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http://www.news.janjan.jp/living/0807/0807020077/1.php
米・核空母「ジョージ・ワシントン」火災事故、横須賀入港は4ヶ月以上延期の可能性
桐生広人2008/07/05
核空母(原子力空母)「ジョージ・ワシントン」の横須賀配備の配備と安全性の是非を問う、住民投票の実施を横須賀市議会は5月16日に否決した。その1週間後、ジョージ・ワシントンは、横須賀に向け航行中に火災事故を起こし来航が延期された。この核空母の火災と原子力の危険について、新倉裕史さん(非核横須賀市民宣言運動)が6月24日「たんぽぽ舎」で講演した。
ケーブルを伝って広がった船内火災
太平洋上でのジョージ・ワシントンの火災事故は、最近の軍内のレポートでは消火に12時間かかったという。80区画以上に火災が広がったのは、火が船内区画をつなぐケーブルを伝わったからでケーブルに不燃材を使ってなかったのである。全駐労(全駐留軍労働組合)からの報告によると修理に最大4カ月必要とされ、8月19日(横須賀入港)は延期が決まったが、さらに延びる可能性もある。今回の火事がもし原子炉に近いところだったら大変だった。
核空母の原子炉については、技術的なデータが非公開で全然分かってない。出力が30万kwの原子炉を2つ備え、かつ燃料棒の濃度が非常に高い。高濃度の燃料棒を積んでいるのはあまり燃料交換をしなくてもいいようにするためだ。逆に言えば、燃料棒の交換をしないので毎日のように発生する死の灰は、20から30年分が蓄えられる。
原子炉の出力がゼロからフルまでわずか1分という戦争のための道具である。こういうものでありながら安全性の確保に関する情報公開が一切されていない。万が一、最悪の事態が起きたとき、その結果は極めて深刻な事態となるといわれている。
20年前、カリフォルニア大学の科学者にシミュレーションしてもらったところ、深刻な事態による横須賀市の死者は1年間に7万8,000人となった。これまでにそういう致命的な事故は起きていないと米軍は言う。私たちもそうそう起こるものではないと思っているが、むしろ日常的な事故の方が多いのでないかと思う。
原子炉の燃料を濃度で比較すると空母用は核兵器並み
電力供給事故や放射能漏れも起きている
核艦船は港では出力を落とすことを日米で取り決めている。艦船のシステムを維持する電力は全部外部から入れることになる。起こりうる事故として、イギリスの原潜の例では冷却装置を動かす電源が故障し電力が送られず装置が動かなくなった。艦内の作業員が被ばくしながらディーゼルエンジンを手動で動かし最悪の事態を回避したという事故があった。
こうした事故は佐世保でも起きており、岸壁の原潜に外から電源を供給していたケーブルが燃えたことがあった。発見が早く電力供給のストップには至らなかった。原子炉を止めても崩壊熱を冷やし続けなければならず、電源がないと冷却できなくなってしまう。
放射能漏れも起こり、例えば横須賀の原潜停泊地からコバルト60と58が検出されている。どういう理由か分からないが原子炉から外に出てしまった。日本政府は極めて微量で問題ないと言うが、問題は漏れてはならないことが微量であっても実際に漏れたことだ。調査した日本政府の研究者も問題です、と言う。
しかし船に乗ることができないので調査は実際にはできていない。住民投票に関する議会の意見陳述で、原潜の作業をしていた作業員1人が白血病で亡くなったことなど、被ばく事故が数件発生しているとの報告がある。そんな大事な報告を何で今まで隠していたのか、被爆の詳細を米軍によく聞いてくれと言うと、市民安全課の方が聞きますと言ったが、米軍からはそれ以上の情報提供はできないと拒まれたという。被爆事故が起きているということを米軍もすでに認めている。
横須賀では2年前に微量の放射能が原潜から漏れたと思われている
配備反対の力が火災事故を隠させなかった
その他に、空母では非常に引火性の強い艦載機用のジェット燃料がそこいら中に漏れており、爆弾もたくさんあり、そのうえ原子炉も積んでいる。こうした核空母にとって火災事故は相当深刻な事態になりかねない。洋上の火災事故だから米軍が黙っていれば絶対わからない。にもかかわらず公表し修理の後、横須賀に行きますというのは、火事を隠して万が一それがばれたら母港化計画そのものが失敗するくらいの深刻さだと判断し、火災の2日後に発表したと考えられる。
8月19日の入港を延ばすというのは、米海軍にすれば非常に不名誉なことである。とりあえず横須賀に入って修理することもあり得るが、そうしないのは横須賀をはじめとする配備反対の声の強さが、米軍をしてきちんとした対応をとらなければならないという態度にさせている、というふうに私たちは思っている。
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