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社説
原潜放射能漏れ 微量ならば許されるのか
米原子力潜水艦から放射能を帯びた水が漏れていたことが明らかになった。日本で今年三月、佐世保基地に寄港したときにも漏れていたという。
米海軍は、漏れた放射能が極めて微量であるとした上で「乗組員に健康被害はなく問題は全くない」としている。深刻さが感じられない。
放射能漏れなどないと自負していたはずの米原子力艦船で起きたのだ。微量だから許されるというものではない。健康に悪影響が出る事態になっていたら、と思うとぞっとする。
放射能漏れを起こした米原潜ヒューストンが事実を把握したのは七月二十四日で、ハワイでの定期検査のときという。日本政府に知らせたのは八月一日と一週間も遅れた。
連絡を受けた日本政府の対応にもまるで危機感が感じられない。外務省が佐世保市に連絡したのは翌二日だ。市民らの安全にかかわることである。地元が憤るのは無理もない。
一刻も早く現地に知らせようという気はなかったのか。外務省の対応が批判されるのは当然だろう。
政府は米海軍にきちんとした説明を求める必要がある。まず放射能漏れがなぜ起きたかという肝心の原因だ。
米側は漏れた放射性物質の推定量は公表している。微量であることを強調したいためだろう。乗組員の健診も行い、人体に影響がないことも確認している。そこまで調べているならば原因もつかめているのではないか。
米側がどうして漏れたかを丁寧に説明しなければ、原潜や原子力空母の寄港地では不安が募る一方だろう。
三月に起きた放射能漏れが七月の検査まで分からなかったのも不可思議だ。この間内部でひそかに対策を練っていたのでは、と疑いたくもなる。
米原子力空母ジョージ・ワシントンが米軍横須賀基地に近く配備される予定だ。受け入れる市民の間で不安が一層高まっている。この空母では五月に喫煙が原因で火災が起き、艦長が更迭されたばかりだからでもある。
原子力艦船の日本寄港時には日米双方が放射能調査を実施する。速やかな相互通報をする取り決めだが、どのレベルから通報するかはあいまいだ。
二〇〇六年九月、米原潜が横須賀基地出港後に自然界にない放射性物質が検出された。米海軍は原潜に異常はないと結論づけた。文部科学省も同様の見解を示した。だがその専門家会合の席上、委員から原子炉などの構造が分からず推論もできないとの声が出た。
何か起きるたびに軍事上の機密が壁となってお手上げでは情けない。事は日米同盟の信頼にもかかわる。日米両政府はこれを機に対策を話し合い、住民の不信をぬぐう必要がある。
[新潟日報8月3日(日)]
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