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2008年07月31日
拉致家族を正しい方向に導く人が現れないものか
このところすっかり報道されなくなった北朝鮮問題について書いてみる。
25日の読売新聞社説は、鳴り物入りで初めて行なわれた6カ国外相会議が、「核も拉致も進展しなかった」という見出しで、米国の対朝鮮宥和政策とそれに従うしかない日本政府の無策を批判していた。
読売新聞が社説に掲げるまでもなく、わが国の対北朝鮮外交は迷走を繰り返し、国民に真実を明らかにされないまま行き詰まったままだ。
このままでは、拉致問題は国民が納得する形で解決される見通しは皆無に近い。
いずれ拉致被害者家族に冷酷な事実が告げられ、国益のためにはそれを受け入れるしかないではないか、と迫られて拉致問題は終止符を打たれることになるだろう。
これに対し、拉致被害者家族会は街頭抗議を必死に続けて、国民に訴えている。
30日も新潟市内で、制裁解除はするな、万景峰を入港させるな、とシュプレヒコールを挙げたと報じられた(31日読売新聞)。
その少し前の7月9日には、洞爺湖サミットでの福田首相の熱意のなさに失望し、「もはや日本政府には期待できない」と、今後は政府と距離を置く方針を明らかにした(7月10日毎日新聞)。
その気持ちは痛いほどわかる。
私も北朝鮮の非道を憎み、一日も早い被害者の救出を強く願う者の一人である。
だからこそ、このような拉致被害者家族の対応を残念に思う。
拉致被害者家族の行なう事は、決して制裁強化ばかりを主張する事ではない。
拉致被害者は絶対に日本政府と距離を置いてはいけない。
拉致家族が行うべき事はなにか。
それはあくまでも日本政府や外務省に対し、北朝鮮とのトップ会談を通じて、一日も早い拉致被害者の救出を求め続ける事である。
すなわち、拉致被害者が相手にするのは、金正日の北朝鮮ではなく、福田首相の日本政府だ。
そのためには日本政府と距離を置いてはいけない。日本政府がこれまで如何に無能で不誠実であったとしても、いやだからこそ、その日本政府に、国民を救出する責任は政府にある、と迫り続ける必要があるのだ。
そしていたずらに制裁強化ばかりを訴えるのではなく、どのような手段でもいいから、とにかく一日もはやく拉致被害者を救出して欲しい、もし、もはや生存していない事が確認されているのなら、その事実を早く公表し、その後の正しい対応を示して欲しい、嘘をついてこれ以上我々の心をもてあそばないでくれ、と詰め寄ることである。
拉致被害者の救出については、街頭で寄付をすることぐらいしかしてこなかった一国民の私である。
拉致被害者家族やそれを支えてきた関係者に意見を言える資格は私にはない。
それを承知で、私はこころより願う。
拉致被害者家族を正しい方向に導く人が現れて、政府、外務省に対し、正しい対応を取るよう迫っていく事が出来ないかと。
今求められている事はそのことである。
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