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http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/CK2008091202000057.html
イラク空自年内撤収 原告団、政府に説明責任求める
2008年9月12日 朝刊
イラクから航空自衛隊が撤収することが表明され、隊員の思いは…=11日午後5時30分、愛知県小牧市の航空自衛隊小牧基地で
復興支援の名の下、イラクで活動を続けた航空自衛隊の年内撤収が決まった。「次はどこ、もっと危険なところか」。派遣された小牧基地の隊員たちは、「日の丸」を背負った次の紛争地への派遣を思い、気が休まることはない。派遣差し止め訴訟の原告らは「市民の勝利」と受け止めるものの、政府の説明責任をあいまいにしないよう強く訴えている。
イラク派遣差し止め訴訟の原告団や識者は「憲法と市民の力が(撤収を)勝ち取った」と受け止め、「政府はイラクでの自衛隊の活動の情報を開示し、検証すべきだ」と、これまでのイラク派遣について政府に説明責任を求めた。
イラク派遣差し止め訴訟弁護団の川口創弁護士は、今年4月に名古屋高裁が「空輸活動は憲法9条違反」と判断したことにふれ「判決を受けて、多くの市民が政府に対し、即時撤退を求める声をあげたことが、大きく影響を及ぼした」と指摘。
原告団の池住義憲代表(64)は「平和を願う市民の取り組みの勝利。一刻も早く撤収するべきだ」と話した。
イラク戦争に反対したため不当に解職されたと主張し、派遣差し止め訴訟に加わった元駐レバノン大使天木直人さん(61)は「撤収すると決定した過程が現段階では不透明で、政局にまぎれて失策をごまかそうとしているように見える」と指摘。その上で「国連決議が失効すると活動継続できないというのが理由なら、かなりの失策だ」と述べた。
名古屋大の愛敬浩二教授(憲法学)は「名古屋高裁の判決が出た時点で、すぐに撤収すべきだった。今後は、イラク派遣の政府の責任について説明する必要がある」と語った。
◆小牧基地隊員、家族思い複雑
自衛隊のイラク復興支援で、2003年12月からC130輸送機3機と搭乗員らの派遣を続けている航空自衛隊小牧基地(愛知県小牧市)の隊員と家族は、政府が決めた年内の撤収方針を冷静に受け止めながらも「イラクの次はどこに派遣される? もっと危険なところなのか?」。異口同音に、複雑な胸の内を明かした。
空自にとって、航続距離が長く、多くの物資を積める輸送機はC130しかなく、この機体は小牧基地だけに配備されている。このため、基地は空自の国際貢献活動の最前線となっている。
これまでに年に1回程度の割合でイラクに派遣された隊員は「1992年のカンボジア国連平和維持活動(PKO)以降、『これでもか、これでもか』って、危ない場所に行くようになった」。「試されるかのようだった」とも。
米国は、イラクに駐留する米兵を削減、その分をアフガニスタンに振り向けるよう「支援」の軸足を移しつつある。
そのアフガニスタンでは8月、日本の非政府組織メンバーが現地の武装グループに殺害された。「米国が日本に、自衛隊のアフガン派遣を強く求めたら…」。イラクに複数回派遣された別の隊員は、基地内で最も関心が高い疑問を口にし「空自イラク派遣の終わりは、きっと新しい、何かの始まり。ひょっとすると…」。
隊員の夫がイラク派遣中という妻は「これまで無事故だから、必ずしも安全とはいえないでしょ。私たちの感覚もまひしてきた」と語った。
こんな隊員と家族の本音を覆い隠すかのように、基地は「命令を受けて動くだけの組織だから」と、撤収について一切沈黙。報道各社が基地正面で内部を撮影しようとすると、警備担当者は「入らないでください」と繰り返した。
■関連投稿
「自衛隊イラク派兵差止訴訟の会」からのお知らせいろいろ
http://www.asyura2.com/07/kenpo2/msg/318.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 9 月 13 日
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