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【G8洞爺湖サミット オルタナティブ】
「サウンドデモ」逮捕拘留理由の開示公判傍聴報告(JANJAN)
ひらのゆきこ 2008/07/17
札幌地裁で15日、G8への「サウンドデモ」で逮捕された3人の拘留理由開示の公判が開かれた。弁護人や本人は、証拠隠滅や逃亡の恐れなどは無く、拘留は不当などと主張したが、裁判官は検察側の意見を聞き、オウム返し同然の回答。拘留が検察の強い要請のまま行われていることがさらけ出された。
※7月16日、逮捕された3名の方が起訴されず、釈放されました。
G8サミットの5日に札幌市内行われた「チャレンジ・ザ・G8 1万人のピースウォーク」のサウンドデモで逮捕された3名に対する拘留理由開示公判が札幌地裁で7月15日に開かれ、1名ずつ各1時間、裁判官の拘留理由の説明と、本人と弁護人の意見陳述が行われました。筆者が傍聴したのは、DJと車の運転者の公判です。
傍聴席24に対し、傍聴希望が多数いたため、傍聴できない人たちも出ました。「集会・集団行進及び集団示威運動に関する条例違反・道路交通法違反」で逮捕されたDJは、パニック症の持病があり、大変憔悴している様子でした。逮捕されてから嘔吐を繰り返し、まったく食べられない状況が続いたそうです。
DJはいくつかの仕事を掛け持ちしており、秋にかけてイベントの準備もあり、長期間の拘留は、いまの生活だけでなく、将来の仕事を失う可能性もあり、心痛で夜も眠れない、辛い状況だということでした。また、奥さんがうつ病を患っており、2人で支え合って暮らしているため、自分が逮捕されたことによる奥さんのショックを思うと大変辛い、と訴えていました。
傍聴に来ていた奥さんは、DJが訴えている間、ずっと泣いていました。大変、痛々しい感じがしました。DJは知人に頼まれ、サウンドデモのDJとして参加したそうです。3番目のDJで、そのあとの4番目のDJと一緒に逮捕されました。盛り上げようと歌を歌ったりしていたことが、トラックから身を乗り出して扇動していた、などと石渡圭・裁判長は拘留の理由としていました。
しかし、弁護人やDJなどの説明によると、歌を歌ったり、音楽が大きな音だったので、警察の注意の声が聞こえなかったこと、サウンドデモにおけるDJの行いについて事前に説明を受けていなかったこと、デモの隊列が4列を乱していたというが、その状態はすでにDJとしてトラックの荷台に上がったときから続いていたことなど、逮捕の理由とされる容疑について疑問を投げかける内容でした。
また、DJや弁護人のお話を聞きながら、すすきの交差点で警察が待ち伏せして逮捕したのではないか、との印象を持ちました。
拘留を決定した石渡裁判官は、証拠隠滅と逃亡の恐れがあるなどとして、拘留の理由を述べていましたが、弁護人は、すでにテレビやインターネットでこのときの映像が流れており、警察が撮影したビデオもあることから、証拠隠滅の恐れがあるとは言えず、また、愛する妻や仕事があることから逃亡の恐れもなく、長期拘留は不当であるとして、即刻釈放を強く求めました。
続いて、車の窓ガラスを警棒で叩き割られ、首を絞められるようにしながら引きずり出された運転者の公判では、石渡裁判官は、DJと同じように、証拠隠滅と逃亡の恐れがある、などと拘留の理由を述べました。
それに対し、弁護人は、当初、道路交通法違反で逮捕されたのに、公務執行妨害に変わったことや、容疑が、車を前後に動かし、警察官に2回衝突し、両膝にぶつかったなどとしていることについて、現場にいた多数の目撃者が、警察官が自分から車にぶつかっていったと言っていることなどから、そもそも容疑自体に疑義があることを主張しました。
警察官が車を動かすように警告を発したため、運転者は車を動かしたことから公務執行妨害の要件にあたらないことなどを主張しました。また、現行犯逮捕されたとき、車は動いていたのか、それとも停止していたのか、という弁護人の質問に対し、石渡裁判官は、容疑の相当の理由があるとしか述べず、具体的な内容については答えることができない、とする答弁を繰り返していました。
弁護人が、容疑の前提となることなので、お答えいただきたい、とねばり強く質問すると、石渡裁判官は根負けし、検察官に相談するように「検察官。どうですか?」と聞くといった場面もありました。
検察官がその必要はないとの趣旨の発言をすると、石渡裁判官も、その答えをそのまま弁護人に伝え、検察官に聞いていのではなく、拘留を決めた裁判官に聞いているのです、といさめられる場面もありました。
傍聴には事件を目撃している人たちも多数来ていて、質問にまともに答えることのできない石渡裁判官に対し、「答えることができないのは、容疑の事実がないからだ」などと、抗議をしていました。石渡裁判官は、発言者に対して厳しい口調で退廷を命じ、全部で4人が退廷させられました。
運転者の方は、ガラス窓が警棒でたたき割られたとき、シートにガラスの破片が落ちていたので、怪我を心配していたのですが、法廷での様子を見た感じでは元気そうでした。運転者の方は、最後に発言を求め、傍聴席に対し、ハンガーストライキに入ることを宣言し、全世界にそのことを伝えてほしい、と訴えました。
証拠隠滅や逃亡の恐れなどで11日間の拘留を決め、なおも状況は変わらないなどとして拘留の理由を述べた石渡裁判官は、自分と同世代ぐらいのDJや運転者の訴えをどのように聞いたのだろうか、と思いました。
弁護人の質問に対し、十分な答えができず、事件の根幹に触れるような内容についても答えられず、検察に答えを求めている石渡裁判官を見ながら、拘留は裁判所の判断ではなく、検察の強い要請であることが分かりました。
検察官は1名だけの出廷でしたが、DJや運転者や弁護人が発言している間、目をつぶっていました。国民の血税で生計を営んでいる公僕である人たちが、病気や生活苦などを抱えながらつつましく支えあって暮らしている市民を苦しめていることに対し、私たちは納税者の一人として、もっと怒らなければならないのではないか、との思いを強く持ちました。
http://www.news.janjan.jp/special/0807/0807152067/1.php
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