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http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20080710-03-1401.html
前原誠司の勇気に応えよ(1)/田原総一朗(ジャーナリスト)
2008年7月10日 VOICE
誰も手を挙げない民主党の情けなさ
民主党の前原誠司副代表に対し、「退場」を勧告する文書が、民主党の筒井信隆、篠原孝、山田正彦の三氏によって出された。前原氏が月刊誌などで参院選マニフェストについて批判したというのが、その理由である。
問題となった月刊誌のうちの1つは、『中央公論』の7月号での座談会で、これは私が企画・進行を務め、前原氏と自民党の与謝野馨氏との3人で語り合ったものであった。前原氏はこの座談会で、昨年の参院選で民主党が掲げたマニフェストの農家の所得補償などの政策に必要な財源は、行政改革だけでは捻出できず、「このまま民主党が政権を取っても大変です。私は『君子豹変』しないかぎり、まともな政権運営はできないと思います」と述べたのだった。
また、前原氏は『Voice』7月号にも論考を寄稿し、「批判・反対だけで政権をとっても、政権をとったときに困るだけだ」「民主党の政策に実現性がなく『やはりできませんでした』となるのが、最悪のシナリオである」と述べている。
先に挙げた筒井、篠原、山田の三氏は、このような前原氏の発言に対し、「参院選マニフェスト批判を自民党と一緒になって展開している。民主党の農業政策はバラマキだといえる精神は理解しがたい。次期総選挙を考えても看過できない」と批判したうえで、前原氏が民主党代表だった折に「偽メール事件で危機管理能力、問題対応能力のなさをさらけ出し党に多大の損失を被らせて辞任したことを思えば、謹慎蟄居こそ必要で、マスコミにこのような言動を公表する資格もない。出処進退を明らかにするよう勧告する」と述べたのである。つまり、議員を辞めろということである。
誤解してほしくないのだが、私は、三氏が前原氏の発言を批判したことや、退場勧告したこと自体をそれほど問題視しているのではない。日本は憲法で言論の自由、表現の自由が保障されている。まして政論を戦わせるべき政党のなかの話である。前原氏を批判したければ堂々とすればいい。小沢一郎氏が「けしからん」というのなら、それもいいだろう。
ただし、私にはどうしても看過できないことがあった。それは、前原氏と同じ意見のはずの議員たちが、誰1人として「自分も同じ意見だ」と手を挙げなかったことである。
民主党のなかには、前原氏と同じ意見をもった人が確実に30人以上はいる。少なくとも、私はそのうちの20人以上に会っている。
この問題が起きたとき、じつは私は何人もの民主党議員に直接電話をかけて、「あなたは前原氏と同じ意見ではないのか。なぜ手を挙げないのか」と理由を聞いた。答えは「いまは時期が悪い」「同じことをいえば、自分まで党内で浮いてしまう」というものであった。
小沢氏が怖いのかというと、そうではない。いってはいけない空気が、民主党のなかにある。それで何もいえずにいるという。これでは政党のなかに言論の自由や表現の自由がないも同じである。議員たちは沈黙を強いられ、前原氏はまったく孤立した状態にある。こういう民主党は嫌だな、と思う。いつのまにか民主党は、北朝鮮のような党になっていたのだ。いつから民主党は、そんな情けない政党になってしまったのだろうか。
これに比べれば自民党は、よほどマシである。もちろん自民党にも、たくさんの問題がある。だが、それでも言論の自由は残っている。渡辺喜美氏の公務員制度改革に対し、官房長官が反対したとか、党の改革推進本部が反対したといった話はある。だが、これについて渡辺氏が「困っている」とマスコミにいうことはできるし、反対派から「退場勧告」が出ることもない。さまざまな問題で侃侃諤諤の議論が行なわれている。これは、あっさりとみんなが押し黙ってしまう民主党よりも、はるかにいい。
小沢一郎代表の答えは「何とかなるさ」
『中央公論』7月号の座談会で私が聞きたかったのは、自民党と民主党と、それぞれ本当にやりたいことは何か、ということであった。いま自民党も民主党も、ごまかしばかり行なっている。正直なところはどうなのか。ぜひそれを聞こうと思った。自民党からは与謝野氏、民主党からは前原氏と、それぞれの党を解説するのにもっとも適した人物を呼び、語ってもらったのである。
与謝野氏に尋ねたのは、財政に対する自民党の考えだ。現在の日本は、収入50兆円に対し、支出が80兆円と、毎年30兆円の借金を重ねている。会社でいえば、いつ倒産してもおかしくない状態である。
これを変えるには、選択肢は2つしかない。1つは収入の増加、つまり増税である。マイナス30兆円をゼロにするには、消費税ならば12パーセントに上げる必要がある。ただし自民党は、消費税を上げれば選挙で負けると思い込んでいる。だから、なかなか上げられない。
もう1つの選択肢は、支出の減少である。これは社会保障費の減少を意味する。要は福祉や医療、介護、教育などの費用を減らす。これもまた国民が嫌がることだから、なかなか実行に移すことができない。
その典型が、後期高齢者医療制度をめぐる対応だった。日本の医療費は33兆円で、このうち75歳以上の後期高齢者の医療費が11兆円を占める。この11兆円を賄うにあたって、窓口負担で1兆円、税金で5兆円、現役世代の保険で4兆円を負担し、残る1兆円を後期高齢者の人たちに負担してもらおうというのが、後期高齢者医療制度の考え方だ。だが、まず厚生労働省は言葉をぼかすばかりで、きちんと説明しようとしない。それで国民のあいだに不満が高まると、自民党もあたふたしはじめ、年金の少ない人は9割減にするなど、修正を重ねていって、ますます訳のわからない制度になっている。
本来この制度は、後期高齢者にも「負担」を求めようという、いわば痛みを伴う改革である。それを真っ正面から訴えればいいのに、政府も厚生労働省もそれをいいたがらず、「負担」という言葉も使わない。ごまかしばかりだから、何をやっているのか、さっぱりわからないのだ。
増税をごまかし、国民への負担もごまかす。ここが自民党の大きな問題で、これについて与謝野氏に説明を求めようとしたのである。
一方、民主党の問題は、対案を出さないことにある。民主党はいやしくも、次の政権を狙う政党である。自民党の政策に反対するのはいいが、反対するからには、きちんと対案を出さなければならない。
それなのに民主党は対案を出さない。唯一出したのが公務員制度改革で、この内容は私も評価するが、あとはまったく出さない。しかも審議に参加せず、サボタージュばかりしている。いったい何を考えているのか、その点を前原氏に尋ねたかったのだ。
この民主党への疑問について、まず与謝野氏が「民主党の側に、自民党と話し合うのは得策でないというお考えが強いのでは」ないかと、自らの考えを語った。これに対し前原氏が、「そういう雰囲気があるのは認めます」と述べた。鳩山代表の時代、金融危機に際して、民主党の政策新人類と呼ばれる人たちを中心に、建設的な提案を行なった。ところが評判が悪く、それは「与党でも野党でもない『ゆ党』」などと揶揄された。だからいまは審議などせず、サボタージュして、与党をひたすら追い込む作戦に出ているというのだ。
そして前原氏はこれに疑問を呈し、「私は国会で議論すべきものは議論してまとめていく姿勢を持ったほうがいいと、本気で思っているんです」と語った。つまり民主党のサボタージュ政策に対し、反対の意を表したのである。
続いて質問したのが、まさに問題とされた昨年の参院選におけるマニフェストについてであった。民主党は農家の所得補償に1兆円、子育て支援に4兆8000億円、最低保障年金に6兆3000億円など、計15兆3000億円を投入すると公約した。これは大変なばらまきであり、民主党の唱える行革ではとても賄えない。
この質問は、いままでも『サンデープロジェクト』で、民主党議員10人以上に行なってきた。だが、きちんと答えられた人は1人もいなかった。小沢一郎代表に尋ねたときも「何とかなるさ」という答えだった。
ここで前原氏は「行革だけで捻出するのは絶対無理です」と明快に述べたのであった。しかも道路特定財源の暫定税率を廃止するとなれば、さらに2兆6000億円が必要になる。これに介護従事者処遇改善のための0.1兆円を加えると、全部で18兆円になる。この18兆円を行革だけで捻出するのは、とても無理だという。この点でも前原氏は、民主党、つまり小沢氏の政策を批判したのだ。
政権をとったときに、「やっぱりできませんでした」という事態を招くことは最悪である。国民に「民主党がいっていたことが夢物語だった」と思われれば、すぐまた自民党に政権が戻ることになるだろう。前原氏の「『君子豹変』しないかぎり、まともな政権運営はできない」という意見は、正論である。
事実、私はオフレコも含め、同じ質問を民主党の議員20人以上に尋ねてきたが、ほとんどが前原氏と同じ答えであった。多くの民主党の議員にとってこれは常識で、前原氏はそれを正直に述べたにすぎない。
そもそも、いまの民主党と自民党には、ほとんど違いがない。唯一の違いは、自民党は「汚れた政党」であるのに対し、民主党は「汚れていない政党」という点である。
ただそれは民主党がきれいな政党という意味ではない。これまで政権政党でなかったから、「道路をつくってくれ」などと頼みに来る人がいなかっただけである。いわば汚れる資格すらなかったわけで、今後、政権をとるようになれば、民主党もすぐに汚れることは間違いない。
ところがここへ来て、残念なことにとても大きな違いが生じてしまった。民主党内に言論さえ憚るような空気があるかぎり、彼らに政権を任せるのは、やはりきわめて危険だといわざるをえない。
※各媒体に掲載された記事を原文のまま掲載しています。
http://seiji.yahoo.co.jp/column/article/detail/20080710-04-1401.html
前原誠司の勇気に応えよ(2)/田原総一朗(ジャーナリスト)
2008年7月10日 VOICE
前原氏を孤立させてはならない
なぜ民主党内にこのような空気が生まれたのか。その1つの背景には、9月に行なわれる民主党の代表選があるだろう。すでに小沢氏は、出馬を表明している。一方、小沢氏のやり方に反対する人は、党内に少なくとも数十人、多ければ100人ぐらいいて、当然、対抗馬を出そうとしているのだが、まとまらない。そこから「前原氏に味方すると、自分も孤立するのではないか。候補から外されるのではないか」といった疑心暗鬼が生まれ、自由な言論がしにくくなっているように感じる。
おそらく出馬するのは、岡田克也氏、野田佳彦氏、仙谷由人氏、枝野幸男氏の四氏のいずれかだろう。だが、このうちの誰にすればいいか、どう決めればいいか、みんなその方法論を思いつくことができず、足並みが揃わないのである。
前原氏が小沢氏批判をしたのは、この四氏のためともいえる。今回、出馬するつもりのない前原氏は、覚悟を決して、皆が思いながらいえずにいることをいった。そうすることで代表選における政策論議を盛り上げようとしたのだ。そんな前原氏が孤立している現状は、なんとも哀しい光景である。
小沢氏の政治能力が卓越していることは、私も認める。民主党内で政権をとった経験があるのは、細川連立政権をつくった小沢氏だけである。政権をとることに関して、小沢氏に勝る者はいない。ただし維持能力に大きな欠陥があり、だから細川政権も実質的には予算を一度も組めないままで終わってしまった。細川政権で予算を二度組むことができれば、自民党の力は、ほぼ半減していたはずである。
そんな小沢氏に誰も反論できないことに、民主党の問題がある。昨年10月から11月にかけて、小沢氏と福田総理が3回にわたって会談し、大連立構想が生まれた。小沢氏としては自分が副総理として入り、民主党の何人かを大臣に据え、内部から自民党をかき回すつもりだったはずだ。
ところが民主党の役員たちは、小沢氏の意図が読めず、大連立に反対した。怒った小沢氏は代表を辞めると言い出した。ここで役員が「どうぞ辞めてください」といえばよかったが、そうはしなかった。彼らが小沢氏に留任を求めたのは、小沢氏の考え方に賛成だからでなく、小沢氏を野に放ちたくなかったからである。辞めた小沢氏が19人の参議院議員を連れて自民党に入れば、参議院はまた与党が過半数となり、ねじれ国会でなくなってしまう。それを嫌った役員たちは、小沢氏に「いてください」と留任を求めたのだ。
小沢氏の考えと、民主党の幹部たちの考えは、本来まったく違う。ところが「いてください」と頼んだため、面と向かって反論できない空気が生まれてしまった。誰1人、小沢氏にモノをいえなくなってしまったのだ。
この状態は、民主党にとってきわめて危ない。とくに前原氏が問題で、このままでは完全に孤立して居場所を失う。
思えば、加藤智大容疑者があの凄惨な秋葉原の無差別殺傷事件を犯したのも、孤立に追い込まれたからだ。彼は25歳の派遣労働者で、ちょっとしたことから、自分は企業から期待されていないと感じた。誰も自分に対し期待しておらず、自分の存在場所などどこにもないと思い込んでしまった。グチをいう相手もいない。携帯サイトに書き込んでも、誰も反応しない。この事件で私はあらためて、完全なる孤独とはかくも恐ろしいものなのか、ということを思い知らされた。
もちろん、前原氏が同じだとはいわない。だが、彼を孤独にすることは、絶対に避けなければいけない。そのためにも民主党の議員には、「前原氏に賛同する」とか、「いや、前原氏の発言は正論だが、ここがおかしい」という、まっとうな議論を巻き起こすぐらいの勇気と度胸を求めたい。そんな勇気ももてないなら、そのような人間こそ、議員を続ける資格などない、と私は思う。
次回の代表選に手を挙げる人は、本気で小沢氏を負かすつもりで戦うべきである。小沢氏と違う政策をもっているなら、堂々と政策論議をする。そうすれば前原氏のいうとおり、政権をとったあとたちまち君子豹変するような、みっともない真似をせずにすむ。
いま民主党は自ら案を出さず、ただ自民党の案に反対する戦術をとっている。ある民主党の幹部に、「民主党は政権を担おうという政党なのだから、自民党の案に反対するなら、対案を出すべきではないか」と聞いたら、「私たちはみんなそう思っているが、約1名、絶対政策論議をするなという男がいる」という答えが返ってきた。その約1名が「なまじっか政策論議をしたら福田内閣の支持率が落ちない。民主党がサボタージュしていれば、マスコミは『福田は何している』と言い立てて、福田内閣の支持率は下がっていく。だから、対案を出すな」というから、対案は出せないというのだ。これはもちろん、小沢氏を指しての言葉である。
実際、これはある意味では当たっていて、民主党がサボタージュして政策論議をしなければ、マスコミは民主党に手を拱いている自民党を叩く。事実、福田内閣の支持率はどんどん下がり、ついには20パーセントを切るまでになった。
だが今回のような問題が今後も続けば、福田内閣の支持率はじわじわと上がっていく。おそらく30パーセントは突破するだろう。
結局、民主党のやり方は幼すぎるのだ。小沢氏も大連立を反対されたとき、彼らの幼稚さにあきれた。ある意味では大連立というのは「政策論議」路線なのだが、それを反対されたから、今度は一転して、対極の戦略を選択しているといえなくもない。小沢氏の戦略というよりも、民主党が選んだ戦略なのである。
最大の問題は、やはり建前でしかないことだ。「妥協」や「少し譲る」といったことを、いっさいしてはならないと考えるのは、いわば「反体制評論家」である。体制に対して批判しかしないのは、いちばん安全なやり方だ。だが権力をとろうとする党が、これではいけない。権力をとるには力や戦略が必要だが、反体制評論家にそうした能力は育たない。批判ばかりで自分たちは何もしようとしなければ、怠け者集団に堕するだけだ。
来年の総選挙前に政界再編
前原氏は『Voice』7月号の論考で、「もしも民主党が代表選挙後、いかんともしがたい状況に陥り、右の2つの事態を避けなければならないとすれば、民主党が大きく割れ、自民党も大きく割れるというかたちでの再編は考えられる」と述べている。ここでいう「2つの事態」とは、党内のいざこざで民主党が「小さく割れて」しまうこと、そして「大衆迎合路線に走って、政権公約を実現できなくなること」である。
たしかに、民主党も自民党も分裂し、政界再編が起こることは十分考えられる。その時期はいつかというと、1つのポイントは次の総選挙前後である。
次の総選挙は来年9月で、それまでは解散もない。解散するにしても1カ月早いぐらいで、ほぼ任期いっぱい、いまのまま行くことになるはずだ。安倍総理の退陣を受けて急遽ピッチャーマウンドに立たされたために、何をすべきかが見えなかった福田総理だが、民主党に追い詰められ、2009年度から道路特定財源を一般財源化すると表明した。こうなると来年度予算は、福田総理が組むしかない。福田総理に「2009年度の予算を組む」という目標ができたのだ。
予算自体は、衆議院さえ通過すればいいから問題ない。ところが予算関連法は、参議院が反対すれば衆議院に戻され、3分の2以上で再可決しなければならない。再可決するには、60日待つ必要がある。そう考えれば、5月いっぱいは福田内閣で行かざるをえない。ポスト福田にしても、少なくとも来年の6月以降の話である。それまでは麻生太郎氏であれ誰であれ、手を挙げることはない。問題はそのときである。
その選挙の結果を受けて「野合」して政界再編に至るよりも、選挙前に政界再編を行ない、国民にこの再編の是非を問うのが、もっとも望ましいシナリオだ。
政界再編において選択軸となるのは、まさに「改革」だ。先ほど述べたように、日本はいま、収入50兆円、支出80兆円で、毎年30兆円の借金を重ねている。この状態を健全化させるためには、消費税を上げるしかない。
ただし国民だけに負担を強いるのでは国民を納得させることはできない。まずは政府が血を流すことが大事で、そのためには公務員制度改革を徹底して、官僚をはじめ、公務員の数を減らさねばならない。同時に、国会議員の数も減らす。さらには徹底した地方分権を行ない、官僚の権限を減らし、一方で地方公務員の数も減らす。そのうえで社会保障制度を再構築し、さらに年金制度もきちんと改革する。
これは、本音のところでは誰もが反対する改革だ。国民は消費税が上がることに反対し、官僚や国会議員は自らの血を流したくない。それにもかかわらず断行する、という強い意志をもった人間が旗を掲げ、改革政党をつくるのである。
自民党でも、たとえば小泉純一郎氏は自ら総理になる気はないが、政界再編には本気である。自民党、民主党両党の議員のなかにも改革への志を抱く人は多い。彼らが改革政党をつくるなら、政治は一気に動き出す。
前原氏も、改革志向を強くもった1人である。だが、今回の発言とそれをめぐる状況のなか、これから言動に少しブレーキをかけざるをえなくなるかもしれない。ここで大事なのは、民主党内で前原氏をサポートする人間が出てくることである。民主党で改革を志向する議員たちは、前原氏を孤立させるのではなく、むしろ覚悟の発言に応えて「改革」への機運を高めていくべきなのだ。それもできないような党ならば、潰れてしまったほうがいい。
ただし孤立した前原氏が、民主党を小さく割って自民党に行くことはありえないだろう。それは前原氏自身の発言からも明らかだ。だいいち、孤立して民主党を飛び出し、自民党にやって来るような人間は、自民党にも歓迎されない。政治の世界は、権力をいかにとるかの世界である。権力をとるには「パワー」と「信頼」が必要で、前原氏が動いてしまったら、政治家としての信頼はゼロである。それに、そもそもガタガタの自民党に行ったところで仕方ない。むしろ、志を貫き、大きな絵を描くべきである。
私は、人間が生きるうえで必要なものも、「勇気」と「信頼」だと思っている。「勇気」とは、自分にとって不都合なことでも、あえて発言することである。前原氏は発言したことで勇気を示した。撤回などせずに、いまの態度を堂々と押し通してほしい。
※各媒体に掲載された記事を原文のまま掲載しています。
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