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2008年9月 4日 (木) 決戦は「総選挙」
「改革」政策の本質
「改革」政策の本質が「弱肉強食奨励」、「利権構造死守」にあることを見抜かなければならない。
自民党は「政権投げ出し」の不祥事を広告宣伝活用の機会に悪用し始めた。そして「御用偏向マスゴミ」が自民党の筋違いの行動を全面支援している。有権者は有権者を愚弄する「悪徳ペンタゴン」の詐術(さじゅつ)に動揺してはならない。問題の本質を見極めて次期総選挙への基本姿勢を定めなければならない。
小泉政権以来の自民党清和会(町村派)政権によって日本は崩壊の危機に直面している。2005年9月の郵政民営化選挙で有権者は「改革」の言葉の響きに幻惑されて、自民党に圧倒的多数を与えてしまった。その結果が現在の日本の惨状だ。
自公政権は政治の主役であるはずの一般国民に不幸と不安だけを与えて、「政治屋」、「特権官僚」、「大資本」、「外国資本」の利益のみを追求してきた。「御用マスゴミ」は「利権互助会」=「悪徳ペンタゴン」の利権死守に貢献すべく、「御用報道」に徹している。
国民はようやく小泉政権以降の自民党清和会政権の本質に気付き始めた。その結果が、昨年の参議院選挙での与党大敗、本年4月の山口衆院補選、6月の沖縄県議選、内閣支持率の凋落(ちょうらく)に表れている。このまま総選挙に突入すれば、政権交代が実現し、自公は野党に転落する。
自公政権の非常事態に際して、一発大逆転の「詐術」が試みられている。福田首相の「政権投げ出し」=「職場放棄」の不祥事を「自民党総裁選」=「自民広報宣伝イベント」に転化し、新政権の支持率を上昇させて総選挙を実施しようとの陽動作戦が仕掛けられている。
「御用マスゴミ」は「悪徳ペンタゴン」の一角として、自民党支援の総裁選過剰報道に舵を切った。総裁選は一種のゲームで、興味本位の報道を繰り広げれば視聴率を確保できる。福田首相の「職場放棄」を糾弾しなければならない有権者も、興味本位の報道が持続するなかで、不祥事への怒りを忘れてしまう。新総裁が選出されるころには、新政権に対する期待感を抱いてしまう。
これが「詐術」の基本シナリオだ。しかし、その後に控えるイベントは「総選挙」という日本の命運を分ける戦いである。「詐術」は最重要の「総選挙」に向けての内閣支持率浮上を誘導するための「偽装」工作にすぎない。自公政権の本質が変わらなければ、主役である一般国民を踏み台にして「政官業外電の利権互助会」の利益だけを追求する政治の実態は継続する。有権者は詐術に幻惑されずに、その本質を見抜かなければならない。
8月29日に示された総合経済対策。景気対策を謳いながら、補正予算規模は1.8兆円。景気浮揚効果は極めて限定的だ。麻生太郎幹事長は財政再建目標を先送りしても景気浮揚を優先すべきと主張する。これに対し、財政健全化目標を堅持すべきとの二つのグループが待ったをかける。二つのグループは増税を念頭に置く「財政再建派」と歳出削減での財政再建を主張する「上げ潮派」だ。
「足して2で割る」手法の福田首相は各陣営の主張を折衷して、「煮ても焼いても食えない」曖昧さだけを特徴とする景気対策を決定した。
もはや、自民党は政党の体をなしていない。まったく異なる方向の政策を主張するグループが唯一「利権互助会」の共通項で同居しているにすぎないのだ。
今回の自民党総裁選は自民党の思考分裂を鮮明に示すことになる。まったく方向の異なる経済政策手法が並べられて総裁が選出されることになるからだ。
「改革継続の是非」の言葉が報道されるが、「改革」の意味する内容が定かでない。麻生氏が主張する「財政再建を先送りしての景気回復優先」を「反改革」と説明するメディアがある。こうなると、財政再建を優先するのが「改革」路線ということになる。
しかし、テレビに登場する政治評論家は、財政再建を重視して増税を念頭に置く与謝野馨経財相を「小泉改革路線」に反対する人物と説明する。「上げ潮派」は財政再建目標重視だが増税によらない財政再建を主張し、政治評論家は「上げ潮派」を「小泉改革」支持と説明するが、こうなると「改革」=「上げ潮派」ということになる。
しかし、「上げ潮派」の主張をよく見てみると、「上げ潮派」は政府資産を景気対策に流用することを主張する。いわゆる「埋蔵金」論議だ。しかし、8月25日付記事「迷走する福田政権の景気対策」に記述したように、新たに借金することと資産を処分することの間に財務上の純債務増減の差は生じない。「上げ潮派」の論議は「見かけの赤字」を変化させるだけの単なる「粉飾」の技法でしかない。
麻生氏が主張する景気対策を私が「バラマキ」と表現するのは、財政支出の方法に着目するからだ。不況進行への経済政策対応として、財政政策はひとつの有力な手法になる。金融政策と財政政策は経済政策の両輪であり、状況によって使い分けが必要だ。米国も本年のサブプライム不況では財政政策を活用している。
経済安定化政策のひとつの手法としての財政政策の重要性を否定すべきでない。財務省および財務省路線に乗る「近視眼的均衡財政至上主義者」は「緊縮財政」を金科玉条として、景気情勢を無視してひたすら「緊縮財政」を主張する。この「近視眼的均衡財政至上主義」が1997年、2001年の経済政策大失敗の原因になったことは記憶に新しい。この意味で「近視眼的均衡財政至上主義」は否定されなければならない。
小泉元首相が主張した「改革」政策は元来、「近視眼的均衡財政至上主義」とほぼ同義だった。小泉元首相は「改革」と叫びながら超緊縮財政を強行実施して日本経済を破綻の危機に陥れた。結局、危機に直面して「超緊縮財政」を放棄した。小泉政権は2001年度も2002年度も財源を5兆円新規調達する大型補正予算編成に追い込まれた。
「バラマキ」というのは、財政支出の方法を指す言葉だ。「制度減税」、「社会保障」、「失業補償」、「障害者支援」、「高齢者支援」などを目的に「制度」を変更して実施される財政支出を「プログラム支出」と呼ぶことができる。
これにたいして、「個別補助金」、「個別支出」などの財政支出は「裁量支出」と呼ばれる。「裁量支出」が「利権」の温床になる。麻生氏が総選挙を念頭に入れて主張する「財政政策」の主眼は、この「裁量支出」にあるのだ。この財政政策発動の手法を「バラマキ」と表現している。
「BLOG版ヘンリー・オーツの独り言」のヘンリー・オーツさんが示されているように、自民党内の「財政再建派」、「上げ潮派」、「バラマキ派」の相違は「目くそハナクソ」の違いでしかない。
共通するのは、
@「天下り」を軸とする「特権官僚の利権」根絶を提唱しない。
A「弱肉強食」を奨励し、年金、医療、雇用、障害者支援、生活困窮者支援、などの「セーフティーネット」崩壊を放置する。
B「政治屋」、「特権官僚」、「大資本」、「外国資本」、「電波」の「悪徳ペンタゴン」=「利権互助会」の利権死守を大目標とする。
の三点である。
つまり、「改革」路線とは、「弱肉強食」奨励による格差拡大を放置し、社会のセーフティーネット崩壊を推進し、一般国民の犠牲の上に立つ「利権互助会」の利権死守を目指す政策路線なのだ。
「財政の健全性回復」、「将来的な財源確保の方法」を検討することは重要だが、その前に、「官僚利権の根絶」と「セーフティーネット再構築」の是非が論じられなければならない。
自民党のコップの中の論争は、「官僚利権温存」と「セーフティーネット崩壊放置」を大前提とした論争であり、この意味で「目くそハナクソ」にすぎないのだ。麻生氏が主張する財政政策も、「利権」に直結する「バラマキ」政策である可能性が極めて高い。この種の「バラマキ」政策は「利権互助会」の利権を死守する性格を有しており、「コップの中の論議」にとどまる。
次期総選挙での最大の争点は、「利権互助会のための政治」VS「一般国民のための政治」である。「官僚利権」、「大資本」、「外国資本」の利益だけを追求してきたこれまでの政治を、「一般国民」の利益を追求する政治に「CHANGE」するのかが問われる。
「特権官僚の天下り利権を根絶」し、「セーフティーネットを再構築」し、「対米隷属の外交から脱却して独立自尊外交を敷く」ことが、新しい政府の方向になる。
「御用マスゴミ」を総動員し、焼け太りの「過剰総裁選報道」をどれだけ展開しても本質は変わらない。国民は問題の本質を見極めて次期総選挙に向けての姿勢を定めなければならない。
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