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原田武夫  「IT関連銘柄が大復活?米大統領選が示唆する新たな潮目とは」(7月1日)
http://www.asyura2.com/08/senkyo51/msg/602.html
投稿者 新世紀人 日時 2008 年 7 月 03 日 13:57:55: uj2zhYZWUUp16
 

http://money.mag2.com/invest/kokusai/2008/07/post_70.html

IT関連銘柄が大復活?米大統領選が示唆する新たな潮目とは


新興市場でIT関連銘柄の“復活”は無いのか?

21世紀の始まりと共に華々しく登場し、一時は一世を風靡した“ヒルズ族”たち。そんな彼らの居城であるITベンチャー企業たちが株価高騰競争を繰り広げていた時代は、今やもはや「歴史」になりつつある。


ご存知のとおり、いわゆる「ライブドア事件」などを契機として、日本の新興市場でIT関連銘柄は暴落に暴落を重ねた。その結果、それ以外のセクターをも巻き込んだ大暴落の時代へ。今では往時を偲ばせる形跡を探すのに一苦労するほどの有様だ。


10年ほど前まで、店頭市場を除けば、日本に新興市場は存在しなかった。その意味で、考えようによっては、この新興市場は、「先進国であるはずの日本で無理やりエマージング・マーケットを作り出す荒業」であったということもできよう。そこでは、市場化・株式上場になじまない要素であっても目がつぶられ、その結果、とんでもないひずみとなって後に醜い現実をさらすことになったのである。


しかし、だからといって「日本の新興市場はもう終わりだ。二度と復活はありえない。特にIT関連銘柄は」と断言してしまって良いのだろうか?私はそうは思わない。なぜなら、そもそもITとは日本が発祥のシステムではなく、(少なくとも様々なビジネス・モデルとしては)圧倒的な勢いで米国から“移入”されたものだからだ。したがって、日本における現状だけを見つめていても、マーケットにおける「潮目」を先読みすることはできない。むしろ今見つめるべきは、米国が一体どんな「IT」を、日本へ移入しようとしているか、その「手の内」なのである。


オバマ候補を広告塔とする“次のIT時代”とは?

この関連で、やや旧聞に属することで恐縮ではあるが、ぜひ注目して頂きたい報道がある。それは、去る2月10日に公表された第50回グラミー賞の「朗読アルバム賞」を受賞したのが、他ならぬバラク・オバマ氏だったという事実である(2月11日付産経新聞「場外戦でも優勢?オバマ氏にグラミー朗読アルバム賞」等参照)。この時、オバマ氏、いやオバマ候補の受賞対象となったのは自著『合衆国再生―大いなる希望を抱いて』であったという。


朗読というと日本の現代社会では全く縁遠いものとなっている。しかし、目を欧米に転ずると、そこには広大な「朗読マーケット」が広がっていることに気づく。それがいわゆるオーディオブック市場である。MP3ファイルによって気軽に販売されるオーディオブック市場は、米国だけで既に1,100億円以上の規模を誇るものとなりつつある。


こうした状況が生じている背景には様々な要因が指摘されている。中には「多民族国家であることから、必然的に識字率が100パーセントということはなく、そのため、音声マーケットが欧米には広く存在する」といったクールな指摘がある。


しかし、それだけではないだろう。昨今の金融資本主義社会の到来は、(価値判断は別として)「資産格差」を世界中で生み出しており、その中で富める者はますます「健康」「フィットなライフスタイル」を志向しつつある。そして、そうしたライフスタイルの中で、たとえば長時間のジョギングをする際、「単に走るだけではつまらない」「走りながらも何らかの形で付加価値をつけられないか」と求める者たちが現れ、徐々にオーディオブックへと関心が集まりつつあるのだ。


「確かに欧米、特に米国ではそうかもしれない。しかし、だからといって忙しい日本人には関係がないのでは?」。そう思われるかもしれない。しかし、そうはいっても、米国がマーケットを動かすべく強く政治力を用いてくれば、どういうわけかそちらになびいてしまうのが日本マーケットの悲しい性である。


そして現に、こうした「音声ビジネス」をどこでも可能にするための仕掛けの1つとして、米国はいわゆる「対日年次改革要望書」の中で、WiFiに対する障害を設けないよう、強く求めてきているのである(2007年10月18日付「対日年次改革要望書」の“無線分野における競争と効率性の向上”を参照)。


これを単なる偶然と見るか、あるいはいつものとおり、「『潮目』の予兆だ」と見るかによって、私たち日本の個人投資家・ビジネスマンの情報リテラシーが試されているのであろう。


何しろこうした「潮目」の広告塔となっているのは、あのオバマ米大統領候補なのである。大統領になるのであれ、(前回のコラムに書いたとおり)副大統領になるのであれ、彼がホワイトハウスに近づけば近づくほど、「音声ビジネス」「オーディオブック」が日本でもマーケットの前面に躍り出る可能性は高まるばかりなのである。


“逆転“と”発想転換“の時代が間もなくやってくる

この点も含め、今後想定される“マーケットとそれを取り巻く国内外情勢”について私は7月5・6日に東京・千葉、7月12・13日に福岡・広島、そして8月2・3日に札幌・仙台でそれぞれ開催するIISIAスタート・セミナー(完全無料)で詳しくお話できればと考えている。また、IISIAとしても新しいライフスタイルに向けた提案として先日、IISIAオーディオブック・第1巻「反外資の系譜」を創刊した。


ちなみにオーディオブックについては、日本では35億円を下回る規模でしかない。だからこそ、米国におけるこれまでの経験を知り、またそこでのルールとビジネス・モデルを熟知した勢力が“本気”で日本マーケットでの展開を開始すれば、巨大なマネーの「潮目」が生ずることであろう。


そうした「潮目」の予兆を見て取った私たち日本の個人投資家・ビジネスマンがまずなすべきは、今はまだ全く世間的に広まっていない感のある、こうした“音声ビジネス”に、いったいどの企業がもっとも入れ込んでいるのかを調べることであろう。すると、意外にもいくつかの“大発見”をするはずだ。


「数年前より着々と出版社と交渉を行い、朗読されるべき書籍の権利調整を大車輪で行っている」


「出版社たちも“活字離れ”の中における救世主として、音声ビジネスを今秋より本格始動するべく準備を行っている」


「テレビ離れが叫ばれる中、『インターネットと親和性が高いのはラジオ、つまり“音声の世界”だ』といった調査結果をシンクタンクや広告代理店たちが喧伝するようになっている」


そう、時代はITをめぐる次の時代、いってみれば「IT2.0」の時代へと突入しつつあるのだ。そこでは入れ物としてのITではなく、コンテンツ、そしてライツ(権利)としてのITこそがモノを言うことになる。そのことに気づき、既に活動しているベンチャー企業たちが、再び「新興相場」を日本にもたらすことになるのか。米大統領選と並んで、正に見ものなのだ。

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