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新テロ特措法、期限切れほぼ確実 公明再議決に応じない方針
7月30日8時1分配信 産経新聞
■国際貢献暗雲
インド洋で海上自衛隊が補給活動するための新テロ対策特別措置法が来年1月に期限切れとなることがほぼ確実となった。年内解散に向け、臨時国会の9月下旬召集を求める公明党が新テロ特措法延長の衆院再議決に応じない方針を固め、自民党も参院執行部などが同調し始めたためだ。政府はイラクで活動中の航空自衛隊を年内に撤収する方針を固めており、日米同盟関係の悪化は避けられない見通し。海自の撤退は8カ国の海上阻止活動(OEF−MIO)の枠組みへの影響も大きく、国際社会の非難を浴びそうだ。(加納宏幸)
▼中断に傾く大勢
「テロとの戦いは今が正念場だ。日本に当事者意識があるかの問題だ」
石破茂防衛相は29日朝、自民党の国防関係合同部会で海自の補給活動の重要性を訴えた。出席議員からは「イランの暴発でホルムズ海峡が有事になったら原油輸送を誰が支援するのか」(佐藤正久参院議員)など賛同意見が相次いだ。
しかし、自民党総務会では山本一太参院議員が「中国がアフガニスタンでの『テロとの戦い』に加わったら日本は安全保障や外交の上で計り知れないダメージを受ける」と強調したが、同調する声はなかった。自民党の大勢は「活動中断やむなし」に傾きつつある。
海自は今年1月に補給艦を再派遣後、32回にわたり計5475キロリットルの燃料を米英仏・パキスタンなどの艦船に補給し、テロや海賊対策に貢献してきた。
海自の活動の継続には臨時国会で新テロ特措法を改正しなければならないが、昨年の臨時国会で法案に反対した民主党など野党が賛成に転ずる可能性は低い。
加えて公明党は年内解散を念頭に「野党の理解を得られるように与野党でしっかり協議することが先決だ」(北側一雄幹事長)と衆院再議決による法改正に反対を表明。公明党の協力なしに衆院で3分の2以上の賛成を得ることは不可能で、衆院再議決は事実上封じられてしまった。
また、公明党は8月下旬に召集予定だった臨時国会の9月下旬への先送りを主張しており、そうなれば審議時間の確保は困難だ。11月の米大統領選を見据え、「米国の今後の安保政策が見えないのに政権を賭して法改正すべきか」(閣僚経験者)との声もある。
▼国際世論の批判も
しかし、インド洋から海自が撤収すれば、輸入原油の9割を中東に依存する日本はシーレーン(海上輸送路)の安全を他国に委ねることになる。
今年4月には日本郵船のタンカー「高山」が海賊船の発砲で被弾した。これを受け、国連安全保障理事会は6月3日、ソマリア沖、アデン湾での海賊対策を求める決議を全会一致で採択した。日本は決議案の共同提案国に名を連ねており、海自撤収は責任放棄と指摘されかねない。
しかも海自は昨年11月から約3カ月間活動を中断しており、2度の撤収による国際社会の信頼低下は計り知れない。海自撤収を受け、中露両国が海賊対策を名目にインド洋などへ艦船を派遣し、シーレーン防衛の新たな枠組みが日本抜きで動き出す可能性もある。
何より小泉純一郎元首相とブッシュ米大統領の「蜜月」で強まった日米同盟がほころぶ危険性がある。北朝鮮のテロ国家指定解除など米朝接近が進む中、海自撤収はこれに歯止めをかける外交ツールを失うことにもなりかねない。
◇
【用語解説】新テロ対策特別措置法
インド洋で補給活動を実施する海上自衛隊派遣の根拠法。正式名称は「テロ対策海上阻止活動に対する補給支援活動の実施に関する特別措置法」。昨年11月1日に期限切れとなったテロ対策特措法に代わるもので、テロ特措法にあった捜索救助、被災民救援活動などを外し、自衛隊の活動内容を海上阻止活動に当たる艦船の給油・給水に限定している。今年1月、野党が過半数を占める参院で否決され、憲法59条に基づいて衆院で再議決、成立した。1年間の時限立法で、来年1月15日に期限切れを迎える。
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