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(回答先: 麻生幹事長よ、ウソはダメだ!(日刊ゲンダイ) 投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 8 月 23 日 19:05:08)
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20080822ddm005070108000c.html
問題の本質をすり替えるというのはこうした話を指すのだろう。もちろん、太田誠一農相の「消費者がやかましい」発言だ。
自民党の麻生太郎幹事長は方言だとの論法で擁護している。だが、ことは福田康夫首相が重要課題に掲げる食の安全にかかわる問題だ。笑い話であるかのように見過ごすわけにはいかない。
中国製ギョーザ事件を受けた食の安全対策について10日、太田農相がテレビで語った発言は「日本国内は心配ないと思っているが、消費者がやかましいから徹底する」というものだ。その後、農相は「消費者が正当な権利を主張できる民主主義の国という意味で使った」などと釈明したが、この釈明の意味を理解できた人の方が少ないだろう。
一方、麻生氏は「やかましい」とは「関西以西では『よく知っている』という意味」と語った。
確かに「やかましい」を辞書で引けば「騒がしい」、「小言が多く、聞いてうるさく感じる」などのほか、「きびしい」とも出ている。だが、大半の人は「農相は日本の消費者が口うるさく、過剰反応していると言いたいのか」と受け取ったのではなかろうか。
麻生氏の話を聞き、昨年、当時の久間章生防衛相が原爆投下をめぐる「しょうがない」発言を「九州弁で口癖」と弁明したことを思い出した人も多いはずだ。「日本の国の大臣であるならば、日本の北から南まで皆さんが分かる日本語を」という野田聖子消費者行政担当相の指摘は、ごく当然のことだ。
仮に「消費者はよく知っている」「きびしい」といった意味だったと認めたとしてもだ。そもそも、農相発言の前段にある「日本国内は心配ない」という認識に、実は問題があるのではなかろうか。
中国製ギョーザ事件は有機リン系殺虫剤が中国で混入された疑いが濃厚だ。しかし、業者や役所の対応の遅れが指摘され、「食糧輸入大国・日本」の構造的な不安を私たちは改めて思い知らされた。福田内閣が消費者庁設置に熱心なのは、そうした反省からではなかったのか。食を預かる農相として認識不足というべきであり、その意味でも放言だということだ。
農相は今も発言を撤回していない。さらに驚くのは福田首相の姿勢だ。
首相は「あまり適切な発言ではない」と指摘し、町村信孝官房長官は電話で、農相に注意したという。だが、麻生氏の発言に対しては「福岡でどういう言葉づかいをしているのか知らないが、そういう解釈もあるのかなと思って聞いた」と語るだけで、まるでひとごとのようだ。
臨時国会で野党各党が農相発言を追及するのは確実だ。首相はなぜ、もっと厳しい姿勢で臨まないのか。これでは「消費者・生活者重視」の看板が泣く。
毎日新聞 2008年8月22日 東京朝刊
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