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2008年07月23日
解決できない年金問題と舛添大臣の責任
私は60歳の誕生日を迎えた昨年7月19日から月額14万608円の国家公務員共済年金を受け取る年金生活者となった。それから一年が過ぎた。
その額では足らないと、64歳からの追加支給を前倒しする手続きを近くの社会保険事務所に赴いて行なってきた。
いくつかの不利な条件を認めたうえで、10月ごろの支給から年額50万円ほどの追加が認められることになった。
それでも月額20万円にも満たない。しかしこれが私が生涯受け取る年金額のすべてであることを知らされた。
35年間キャリア外交官として共済年金を払い続けてきた私が受け取る年金のすべてである。
共済年金の支払額は、大まかに言えば生涯給与の平均と勤続年数の月数で計算されるらしい。
数年前に退職を迫られた私の年金受給額が、今でも大使を続けている同僚がやがて40年あまりの任期をまっとうして受け取る年金額より少ない事は明らかである。
それでも、私より少ない年金額すら、年金記録不明で受け取れない国民にくらべれば、親方日の丸だと言われるだろう。
それほどにこの国の年金制度の矛盾は深刻なのだ。
ところが、根本的な制度改革をしなければ公正な年金制度の存続はありえないことがここまで明らかになったというのに、年金記録の不備ばかりが議論され、社会保険庁をつぶして新しい日本年金機構をつくるといった組織いじりばかりが議論され、肝心の年金制度見直しが進まない。
なぜか。その理由は簡単だ。
年金制度の根本的改革は今の政権とそれを支える官僚では出来ないからだ。
そして、そんな政府、官僚の無能を、国民が一丸となって追及できないでいるからだ。
今の年金制度で困っていない人たちが、まちがいなく多数いる。
先般近くの病院に行って待合時間をある老人と話す機会があった。
その老人は、たしかに後期高齢者医療費の値上げと天引きについて怒っていた。
ところがその老人の年金受給額を知って驚いた。私の受給額よりはるかに多いのだ。
その老人は大企業のサラリーマンではない。ふつうの地方の勤労者だったという。
いうまでもなく、年金をかなり前から受給している人たちは、制度が変更しても遡及しないから、その受取額は多い。不満を言えばきりがないが、贅沢をしなければやりくりできる年金受給額だ。
たとえば塩川正十郎のように、自分は十分な収入があるので、面倒な手続きをしてまで年金を受け取らなくてもよい、などとテレビで豪語する軽率な者がいる。
福井日銀総裁のように、毎年の年金額だけでも800万円も受け取っているという報道もある。
このような恵まれた国民に、年金改革への切羽詰った関心がないのは当然だ。
しかし、一般国民の中にも、早々と年金生活をして既得権を確保している国民は、既得権を損なわれる年金改革には断固として反対するに違いない。
今日(7月23日)の日経新聞「ザ厚労省」Dに、公的年金制度の源流である労働者年金保険制度の創設者である旧厚生官僚、花沢武夫(故人)の次の言葉を見つけた。
「・・・すぐに考えたのは膨大な資金の運用ですね。何十兆円もあるから、一流の銀行だってかなわない。厚生省の連中がOBになった時の勤め口に困らない。年金を払うのは先のことだから、今のうちにどんどん使ってしまって構わない・・・」
花沢は死んだ。しかし花沢のような性根の厚生官僚が、年金記録の不備、喪失をもたらしたのだ。
そこに殴りこんだのが舛添大臣であったはずだ。年金問題の解決は不可能だと暴露したのが枡添大臣だった。それゆえに国民的人気が高まった。
その舛添が、ある時点で手のひらを返したように豹変し始めた。厚生労働省の味方になった。
そして、噂される次の内閣改造で、「全力でやっていく」とデモンストレーションをして留任工作をしているという(23日毎日新聞)。
「それほどまでして大臣がやりたいのか」
その問いかけに、彼は応えるだろう。
「その通りです。大臣になってこんなにいいものだとは思いませんでした。手放したくないです」と。
そこが舛添の面白いところだ。憎めないところだ。
確かに舛添以外の誰になっても年金問題は解決できないだろう。
しかし、人気があるからといって福田首相が舛添大臣を留任させるようではこの国はおしまいだ。
年金問題を何一つ解決できなかった舛添えには、責任はとってもらわなくてはいけない。
けじめすらつけられない福田政権では、年金問題は決して解決しない。
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