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大田弘子経済財政担当相は22日の閣議に、08年度の「年次経済財政報告(経済財政白書)」を提出した。「リスクに立ち向かう日本経済」と題し、高齢化・人口減少時代を迎える中、経済成長を維持し、年金や医療・介護など増大する社会保障給付を賄うために、消費税率の引き上げを中心とする税・社会保障制度の一体改革の必要性を強調した。白書が消費税を本格的に分析したのは初めて。
高齢化・人口減少時代は、経済成長の源泉である人材や企業を国内に引きつけるため、「労働意欲を高めるとともに、企業にも魅力ある環境整備が必要」と指摘し、「所得税や法人税にさらなる負担を求めることは難しい」と分析した。
社会保障負担を賄う財源としては、広く薄く負担を求め、勤労世代に負担を集中させない消費税の利点を強調し、税率引き上げの必要性を示唆した。税率引き上げに伴って低所得者ほど負担が増える逆進性の問題については「非課税品目、食料品への軽減税率、勤労税額控除」などによる配慮を掲げた。
地域経済に関しては、公共投資が削減される一方、社会保障給付増加が経済の下支え効果を果たしていると分析。その上で中心地域への人口集積や、市町村合併による自治体財政の効率化などの課題を取り上げた。地方消費税拡充などで、地域間の税収格差を是正する必要性を指摘した。
一方、米国景気の減速や原油・原材料高で「踊り場」に陥った日本経済は「海外発のショックにぜい弱」と分析。金融資本市場の競争力の強化や省資源型経済へのさらなる移行などが必要と指摘。「リスク対応力」の向上策として、企業には収益性の高いコア事業への「選択と集中」、家計には、金融情報の活用力の向上などでリスク資産投資の拡大を促した。
【尾村洋介】
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