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原発定検、間隔延長 稼働率向上へ最長24カ月に(産経新聞)
http://www.asyura2.com/08/senkyo52/msg/173.html
投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 7 月 26 日 13:26:30: twUjz/PjYItws
 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080726-00000054-san-soci

7月26日8時3分配信 産経新聞


 経済産業省原子力安全・保安院は、原子力発電所の定期検査の間隔を現在の13カ月から最長24カ月まで延長する。これまでの定期検査は配管やポンプなどの劣化具合を分解点検するため、とくに不具合がなくても2、3カ月程度の運転停止が必要になっていた。ただ、短期間に停止と再起動を繰り返すことの危険性を指摘する意見もあり、事業者に運転中の安全監視の充実を求めることで定期検査の間隔を延長することにした。原発の稼働率向上につながり、地球温暖化対策としても期待される。

                  ◇

 経産省は新検査制度について、広く一般から意見を募集していたが、25日に終了した。これを受け、8月上旬に開催する総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会の了承を経て、年内の省令改正を目指す。

 新検査制度は施行後、定期検査を済ませた原発から順次導入していく。定期検査の間隔は現行の13カ月以内に、フランスが採用する18カ月以内と米国の24カ月以内を追加、3つの間隔から電力会社が選択できるようにする。ただ、24カ月以内については、自治体の安全上の懸念に配慮し施行から5年後に導入することとした。

 定期検査の間隔を延長することに伴って、電力会社に対しては原発の老朽化に備えて、計画外の自動運転停止回数などの目標値を含めた長期の保全計画を国に提出することを義務付けた。保全計画には、ファンなど回転部品の状態を振動で診断するといった運転中の安全監視法を明記することを求めている。

 日本にある原発55基の稼働率は最近では70%程度と低迷している。なかでも新潟県中越沖地震の影響で柏崎刈羽原発が停止した平成19年は64・4%にまで落ち込んだ。発電時には温室効果ガスを排出しない原発の運転停止は火力発電などで補う必要があり、原発の稼働率の向上は政府の地球温暖化対策にとって喫緊の課題となっていた。

 しかし、経産省が昨年8月、新検査制度について同内容の報告を公表した際には、原発の地元自治体から「安全性より経済性を優先している」と反発が広がり、導入を見送った経緯がある。その後、経産省は各自治体で説明会を開催、「地元の理解が得られた」(経産省)と判断し、新検査制度導入を前提に、6月から意見公募を実施していた。



■関連「福島放送」
http://www.kfb.co.jp/news/index.cgi?n=200807178

原発の定検延長で知事は慎重姿勢を示す
2008年07月17日 09時57分


佐藤知事は16日の記者会見で、原子力発電所の定期検査間隔の延長を可能にする新制度について「慎重、丁寧に精査しなければならない」と述べた。

経済産業省原子力安全・保安院はホームページを通じ新制度導入に向けての意見を募集しており、「検査間隔を24カ月までとすることについて、県民や国民がどのような反応、思いを寄せるのか」と意見の内容に注目していく姿勢を示した。

■関連「山陽新聞」
http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2008/06/26/2008062610014984008.html

社説 :原発定期検査 間隔延長で安全大丈夫か


 経済産業省原子力安全・保安院が、原発の運転を止めて設備を点検する定期検査の間隔を延長し、長期間連続運転できるようにする新制度導入に向け、省令の改正案をまとめた。

 原発の定検終了から次の検査開始までの期間は現在、十三カ月以内と決められている。新制度は、これに十八カ月以内と二十四カ月以内を追加しようというものだ。実施されれば、原発の稼働率向上につながる。

 一般から意見を募集した後、早ければ年内にも導入される見通しという。しかし、ここは慎重な対応が求められよう。

 原発の長期連続運転については、地球温暖化防止にもつながるとして国も前向きに検討してきた。保安院は当初、今年四月からの新制度導入を予定していたが、原発立地自治体から「稼働率向上ではなく安全を最優先にすべきだ」などと反発する声が強く、見送られた。

 背景には、昨年七月の新潟県中越沖地震で被災した東京電力柏崎刈羽原発で火災やトラブルがあり、安全性への懸念が強まったことが挙げられよう。その後、保安院は地元の理解を求める説明を繰り返してきた。

 新制度では、保安院が原発ごとに設備の劣化状況や安全性などを審査し、連続運転できる期間を決める。二十四カ月運転の導入は「安全確保のデータを蓄積する必要がある」として制度改正から五年後となる。

 原発立地住民の間には、定検間隔の延長で「安全性が犠牲になるのでは」との懸念は根強かろう。トラブル隠しなど度重なる不祥事で電力業界への不信感がぬぐえないからだ。国側の言う「安全」と、不安を抱く住民の「安心」とのギャップを埋める努力が必要だろう。より一層厳格な検査と、業界の透明性確保が求められるのは当然だ。


 

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