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社説外国軍の訓練 演習のメッカなどご免だ
2008年7月2日
ドイツ、イスラエル、オランダの軍隊が米軍北部訓練場でジャングル戦闘訓練を検討していることが明らかになった。
海兵隊が管理する北部訓練場は米軍が有する唯一のジャングル訓練施設だ。海兵隊、陸、海、空軍各部隊による歩兵演習、ヘリコプター演習、脱出生還訓練などが行われている。
この上、他国の軍隊が使用するのは基地機能の強化にほかならず、断じて容認できる話ではない。
沖縄は復帰後36年が経過した現在も、国土のわずか0・6%にすぎない県土に在日米軍専用施設面積の4分の3が集中している。
米軍基地と隣り合わせの生活を余儀なくされた県民は、米軍機の発着による耐え難い騒音被害に加え、基地から派生する事件・事故の脅威にさらされている。
過重な基地負担を少しでも軽減させるため米軍の演習はできるだけ減らすべきであって、他国の軍隊に訓練させるなど言語道断だ。
米海兵隊は、米国以外の軍隊が訓練場を使用するには日本政府の了承が必要と説明している。
まかり間違っても日本政府が承諾することがないよう、県の側から、あらかじめ強くくぎを刺しておく必要がある。
米海兵隊のホームページによると、ドイツ、イスラエル、オランダの各軍隊と自衛隊の連絡官が5月21日に北部訓練場を視察した。ドイツ陸軍の連絡官は「ここで訓練できることを楽しみにしている」などと感想を語っている。
各国軍隊は、北部訓練場で有意義な訓練ができると期待しているかもしれないが、地元にとっては招かれざる客でしかない。
ひとたび他国の軍隊が訓練場を使用すれば、これをきっかけとして沖縄の米軍基地に世界中から軍隊が集まるようになるだろう。演習のメッカと化したのではたまったものではない。
北部訓練場では6月9日から13日にかけて120人以上の海兵隊予備歩兵隊(米ミシガン州)が訓練を実施していた。
沖縄駐留の部隊以外にも使用が拡大されていることは、県民が求める基地負担の軽減に明らかに逆行している。
日米安全保障条約は、米国に対する施設・区域の提供義務を規定し、その使用目的を「日本国の安全」「極東における国際の平和および安全の維持」に寄与することと定めているが、他国の軍隊が使用していいとはどこにも書いていないのである。
第三国の軍隊による戦闘訓練は日米地位協定上も認められていない。米軍が、将来的な訓練実施を視野に、他国の軍関係者に訓練場を視察させたこと自体、本来、許されるべきことではない。
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