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http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/news/20080907k0000m070112000c.html
発信箱:宇宙からの怖い話=広岩近広(編集局)
核兵器廃絶は「ヒロシマ・ナガサキの思想」である。広島市と長崎市が1982年に提唱した「核兵器廃絶に向けた都市連帯推進計画」もその一環だ。国境を超えた非核平和連帯都市の形成を目指しており、「平和市長会議」への加盟は2410都市と増加を続けている。
「核の戦争抑止論」に対抗する「平和都市の論理」が世界に浸透してきたといえるだろう。ところが、この論理だけでは「大いに不足であり疑問だ」との指摘が出てきた。広島アジア友好学院の山田忠文理事長が「東北アジア情報センター」の会報にこう書いている。
「世界に430余の原発が稼働し、『地球温暖化防止?』をもたらす新たなビジネスチャンスとして今後50年間に2000以上の原発が世界中に建設されるという予測がある。核物質の世界蔓延(まんえん)化が進行し核施設−原発を人工衛星で査察しピンポイントミサイルで破壊すれば同じ軍事的効果をもたらすというのだ」
仮に核兵器が廃絶されても、原子力発電所を宇宙からミサイルで爆撃すれば事足りるとなれば、核被害の恐怖は消えない。SFもどきだが、宇宙の軍拡が進んでいるだけに、よもやと思っても背筋が冷える。怖い話である。
折しも、内閣に「宇宙開発戦略本部」が発足した。これまでの「非軍事」による研究開発の重視から、国の安全保障や産業開発に軸足を移した点に懸念が残る。
世界各国が宇宙を利用して、互いの原発を狙うミサイルの開発競争などに猛進してはならないし、あくまで私の空想だけに終わってほしい。
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