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2008年08月10日
戦争に対してあまりにも無力な国際社会
世界の首脳が平和の祭典を祝っている時にグルジアで紛れもない戦争がはじまった。
それにもかかわらず誰もそれを止められない。
世界を動かすブッシュもプーチンも、平和の祭典を主催する胡錦涛も、無力である。
国連安保理は停戦決議すら成立させる事が出来ず、事務総長の姿はまったく見えない。
この事は、21世紀の今日においても、国際社会は戦争を回避することができないという現実を我々に突きつけた。
事態は極めて深刻である。
しかし、だから平和主義は無力だ、軍事力は必要だ、憲法9条は改めるべきだ、と考えるのは、大きな間違いである。
軍事力を持つからこそ戦争が起こるのだ。紛争を平和的に解決しようとせず安易に軍事力に訴える事になるのだ。
軍事力に訴えるから相手に負けない軍事力を持とうとする。その結果米国、ロシアの軍事的対立の構図が冷戦後も変わることなく続き、いまやそれに中国が急速に仲間入りをしつつある。
あらゆる戦争は彼らの代理戦争になっていく。
日本が軍事力を少しばかり強化してみたところでどうにもならないのだ。
日本の憲法9条の先駆性は、いまこそ、その正統性を持つ。
今度の戦争は民族紛争、国家分離紛争が原因であると言われている。それはその通りだろう。
しかし、民族紛争、国家紛争のすべてが、そのまま戦争に繋がる事は決してない。それどころか戦争に繋がらない紛争のほうが圧倒的に多い。
およそあらゆる戦争は、指導者の政治的思惑で起こされるものなのである。
今度の戦争も、親米化を急ぐグルジアのサーカシビリ大統領と、それを許さないロシアのメドベージェフ大統領(プーチン首相)の政治的思惑で引き起こされたものである。
そしてその遠因は、冷戦後もなおロシアを包囲しようとする米国の敵対政策がある。
東京新聞をのぞく今日のすべての各紙はこの問題を取り上げている。こぞって関係者すべて自制を求めている。
しかし真っ先に和平に向けて動かなければならないのは米国とロシアの指導者だ。
もし中国の胡錦涛主席が、「グルジアの戦争が停止されない間は五輪のあらゆる競技を停止する」、と呼びかけたらどうだろう。
間違いなく世界はそれを歓迎する。戦争は停戦となる。
残念ながらそこまでの器量は中国にはいまだ持ち得ない。
どうしたら世界から戦争をなくすことが出来るか。
それはわからない。
しかし一つのヒントはある。
世界の多くの国に勤務してきて確信するのは、戦争に賛成する一般市民などいるはずはない、ということだ。
指導者が政治的に正しく振る舞い、決して紛争を戦争にさせない、という決意があれば、戦争は起こらないのだ。
そのような指導者を一般国民が選べるような政治体制の国が一つでも増えれば、戦争の可能性は少なくなる。
世界の国民が手を繋ぐことだ。手を繋いで戦争を始める指導者を選ばない事だ。
その中心に日本の憲法9条の精神がある。
日本の政治指導者の中から、憲法9条を世界に広めようと本気で行動する人物が生まれてこない事が残念でならない。
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