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http://ch06683.kitaguni.tv/e620485.html
gegengaさんの記事
http://blog.livedoor.jp/gegenga/archives/51474355.html
で紹介されていた渡部昇一の妄言があまりに面白過ぎて、勢いに乗って教育勅語を読んでみた。ちゃんと読むのは本当に久しぶりだ。まあ、そうそう読みたい物でも無いが。
迂闊にも今回初めて気付いたのだが、教育勅語の原文
http://ja.wikisource.org/wiki/%E6%95%99%E8%82%B2%E3%83%8B%E9%96%A2%E3%82%B9%E3%83%AB%E5%8B%85%E8%AA%9E
というのは、実はアレは日本語ではない。漢文だ。戦前も戦後も今も、教育勅語は言い回しが難解で分かり難いという指摘があるが、当然である。そもそも外国語なのだ。
漢文だから、耳で聞いても意味は分からない。「チンオモウニ ワガコウソコウソウノクニヲハジムルコトコウエンニトクヲタツルコトシンコウナリ」と言われて、きっちり漢字が思い浮かぶ人は、そうそういないだろう。睦仁さんの名で発布された当時だって、やっぱりそうだったと思う。最初から小学生に分かるような書き方にはなっていないのだ。お経と一緒で、意味が分からないくらいの方が有り難みがあって良かろうという発想なのか。
戦前に義務教育えを受けた人の思い出話として、この教育勅語を、意味も分からないままに暗唱させられたというのをよく聞く。やっぱりお経なんだなあ。
日本の仏教寺院では、漢訳の経典をそのまま音読することになっている。日本独特の奇習だが、要するに経典の意味を理解することは二の次で、声に出して朗ずることで呪術的な効果があると思われているのだ。この国に仏教が伝来した当初からの誤解である。余談だが、カクレキリシタンのオラショも、ラテン語の祈祷詞を意味の分からないままに暗唱していた。信仰を秘すために文書を残さず口伝だけで継承していたせいで、しまいには全く訳の分からない別物へと変わってしまっていた。これだって言ってしまえば一種の呪文だ。
そう考えると、教育勅語ってのも、呪文みたいなものだと言えなくもない。漢文だと何となく偉そうで威厳があるってだけのことかも知れないけど。
それにしてもまあ、漢文だからというだけじゃなくて本当に偉そうな文だ。勅語だから当たり前と言えば当たり前なんだけど、徹底して命令口調。「お前ら(臣民)はこれから俺様(朕)の言うかくかくしかじかを心して守れ」というのが教育勅語の基本的な構文だ。酷いものだ。一方的に命令されておいて何が道徳だか。
こんな物を有り難がってる暇があったら、自分で考えて判断する意志と能力を養うことの方が、よっぽど道徳教育の意味を為すと思う。戦争犯罪においては「上官の命令でやりました」という良い訳は通用しない(もちろん通常犯罪でもそうだが)。これが、第二次世界大戦を教訓にして確立された国際法の常識なのだ。
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