消えぬ『禅譲密約説』（東京新聞） gataro

消えぬ『禅譲密約説』（東京新聞）
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投稿者 gataro 日時 2008 年 8 月 10 日 19:27:44: KbIx4LOvH6Ccw

【政治】
消えぬ『禅譲密約説』
2008年8月10日朝刊

　自らの手で衆院解散はせず、政権を譲る－。福田康夫首相が麻生太郎氏に自民党幹事長就任を要請した際、こんな密約を結んだ、といううわさがまことしやかに流れている。当人はともに否定しているが、この「禅譲説」はなかなか消えそうにない。　（原田悟）

　内閣改造前夜の七月三十一日夜、家族旅行のため山形にいた麻生氏に首相から電話が入った。

　麻生氏は幹事長就任の打診に「電話で答えられる話ではない」と応じ、翌朝帰京することを約束した。

　昨年九月の党総裁選に敗れた麻生氏は、その後の首相からの入閣要請を「哲学が違う」と固辞した。

　今回は、首相との直接会談にこだわった。

　二人は八月一日午前十一時から、首相官邸に隣接する公邸で会談した。向き合っていたのは四十分余。

　麻生氏は「党存亡の危機ともいうほど大事な時。ぜひ、力を貸してほしい」と、首相の就任要請の言葉を説明する。

　だが、幹事長就任の諾否だけなら電話で事足りる。麻生氏が会談にこだわっただけに、二人が話し合ったのはそれだけだったのか、という憶測を呼んだ。

　「麻生氏は首相との直接会談で、何らかの感触をつかんだのではないか」との見方が流れ、これが禅譲説に発展した。

　禅譲説をかき立てるもう一つの側面は「常識的な判断をする」（閣僚経験者）といわれる首相の性格にある。

　首相は、どういう戦略で衆院選に臨めば、最も与党に有利かを冷静に考え、実行に移すのではないか、という見方だ。

　自民党の一部や公明党では「福田首相では選挙を戦えない」（中堅）との声が上がっており、首相の耳にも届いているのは間違いない。

　自民党筋によると、人心一新のため、内閣改造・党役員人事の断行を迫った町村派重鎮に、首相は「それなら私の手で選挙をやってもいいのか」と、逆に尋ねたという。

　こんなこともあって、「首相は自分では選挙に負けると判断すれば、潔く辞めるのではないか」との観測が消えない。禅譲説は、衆院解散直前に、首相が麻生氏に政権を託し、「麻生首相」の誕生直後、勢いに乗って衆院解散に打って出る戦略に行き着く。

　「そう言う人に聞いてください。大体、公になったものは密約と言わないでしょ」

　首相は七日、記者団に密約の有無を問われ、こう不快感を示した。ただ、自分が解散に打って出るかどうかは「今は言う時期ではない」と、けむに巻くばかりだった。

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「政権禅譲密約」をめぐる麻生の打算と福田の計略――改造内閣はいつまでもつのか（上）｜政界インサイドレポート（九州企業特報）
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