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2008年08月06日
核廃絶と日本の外交力
今日8月6日は広島に原爆が投下された日である。8月9日の長崎の原爆投下とともに、日本人にとっては決して忘れてはならない日である。
今日のブログでもやはりこの問題について書かざるを得ないと思う。
6日の各紙の社説は、さすがにこぞって核兵器の問題を取り上げていた。
しかしその内容は様々だ。
東京新聞は政治論を離れ、ヒロシマ、ナガサキの悲しい体験を「伝えたい、語りたい」と題して、平和とは、一人一人の小さな意思の積み重ねであると、詩的、情緒的に訴えていた。
その社説に異存はないが、格段のコメントはない。
産経と日経の社説の特徴は、「北の核を許さぬ決意新たに」(産経)」、「核拡散への監視を緩めるな」(日経)などとと、原爆記念日にかこつけて北朝鮮の核を叩いていることだ。
日経の場合は、それでもインド、パキスタン、イスラエルなどの核保有にも言及し、核不拡散の枠組み作りの重要性と日本の責務を訴えている。
しかし、産経新聞に至っては北の核一色だ。
「(核全廃を訴える事も)大切であるが、日本が直面する最大の脅威国は北朝鮮の核である」とし、「(昨年のヒロシマの平和宣言には北の核に対する警告のメッセージがなく国民に失望感を与えた」とし、「米国が軽々に指定解除をしないように、さらに働きかけを強めて欲しい」などと主張する。
「核全廃を訴える事も大切だ」、などと言わず、いっその事、米国が核を独占して世界のならず者を抑え込め、と書いたほうがわかりやすい。
前置きはそれぐらいにして、私がこのブログで指摘したい事は、これから書くことである。
読売、毎日、朝日の社説は、いずれも、昨年1月のウオールストリートジャーナル紙に掲載されたキッシンジャー、シュルツ元国務長官、ペリー元国防長官、サム・ナン元上院軍事委員長の共同寄稿に言及し、核廃絶のチャンスであるとしていた。
この米国の安全保障政策の重鎮らによる核廃絶呼びかけの重要性については、私は07年3月1日のブログで強調した。
この呼びかけを千載一遇のチャンスととらえ、日本政府は彼らにアプローチをし、一緒になって米国政権を動かし、そして世界に呼びかけて核全廃を現実の動きにつなげろ、と提案した。
日本のメディアもそれを訴えるべきであると書いた。
残念ながら日本からは何の反応も出てこなかった。
ところが世界は動いていたのだ。
昨年に引き続き今年の1月にもまたキッシンジャー氏らは核兵器廃絶を提言している(毎日社説)。
それに動かされて、今年の6月末、英国のハード元首相、ロバートソン前NATO事務総長ら4人が「思い切った核軍縮は可能であり、最終目標は核のない世界であるべきだ」との主張を英タイムズ紙に寄せた(朝日社説)。
動きはOBだけではない。政府レベルでも新風が吹き始めた。
ノルウェーは今年2月、シュルツ氏らを招いた国際会議を開き、ストーレ外相は「核廃絶には国際安全保障のあり方を考え直すことが必要で、国の指導者自身の取り組みが欠かせない」と強調した。
今年6月、来日したオーストラリアのラッド首相は広島で核廃絶に向けた国際的な賢人会合の創設を提唱した。
そして今、米国では、次期米国大統領を目指すオバマ氏が「(核のない世界という)ビジョンを現実にするために力を尽くすのは米国の責任である」と語り、マケイン氏が「思い切って世界の核を減らす時がきた」と、米国が指導力を発揮する決意を強調し始はじめている(いずれも朝日社説)。
今こそ日本は全力をあげてその外交力を発揮する事ではないか。
決して遅くはない。
それどころか、米国ではブッシュ政権がイラク戦争の誤りを批判され、失意の中で退場しつつある。
米国も欧州もその誤りから立ち直ろうとしている。
イラク戦争で壊された世界の平和を本気で取り戻そうと模索している。
そのような中で唱えられ始めた核兵器全廃だ。
核兵器廃止は、米国がその気になれば出来る。
米国が率先して核廃絶を行なえば、世界はこれに従う。
その米国が、OBも、次期大統領候補も、核廃絶を言い始めたのだ。
彼らが嘘を言っているとは思えない。
どこかの首相と違って公約をあっさり翻すは思えない。
そんな事をしたら世界から批判されて、たちどころに政治生命を奪われるであろう。
核兵器廃絶は動き出すに違いない。
唯一の被爆国である日本の首相が本気になってその動きを加速させない手はない。
福田首相がこのブログを読むことを切に願う。
そして指導力を発揮する事を願う。
もし福田首相が米国を動かす事ができるなら、そして世界を束ねることが出来るなら、
それだけで福田首相は歴史に残る名宰相となるだろう。ノーベル平和賞は間違いないだろう。
北朝鮮もイスラエルもイランも、核を保有し続ける事はできない。核兵器を開発する事はできない。
世界を敵に回しては生き残れない。
福田首相。支持率の低下や総選挙の勝利に悩む必要はない。
そんな事は取るに足らない瑣末な事だ。
そんな事に人生を消耗するよりも、この地球上から核をなくすことに賭けて見ないか。
誰もが出来ないと思っていたことが今目の前に現れつつあるのだ。
私は決して冗談で言っているのではない。誇張して言っているのではない。
おそらく今歴史は100年一度、あるいはそれ以上の転換期にある。
それを感じ、行動に移すことが出来るかどうかが、政治家の器量である。
外交の福田である。
外務官僚からは歴史観のある想像力は決して生まれてこない。
しかし彼らは命じればそれを忠実に実行する。
彼らだってそうしたいに違いない。
初めてやりがいのある仕事にめぐりあえるのだ。
今こそ福田首相は外務省を奮い立たせ、核廃絶に向けての流れを現実のものとすべきだ。
日本が行なわなくても、やがて誰かがそれを行なうに違いない。
唯一の被爆国である日本が先駆けてそれを行なわなくていいはずはない。
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