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2008年08月03日
ノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作元首相とキッシンジャー元国務長官の会談議事録
機密公文書の公開によって史実が明らかにされる。それによってそれまでの評価が変えられる。
その例をもう一つ紹介したい。
8月1日に発売された月刊現代9月号に、春名幹男元共同通信ワシントン支局長(現名古屋大学教授)の貴重な発見が自らの手で語られている。
すなわち春名氏は、米国ミシガン州にあるフォード大統領図書館を訪れ、そこで、いままで日本のどの学者、研究者も目を通した形跡のないキッシンジャー・佐藤栄作会談の記事録を発見したという。
そして、その議事録で明かされている新事実を次のように我々に教えてくれている。ノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作元首相とキッシンジャー元国務長官の知られざる会談である。
沖縄返還を成し遂げた佐藤栄作元首相は1974年ノーベル平和賞を受賞した。
後にも先にも初めての日本人のノーベル平和賞受賞である。
あの小泉元首相が、自分も欲しいと考えて日朝国交正常化という功労を焦ったと噂されたほどだ。
受賞理由は外交交渉で沖縄返還を実現した事、そして日本の非核三原則政策を打ち立てた事であるという。
ところがその佐藤栄作元首相は核武装論者であった。
さらにまた沖縄返還の際には密約が存在し、いわゆる「核抜き本土並み」返還が嘘だった事が後日米国公文書公開で明らかにされた。
ノーベル平和賞受賞自体が、本人が寝耳に水だとの驚きのポーズとは裏腹に、周到な受賞工作を結果であった。
その功労者の一人が前年(73年)にやはりノーベル平和賞を受賞したキッシンジャー国務長官であった。
これらは既に周知の事実である。
ところが春名氏が見つけたキッシンジャー・佐藤議事録は、さらに次のような新事実を教えてくれている。
1974年11月フォード大統領が現職の米大統領として始めて訪日した事があった。
その時同行したキッシンジャー国務長官を、首相を離れて2年半の佐藤氏が訪れている。
キッシンジャー国務長官を訪れた目的はノーベル平和賞受賞の際のスピーチの草案について、キッシンジャー長官の了承を取ることであった。
佐藤氏はそのスピーチのなかで、当時の核兵器保有五大国(米、ソ、英、仏、中国)に向けて核兵器全廃を訴えようとした。そのためにはキッシンジャー長官の了承が必要と考えた。
ところがキッシンジャー長官はそれを認めなかった。当時通常ミサイルに関しては米国、欧州はソ連より劣っていた。核兵器の抑止力があるからこそソ連を牽制できたのだ。
何をとぼけた事を言い出すのか。
それよりも何よりも、核武装論者の佐藤が、ノーベル平和賞をもらったとたんに核廃絶論者づらをすることが許せなかったのだ。
キッシンジャー長官に一蹴された以上あきらめるしかない。
佐藤氏は御丁寧にスピーチを報じる新聞のコピーを後日キッシンジャー長官に送り、約束どおり核廃絶を訴える事はしなかったと、身の証を立てるという従順ぶりである。
その半年後佐藤氏は脳溢血で倒れ世を去ることになる。
それから30年余り立ち、キッシンジャー氏は、シュルツ元国務長官、ペリー元国防長官、サム・ナン元上院議員らと連名で、この地球上から核兵器を廃絶すべきだと訴えるようになった。
テロに核兵器がわたるくらいなら全廃したほうがいいという。米国は核兵器より強力な兵器を独占しているからだという。
いい加減なものだ。
佐藤氏が聞いたらなんと思うことだろう。
もっとも、どっちもどっちであるが。
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