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社説
空自イラク撤収
2008/08/01
速やかに実行に移す時だ
イラク復興支援特別措置法に基づきイラクで空輸活動を行っている航空自衛隊部隊について、政府、与党は年内に撤収させる方針を固めた。空自部隊がクウェート〜バグダッド間で行っている武装米兵らの空輸をめぐっては、名古屋高裁が今春、「他国による武力行使と一体化した行動」として憲法九条違反と認定していた。撤収方針はまっとうな判断であり、速やかに実行に移すべきだ。
イラク戦争が国際法違反の行為であり、大義のなかったことは国際社会周知の事実となった。米国内でも反省が出ている。開戦に反対し、大統領就任後十六カ月以内の駐留米軍撤退を主張するオバマ上院議員が、大統領選をリードしている。日本政府はブッシュ政権追随でイラク戦争を支持し、自衛隊派遣まで行ってきたが、その行動の在り方を改める時だ。
政府、与党の方針の背景には、空自部隊が参加している多国籍軍の駐留根拠である国連安保理決議が今年末に期限切れになることがある。空自部隊が来年以降も活動するには、イラク政府と地位協定を結ぶ必要がある。協定は与野党逆転下の参院で争点となるのは必至で、政府、与党は審議紛糾を懸念した。イラク特措法廃止法案を数度提出してきた民主をはじめ、共産、社民各党も自衛隊の即時撤収を主張してきたからだ。
そもそも地位協定の締結自体が簡単なものではないだろう。マリキ・イラク首相は昨年五月、「今年中にも日本の部隊は必要なくなる」と述べ、文民による復興支援を求める考えを表明したことがあった。イラク国民の日本への期待は、「軍隊」の派遣などではないからだ。
米軍など外国軍の撤退を求めるイラク国民の声は日増しに強まっている。米国とイラク政府との地位協定締結交渉では、協定に米軍撤退に向けた「日程上の展望」の明記を目指すことで合意した。米側は撤退期限設定に反対したが、イラク側に押し切られたという。またイラク側の強い主張で、協定は二〇〇九年一年間だけの暫定協定になるとの観測もある。
イラク政府高官は最近、「一〇年末までの米軍撤退」を求めて声を上げ始めた。オバマ氏のバグダッド訪問時、ハシミ副大統領は「一〇年十二月三十一日までに最後の米軍部隊がイラクを出発するとの合意に達すればうれしい」と述べた。オバマ氏はマリキ首相と会談後に声明を発表し、同首相も戦闘部隊の一〇年末までの撤退に期待感を示したとした。
イラク側が米軍撤退の具体的期限を示した意味は大きい。その背景には一定の治安改善もある。
空自が撤収となれば、〇四年から続いた自衛隊イラク活動は終了する。イラク戦争をめぐる日本の対応の是非について、今後、きちんと総括を行う必要があろう。
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