★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK51 > 568.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
http://www.amakiblog.com/archives/2008/07/01/#000976
2008年07月01日
何のための自衛隊を海外に派遣するのか
福田首相は6月30日に、訪日した国連のパンギムン事務総長に、スーダンの国連平和維持活動(PKO)の司令部に自衛官を派遣すると表明した。
7月1日の各紙は、政府が発表した広報資料そのままに、この事実関係を淡々と報じていた。
その中で一人朝日新聞だけが、「戦略なき派遣」、「『貢献先』探しに必死」という批判的な記事を載せていた。
その報じるところは要旨次のごとくである。
すなわち、決定に至るまで政権内部の議論は迷走が続いた。
スーダン派遣が浮上したのは、福田首相が1月の施政方針演説で、「平和協力国家」を打ち出した後だという。つまり最初に国際貢献ありきであった。平和協力国家という福田政権のアピールがあったのだ。
外務省がスーダンを選んだ理由はいずれも後付の理由であり、国際貢献が真に必要なところへの派遣ではなかった。
すなわち、必要な国にはすでに主要国の軍隊が派遣されている。イラクやアフガニスタンへの派遣は新たな法律が必要になる。アフリカ開発会議の開催国としてアフリカの平和構築に協力する姿勢をアピールできる、などなど、あくまでも外務官僚が鉛筆をなめてでっち上げた理由だ。
しかし派遣させられる防衛省は、「サミットを控えた外務省の都合だけで危険地域に部隊を派遣するわけにはいかない」と最後まで抵抗したという。
落としどころが、スーダンの首都ハルツームの司令部への要員派遣だけだった。
しかし、それとても、国連側から提示された用務がデータ管理と補給物資管理のポストだけだった事から、「こんな(地位の低い)ポストなら出すに値しない」と石破防衛相が難色を示したという。
最終的には官房長官、外相、防衛相の3閣僚会合で石破防衛相が譲歩し、国連事務総長との福田首相の会談直前の6月26日に決まったという。
しかも、その後でさえ、司令部要員の主要な任務は、自国の部隊と参加各国との連絡調整にあたるだけであるので、「国際的にどれほど評価されるのか」(防衛省幹部)と冷めた見方が強いという。
更にその朝日の記事は、ある国連筋の話として、
「PKOは常に人手不足。一人でも増えればありがたいというだけで、自衛隊の派遣を特段重要視しているわけではない」などという言葉をのせている。
文字通り「派遣先探しに必死」な「戦略なき派遣」である。
しかし、この朝日の記事さえも正面から書かない本当のジレンマがある。
国際貢献を本来業務にしたのはいいが、国際貢献という名前ので米国の戦争につきあわされて自衛隊に犠牲者を出すような事は、絶対避けたいというのが政府や防衛省の本音である。
ましてや自衛隊の生命をあずかる防衛省としては、外務省の対米従属外交や国際貢献をアピールする宣伝外交に付き合わされて、戦地に自衛隊を派遣する事は、決して認められないのだ。
スーダンの事情に詳しいNPOの若者が見事に言い当てていた。
「ハルツームは我々が夜間で歩いても平気な安全な場所だ。そんなところには何も自衛隊を派遣する必要はない。本当に必要な場所は今でも紛争が続いているダルフールなのに・・・」
自衛隊の海外派遣は、これからも間違いなく迷走し続けることになる。
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK51掲示板
フォローアップ: