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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080630-00000905-san-pol
福田康夫首相は7月7日に開幕する主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)の全体会議で、北方領土問題を議題としないことを決めた。今回のサミットは旧ソ連時代を含めて、現職のロシア首脳が北方四島の属する北海道に初めて降り立つ歴史的舞台となる。しかし、日本は議長国であることから、北方領土問題は日露2国間の懸案として、文書にも一切触れないことにした。日本は5月に発足したメドベージェフ露政権に対し、領土問題で国際的圧力をかける好機をみすみす放棄することになった。(高木桂一)
今回の決定について政府筋は、「特定2国間の領土問題はそもそも、主要8カ国(G8)が一堂に会する全体会議の議題になじまない。日本から提起することもなければ、他のG8首脳が持ち出すこともない」と説明している。
≪2国間の問題≫
福田首相は就任以来、北方領土問題解決への意欲を表明してきたが、外務省筋によると、サミット全体会議で領土問題を取り上げない方針には、首相の意向が反映されているという。
首相は、平成17年5月に出版した共著『一国は一人を以って興り、一人を以って亡ぶ』(KKベストセラーズ)では、「(ロシアとの)領土問題は、2国間で話し合って解決するしかない。他の国が関与することはないし、他の国の協力を得ることでもない」と説明していた。
北方領土問題は1990〜92年の先進7カ国時代のサミットで毎年、議長声明や政治宣言に「法と正義の原則に基づき外交政策を展開するとのロシアの公約を歓迎する。(それが)領土問題の解決を通じた日露間の正常化の基礎となる」といった文言が盛り込まれていた。また、2005年には欧州議会がロシアに北方領土の日本への返還を求める決議を採択した。
戦後63年、G8の2国間でいまだ平和条約を締結せず、戦後処理も終わっていないのは日露間のみだ。このため、北方四島のおひざ元での洞爺湖サミットは、「(旧ソ連の指導者)スターリンが日ソ中立条約を一方的に破棄し、終戦直後に不法占拠した北方領土問題を改めて国際社会に知ってもらい、ロシアに解決への圧力をかける千載一遇のチャンス」(日露問題専門家)とみなされていた。
また、ロシアが一昨年8月に北方四島周辺の日本領海で、日本漁船「第31吉進丸」を銃撃し乗組員1人を死亡させた事件で、重要な証拠物件である拿捕(だほ)船を日本の返還要求を無視し、国営漁業関連会社に譲渡していた事実も最近になって発覚している。
≪自民から批判≫
こうした中で、福田首相がサミットの全体会議で北方領土問題を“封印”する不作為に対し、自民党からは「ロシアだけでなく、国際社会に日本は領土はいらないという誤ったシグナルを送ることになる」(閣僚経験者)との批判が出ている。また、拡大会合に参加する中韓両国がそれぞれ領有権を不当に主張する尖閣諸島、竹島問題にも影響しかねないとの見方もある。
福田首相は7月8日のメドベージェフ大統領との個別首脳会談では、領土問題を議論する方針。首相は4月、大統領就任直前の同氏と会談したが、サミットでの個別会談は大統領として初の顔合わせでもあり、外務省幹部は「プーチン前政権時代から一歩でも領土問題を前進させる言質をとりたい」としている。
しかし、北方四島の石ころひとつも日本に渡さないというロシア側の立場は揺るがない。メドベージェフ大統領は、サミットの全体会議で領土問題を取り上げない日本の“思いやり”に乗じ、従来通り、領土問題解決への「努力」「協議継続」といった、裏づけのない姿勢を表明するにとどまる見通しが強まっている。
日露専門家は、「サミットの場を利用し、領土問題でロシアに国際圧力をかけようとしない福田首相の責任はあまりに大きい」と指摘している。
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