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2008年07月16日
口利きを公言していた飯島勲元首相秘書
大分県の教員採用試験を巡る汚職事件が連日ニュースを賑わしている。
ついに、全面否定していた大分県教育委員会の教育長までが、受験者の合否を県議に事前連絡していた事を認めた。
メディアはこれを地方公務員法上の守秘義務違反のおそれがある、と書きたてているが、その実態は口利きした県議に、「口利きの件は確かに実行しておきましたよ」と連絡する事にあったことは自明である。
一体この大分県口利き汚職事件はどこまで広がるのだろう。そして誰がどのような罰を受けて終わりになるのだろう。
しかし、大騒ぎをするわりには奇妙に白けている。
みているがいい。この種の権力犯罪の結末は、またもやとかげの尻尾きりで終わることになるに違いない。
その最大の理由は、この種の口利き疑惑が、長きにわたって、広く、深く浸透してきた現実があるからだ。
それを皆がしっているからだ。
関係者を罰しだすときりがないからだ。
だからといって問題が放置されていいはずはない。
政治家による口利き疑惑については、本日発売の週刊新潮(7月24日号)が極めてタイムリーなスクープを流した。
小泉元首相の政治秘書であった飯島勲氏が、01年に講談社文庫から出版した著書、「代議士秘書ー永田町 笑っちゃうけどホントの話」のなかで、まさしく教員採用に関する口利きをやっていたことを公言していたのである。
たまたまこの本は、私もかつて購入して読んだ本だ。あらためて読み直してみた。週刊新潮の報じるとおりである。飯島氏もまさかこんなところでボロが出てくるとは夢にも思わなかっただろう。
誤報や不正確な情報でたびたび訴えられる週刊誌だが、これは間違いなく事実である。誰もが忘れている01年の著書を見つけてきた週刊新潮のスクープである。
さて、この問題はどう発展するのか。
これもまた答えは明らかだ。
見ているがいい。大手新聞やテレビは一切取り上げないだろう。
それをすると小泉元首相に傷がつく。
小泉元首相はまだ現役政治家である。しかも、長男孝太郎ともどもメディアにとっては利用価値がある。
その秘書だった飯島勲氏も、これからの政局報道解説にとって、折に触れ使えるキャラクターだ。彼の発言する内容がどのようにピントはずれでも、何も知らない世論をごまかす事は出来る。
同じ日に、村岡元官房長官の上告が最高裁で棄却され有罪が確定した。
もはや落選してただの人になったからこそ、非情に切り捨てられるのだ。
村岡が無罪だというつもりはない。
しかし、もし村岡が有罪ならば、なぜ橋本や青木、野中らが一切不問に付されたままなのか。
この件を報道するテレビ番組の政治記者もキャスターも皆そう疑問を呈していた。
しかしそこで終わっている。それ以上追及しないのだ。
この世の中で何が許せないかと言って、権力者の悪を、知っていながら皆で見逃す事ほど許せない事はないだろう。
たとえ許されたとしても必ずその罪は倍加して降りかかる事になる。自分の良心を裏切り続ける事は、人間であればできることではない。
モラルハザードほど人間をダメにさせるものはない。
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