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「偽装CHANGE」VS「真正CHANGE」
フジテレビの政治プロパガンダドラマ「CHANGE」が最終回を迎える。
洞爺湖サミットが終わり、政局は次期総選挙に向けてヤマ場にさしかかる。福田政権の支持率は低迷し、政党支持率では民主党の支持率が自民党と拮抗ないし上回っている。
権力維持を最重要課題と位置付ける既成の政治権力はマスメディアを総動員して国民を誘導しようとしている。解散・総選挙は情勢が変化するまで先送りされる。国民世論の誘導が実現すれば、総選挙が実施されるだろう。
郵政民営化に際して、小泉政権は竹中平蔵氏の秘書が関係していると見られる「有限会社スリード」という会社に1億5000万円規模の政府広報業務を随意契約で発注した。
この政府広報は、竹中氏とタレントのテリー伊藤氏を起用したB4サイズ、二つ折り4ページ・フルカラーの「郵政民営化ってそうだったんだ通信」と題する新聞折り込みチラシを作成し、2005年2月20日に全国の約1500万世帯に配布したものだ。
「有限会社スリード」が提示した「郵政民営化・合意形成コミュニケーション戦略(案)」には、「B層にフォーカスした、徹底したラーニングプロモーションが必要と考える」との総括が示されてあった。
「B層」はグラフによって説明されていた。タテ軸がIQ(知能指数)、ヨコ軸が構造改革への肯定(右)、否定(左)の度合いを示した。下半分のIQの低いゾーンが四角で囲まれ、「小泉政権支持層=B層」と記載された。
内容は、「主婦層&子供を中心」、「シルバー層」で、「具体的なことはわからないが、小泉総理のキャラクターを支持する層、内閣官僚を支持する層」と説明された。
国民をIQで分類し、IQの低い層にターゲットを絞ったPR戦略が実行されていた。国民を侮蔑する世論操作が現職大臣の指揮の下に実行されていた事実を多くの国民が知らずにいる。詳しくは拙著『知られざる真実−勾留地にて−』第一章「偽装」28「蔑視されていた国民」を参照いただきたい。
フジテレビ政治プロパガンダドラマ「CHANGE」が本日7月14日に最終回を迎える。飯島勲氏が監修、渡辺喜美行革相の秘書田中良幸氏が政治指導を担当していることを知っておかねばならない。公共電波の政治利用にあたる疑いが濃厚だ。
IQの低い「B層」を誘導して、自らの目標を達成した小泉政権。小泉政権が国民をどのように位置付けていたのかがよく分かる。国民の意思を尊重し、汲み取って政治に反映させたのではない。国民を何も分からない層と位置付け、その国民を洗脳して、自らの目的達成のために「利用」したのだ。
郵政民営化は国民のために強行実施された施策ではない。郵政利権を私物化しようとする外国資本と、外国資本と癒着し利権の分け前にあずかろうとするハイエナのような政商および政商政治屋によって推進された政策なのである。
民主党が池尾和人氏の日銀審議委員就任に反対の意向を固めたのはやむを得ない。郵政民営化に反対する国民新党が、民主党が郵政民営化を積極支持した池尾氏の人事に同意するなら、民主党との統一会派を解消すると通告したためだ。次期総選挙での政権交代を実現するために、国民新党の正当な主張を尊重することは順当な判断であるからだ。
国民を侮蔑する政治権力は、政治プロパガンダドラマ「CHANGE」を利用して、国民を誘導しようと企んでいる。
@官僚利権打破の旗を掲げる中川秀直氏を軸とする自民党「上げ潮派」、
A小池百合子氏を軸とするTPLおよび小泉チルドレン、
B竹中氏の影武者である高橋洋一氏を軸とする「脱藩官僚の会」、
C橋下徹知事を軸とする知事グループ、
D民主党分断工作を担う前原誠司氏を軸とする民主党「凌雲会」グループ、
これらの各勢力を政治プロパガンダドラマ「CHANGE」で連結し、次期総選挙での反自民票の受け皿にしようとの策略が練られている。
国民の幸福を目的とする政治行動ではない。政治権力を維持するために国民を利用しようとするプロジェクトである。飯島勲氏がプロジェクトリーダーである。
しかし、参謀であるはずの飯島氏が自ら表舞台に躍り出始めて、シナリオに誤算が生じ始めている。謀(はかりごと)は隠密裏に進めなければ成功しない。飯島氏が自らの存在をアピールするほどに、謀(はかりごと)が露見しやすくなった。「悪事千里を走る」。
選挙後に、「偽装CHANGE」勢力が自民党と決別して「官僚主権構造」を根絶する可能性はゼロである。「偽装CHANGE」勢力のミッションは、「真正CHANGE」を阻止することにある。「偽装CHANGE」勢力は必ず自民党と連携する。「既得権益維持」が唯一最大の目的なのだ。
支持獲得を呼び掛ける対象を「B層」と蔑む勢力が、国民の幸福を真剣に考えるわけがない。詳しいことなど分からない国民を、イメージ戦略で誘導し、政治的に利用しようと考えているだけなのだ。
上記の5つの政治勢力の裏側には、小泉元首相、中川秀直氏、小池百合子氏、渡辺喜美氏、石原伸晃氏、武部勤氏、飯島勲氏、竹中平蔵氏、などが連なり、テレビメディアの田原総一郎氏、みのもんた氏、北野たけし氏、テリー伊藤氏、などがミッションを請け負っていると見られる。
小泉劇場の二の舞を演じてはならない。国民を侮蔑し、国民を利用して政治を私物化しようとする勢力に政治の実権を渡してはならない。
「日本の政治を変える」ことが必要で、
「あなたの1票が、政治を、世の中を変える」のは確かだが、
国民の幸福をもたらす「真正CHANGE」を実現するためには、「偽装CHANGE勢力」の本性を見抜き、「真正CHANGE勢力」に1票を託すことが必要だ。
「偽装CHANGE」勢力が国民を蔑みながら、三文芝居によって国民を引き寄せようとしている現実を認知しなければならない。
「偽装」は「告発」によって暴かれる。洞察力と発言する勇気を持つすべての国民が偽装を告発すれば、多数の国民が偽装に欺かれることを阻止できる。
「偽装CHANGEの真実」を草の根から広めてゆかねばならない。
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2008年7月14日 (月) CX月9ドラマ「CHANGE」
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