に賄賂が渡り、テポドン発射で手打ちをした」と言う人もいる。テポドンが海に落ちたところを見た人はいない……。
いずれにせよ、MDシステム導入資金は、我々、日本国民の血税から拠出されている。これだけは確かだ。
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