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http://mainichi.jp/select/seiji/news/20080913k0000m010162000c.html
米原子力艦:放射性冷却水の排出を容認 外務省
2008年8月7日、横須賀での任務を原子力空母ジョージ・ワシントン(左)と交代するため、米サンディエゴに入港した空母キティホーク=吉富裕倫撮影 米原子力空母ジョージ・ワシントンの25日の横須賀港(神奈川県)配備を前に、同空母から放射能を含む排水が放出されるのではないかという不安が高まっている。45年前の日米交渉で米側が「低レベルの放射性排水の放出がありうる」と伝えたのに、外務省がその事実を説明してこなかったことが分かったためだ。専門家は「国民にきちんと知らせるべきだ」と指摘する。
国際問題研究家の新原昭治さんが入手した、米国立公文書館の解禁文書を調べる過程で分かった。1964年の米原子力潜水艦の日本初寄港をめぐる日米交渉に関する文書。米国務省が在日米大使館にあてた63年3月19日付電報によると、領海内での排出禁止を求める日本に対して「ウオームアップ時に少量の低レベル放射性(冷却)水の放出が必要だ」と回答するよう指示。結果的に日本は「例外的排出」を受け入れた。
原子力艦船は出港時に原子炉を稼働させる際、炉内を通る1次冷却水が船外に放出されることがある。この冷却水はごく微量の放射能を含んでいる。
外務省は06年11月、配備に合わせてパンフレットを作製。「米の原子力艦は12カイリ以内(領海内)での放射性廃液排出を禁止されている」とだけ記し、例外的排出については触れていない。
同省日米地位協定室は「例外は基本的にあり得ない。64年以来、人体や環境に影響を与えるような異常もない」と説明する。これに対し野口邦和・日本大歯学部専任講師(放射線化学)は「害がないから良いということにはならない」と批判する。【足立旬子】
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