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「白紙答案で強行入社」した森元総理の語るエピソード(00年4月) (保坂展人のどこどこ日記)
http://www.asyura2.com/08/senkyo52/msg/313.html
投稿者 ダイナモ 日時 2008 年 7 月 31 日 23:54:55: mY9T/8MdR98ug
 

http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/4fa1dea354affa568821d2392a763268

大分県で明らかになった「コネ人事」や「採用試験の不正合格」のことを考えていて、ふと思い出したことがある。2000年(平成12年)4月5日に小渕元総理が急死すると、後に低支持率にあえぐことになる森喜朗総理が「密室」で誕生する。衆議院予算委員会では、誕生したばかりの森総理に対して各党の代表が質問した。社民党では私が立って自著で「新聞社の入社試験に白紙答案を提出して……」と自慢していることを取りあげた。これは「恫喝コネ入社」ではないかと。予算委員会の議員席は笑いに包まれ、与党席からは「立派なコネじゃないか。たいしたもんだ」という称賛の野次も飛んだ。今、このやりとりを改めて読み直してみる。森総理の著書である『あなたに教えられ走り続けます』という本をかざして、私は問いかけた。

[衆議院予算委員会00年4月25日]

○保坂 御自身でお書きになったものをまとめられたものということなんですが、私は、まずぱらぱらと読み出して、何カ所かで目がとまって、もうこんなに附せんがつくほど熟読させていただいたのですね。

 ずばり「白紙答案で産経新聞入社」というところを見て、これはちょっと驚いたのですね、正直申し上げて。ここでお書きになっていますけれども、早稲田に在学当時、同友会という活動をやられていて、自民党の千葉さんという方の御紹介で水野さんという財界人の紹介を受けて、そして産経新聞に入社をお願いする。ところが、産経からは連絡が来ない。来ないということで連絡をしてみると、行き違いがあったのか、あきらめてくれという話で、就職が決まらない当時の学生時代の森総理は、そこでかなり強引なことをされたというふうにここで書いていますよね。

 こういうふうに書いてありますね。要するに、産経新聞はもう採用しないと言っている。けれども、どうしてもこれでは自分は納得できぬということで、産経新聞とのやりとりで、では試験をやりましょうと言われて、まともに試験を受けても合格しないことは自分でもわかっていたから、この試験は私を落とすための口実だと思って、「答えを書けば評価される。私は絶対に試験は受けませんよ」「いやです。いくら最低限といっても、何か書けば評価の対象になる。絶対にいやです」「わかりました。私は答案を白紙で出します。答えがわかっても書きません」、そして、森総理は、予告どおり、答案用紙に名前だけで、白紙で出した。答えのかわりに、天下の水野氏は前途有望な学生をつぶすようなことがあってはならないというようなことを書かれた。

 これを見て、これは恥ずかしいという気持ちはないでしょうか。これは自民党幹事長室で前に書かれているわけですよね。去年の春ですよね。試験というものを受けないで、しかも採用しないと言っているのに、いわば強引に押しかけて、白紙答案で強行突破する、このことを恥ずかしいと思われませんか。

○森総理 勉強を余りしなかったということが今、長い人生を振り返ってみて、もうちょっと勉強すればよかったなという思いはやはりありますね。そういう面での恥ずかしさはあります。

 しかし、勉強だけが人生じゃないと私も思っておりますし、いろいろな面で人間完成を目指していくことも大事だというふうに私は思っています。その本が、若い学生たちにもし読んでいただけたら、人生というのはそう簡単に何でも我慢してしまってはだめだよ、努力しなさいというふうに読み取ってもらえれば大変ありがたいと私は思っているんです。

 ただ、当時は、今もそうですが、当時もやはりなかなか就職というのは厳しい時代で、そして、優の数が私の大学では三十幾つないとなかなか就職部からあっせんしてもらえなかった。したがって、つまり、水際でだめになるわけですね、優の数がそんなになかったものですから。

 ですから、これはもう就職をあきらめなきゃならぬのかななんて思っておりましたときに、たまたま学生会の活動の中から水野さんとお会いする機会がございまして、その中で、私だけじゃないんです、数人の学生たちがみんな目前に来年の卒業を控えて、頭の痛いのは就職ですという話をしておって、それぞれみんな何をするのか何をするのかと求められたわけでありますから、私は新聞記者になりたいのですということをそのとき申し上げたら、「そうか、ではうちの会社があるからうちへ来るかね」と言うから、それはよろしくお願いしますと言うのは、当時の二十二歳の若者としては当然じゃないでしょうか。

 ちょっと待ってください。これは私の名誉に関することだから、簡単に……(保坂「時間がない」と呼ぶ)では質問しなければいいのであって。ですから、そこのところはちゃんと私は申し上げておかなければならぬことです。

 そして、会社の方では、わかりましたと社長が引き受けてくださった。それは、今見れば社長がおっしゃったことや人事部長の言うことは違うのかもしれませんが、当時の純粋な若者としては、会社の最高の責任者である社長が、「わかった、うちへ来いよ」とおっしゃってくだされば、入れていただけるものだと思うのは当たり前じゃありませんか。

 そして、二月か三月、そろそろ卒業になったけれども何の連絡もない。ほかの皆さんはそれぞれ就職があったあったと喜んでおられるので、私はどうしたものかと思って産経新聞の人事課にお電話をいたしましたら、「ああ、ことしは採用しないことになっているのです」と言うからびっくりしたわけです。

たまたま運がよかったのは、その人事課長が石川県の方であったものですから――いやいや、ちょっと待ってください。それで、あなたのような方が数人おられるのです、ですから、その方々のことも考えて一度検討して、また御返事申し上げますという返事でありましたから、待っておりましたらお電話がありまして、試験をするということになったのです。

 私は、そのときその方に、「試験をするということは、やはりはねることもあるのですね」と言ったら、「それはそうですね、やはり試験をして成績が悪ければ落としますよ」ということでしたから、それはまた「社長との約束と違うじゃありませんか」ということになったのが今おっしゃったようなことでありまして、私は、どういう形であれ、会社に入って、会社にとって有益な人材として頑張れるという自信があったから、私の評価する面をいろいろな角度で見ていただくことが大事だ、こう思って私は自分の主張を最後まで貫いたということであります。

○保坂 今の答弁を聞かれて、多くの若い人はあきれていると思いますよ。今、仕事がなくて、就職できなくて、学校は出たけれども就職が決まらないと悩んでいる若い人は多いですよ。それで、今の総理のお話を聞くと、試験を受けたら落ちる。だったら勉強して浪人でもして、もう一回ちゃんと勉強して試験を受けようという気持ちはなかったのですか。

そういうのをいわばコネ入社、恫喝コネ入社というふうに言うのじゃないですか。

○森総理 どうしてそれがコネになるのか、どうも私わかりません。(保坂「有力者の紹介」と呼ぶ)いや、有力者じゃないですよ。私は、その活動をしながらそういう人たち、いろいろな先輩たちと会って、たまたまそのときに、そういう水野さんという方がおられたから私は堂々と議論をしただけの話でありまして、だから問題は、答案用紙の採点だけで見るのか、あるいは人間性を見るのか、あるいは運動部で鍛えてきたものを見るのか、いろいろな見方があるのじゃないでしょうか。そういう多面的な要素で人間の就職というものを雇用側はやはり考えていっていただくということが大事なことではないかなと私は思っています。

○保坂 私は、この本はあえて言えば、若い人がこれを読んで、ああ、世の中には裏と表があるんだなと。フェアで、みんな努力して、その日のために試験を受けてだめなら落ちる、これが公平な社会だと思っていたら、総理大臣がこうやって予算委員会で堂々と、コネ入社、そして試験をすると言ったら、私は落ちるからだめだと言って突っ張った。これが武勇伝ですか。

 こういうものを読んで、では今若い人たちが、おれも私も森流の、企業に直接コネを探して言っていこう、こういう悪い影響を与えると私は思いますよ。どうですか。

○森総理 一つには時代というものも違うだろうと思いますし、それから、やはり私が常に言っておるのは、企業側もペーパーだけでテストするというのはよくない。いろいろな角度で十分にやはり人を見て採用すべきだ。

 念のために申し上げますが、私は、教育改革をやりましたときの文部大臣として、当時、私が主張していたことが一つあるのです、残念ながら採用されませんでしたけれども。それは、三月に卒業をして、十月に入学あるいは会社の採用をするというシステムはどうだろうか。その方が丹念に、ペーパー試験だけではなくて、人物を十分見れて採用できるのではないだろうか。あるいは、会社が転勤するときと卒業、入学と同じ時期になることが、どうしても家族をそのまま置いて大阪へ転勤したり、北海道へ転勤するというような事態にもなって、家庭が崩壊するということにもなるんで、まずはお父さんが転勤をしても、その後十分時間をかけて学生たちが進学するという形をとってもいいんじゃないか、あるいは就職する形をとってもいいんじゃないか、こういうことを私は当時提案をした事実もあるんです。

 ですから、議員がそういう見方をされるのかもしれませんけれども、逆に私は、その本を買って、随分激励と、いや、すばらしかったというお褒めのお言葉もたくさんいただいています。

○保坂 今、若い人たちあるいは高校生や中学生も、場合によってはこのやりとりを見ているかもしれません。そういうときにやはり、こういうフェアな、きちっとルールを定めたところである試験にいわば裏口がある、ほかの人には使えない手があるということを示すのは、とてもこれは問題だと思います。

 つまり、公平な機会均等の競争は人をやる気にもさせます。けれども、こういうことを武勇伝として言っている神経が私には少しわからないんですね。今回これを全部は紹介できませんけれども、これは森総理、若い人に対して、僕は混乱を与えると思いますよ。あるいは失望を与えると思いますよ。

 政治家に対する信頼感というのは非常に低いんです。政治家は信用ならざるものだということで、若い人は極めて失望深いんです。そういうことをきちっと考えて、なおこの本を販売し続けるんですか。これからもこれを回収したりすることは考えないんですか。

○森総理 私は武勇伝だなんて思っておりません。先ほど申し上げましたように、冒頭に申し上げたでしょう、いささか反省をして、学生時代にもう少し勉強しておけばよかったなという反省は常々持っておると私は申し上げている。しかし、教育というのは勉強だけではないんだろう、私はそう思っております。

 私としては、当時大人社会の皆さんと対応して、率直な青年として堂々と私は会社に述べて、そして採用していただいた。したがって、試験も当然受けたわけでありますが、それを人事部長や人事課長のペースで簡単に採点だけではねられてしまっては困ると思ったから、私は経営者との約束をきちんとメモしておいたということであります。

 それから、その本を出版する気持ちはあるんですかと。私は、別に出版しているわけじゃありません、それを売ってもうけているわけでも何でもありません。それは出版社が自分たちで出版を続けておられるんでしょうから、私から差し出がましいことを申し上げる、そんな必要はないんじゃないでしょうか。

[衆議院予算委員会 平成12年4月24日]

このやりとりは、NHKでテレビ中継された。だから私は、「これを見ている若い人は」などのセリフをまじえて問いかけている。民主党のベテラン議員は、「答弁うますぎ。いいテーマだったんだけど、さすが森さん答弁がうまいや」と妙に感心していた。

教員採用試験のコネや点数操作など「ちょこざいな工作」に見える。「入社試験で堂々白紙答案」で「試験」を覆し、「経営者との約束」をかざして強行突破したことを「武勇伝」として誇示しているかの如き記述に違和感を覚えたのは、私が「政治活動を記入した内申書」によって「入学試験の点数」は上位でも振り落とされたという体験があるせいだろうか。

この答弁の1年後、史上最低の支持率にあえいできた森内閣は総辞職し、日本中を熱病のように覆い尽くした小泉純一郎総理が誕生する。
 


 

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