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鳩山法相の暴挙に抗議集会 7か月で13人の死刑執行(かけはし)
http://www.asyura2.com/08/senkyo51/msg/466.html
投稿者 ダイナモ 日時 2008 年 6 月 27 日 20:35:33: mY9T/8MdR98ug
 

http://www.jrcl.net/web/frame080630d.html

今こそ死刑制度を廃止せよ!

ベルトコンベアー方式の処刑強行

 六月二十一日、文京区民センターで「鳩山邦夫法相による13人の死刑執行に抗議集会」が、死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90、アムネスティ・インターナショナル、「死刑を止めよう」宗教者ネットワークの主催により開かれた。
 六月十七日、鳩山法相は宮崎勤さん、陸田真志さん、山崎義雄さんを死刑執行した。過去に例を見ない法相在任七カ月で十三人もの死刑を執行した。まるで国家による殺人=死刑執行を自動ベルトコンベアーのように行う暴挙である。集会に配られた資料によると以下の団体が抗議声明を出している。フォーラム90、アムネスティ日本支部(資料として別掲)、「死刑を止めよう」宗教者ネットワーク、死刑廃止を推進する議員連盟、日本弁護士連合会、死刑廃止キリスト者連絡会、死刑廃止・タンポポの会、アムネスティ・インターナショナル アジア・太平洋地域声明、東京弁護士会。

歯止めを作らなければならない

 集会は最初に、宮崎さんの弁護人であった田鎖麻衣子さんが報告した。
 「控訴審から弁護人をやっていた。二〜三週間前から再審請求を行うと動いていた。執行が行われた日に、私は日本にいなかった。彼は病気であり、今も治療を受けていた。マスコミにもこの情報を提供したがあまり報道されなかった。控訴審で精神鑑定は採用されなかった。控訴審の大詰めの段階で、検察が東京拘置所に宮崎の病状について問い合わせを行った。二通の結果が出された。一通は、一審の判決の出る前の一九九六年十月、統合失調症の治療薬、向精神薬を飲んでいた。一審段階では異常はない、それを前提に判決が出た。二通目も、幻聴が出るということで別の薬に変えた。ようするに統合失調症の投薬治療を行っていたことが明らかになった。高裁は『病気ではなく、人格障害であり、計画的で凶悪な犯罪』として、一審と同じく死刑判決を下した」。
 「宮崎さんはベルトコンベアーに乗せられて執行された。法務大臣はよく調べたと言うが、ぼう大な裁判記録を読んだとはとても思えない。心の闇が解明されなかったとマスコミは書いているが、彼は難しい病気だったのだ。それを読み解けないのでモンスターだなどとレッテルをはった。本当に死刑はナンセンスだ」。
 次に安田弁護士が他の死刑執行について報告した。
 「昨年の十二月から、二カ月に一度のペースで死刑が執行された。二月には執行一日前に情報が入り、抗議行動を組んだが阻止することはできなかった。今回はG8法相サミット後になどいろんな情報が流れた。宮崎さんの執行については、なぜか読売、毎日新聞という特定の報道機関に情報が流れていて、事前に紙面を作っていたという。山崎さんと睦田さんについては情報を持っていない。山崎さんは一審が無期判決だった。睦田さんはどっちが主犯か問題になり、従犯は無期懲役だった」。
 「宮崎さんから九通の手紙がきていた。昨年の八月三日付では『再審弁護人になってくれ、恩赦請求をしてくれ。責任能力で争いたい。即刻やってください。お願いします』という内容であり、同様の手紙が三通きていた。私は宮崎さんについてはすぐに執行はなく大丈夫だと考えていた。この判断は極めて甘かった。法務省が死刑確定後六カ月で執行を行いたいという、とんでもない意図を見過ごした。宮崎さんを見殺しにしてしまった」。
 「終身刑の導入について、導入されたからといって死刑が増えるのか減るのか分からない。アメリカで死刑は減らず、終身刑が増えた。永山判決について、終身刑があれば終身刑にしていたと判事が語っていた。また六十歳という年齢であれば、無期と死刑の間に終身刑があれば、死刑を回避するという裁判官もいる。終身刑が出来れば、光事件のように死刑判決が出ていても、未決の被告は死刑判決の見直しがある。恩赦請求の理由にもなる。このように法律的効果がある」。
 「わずか十年で三〜四倍に死刑が拡大した。世界でも重罰化が広がっているが、死刑制度が廃止されていれば歯止めがかかっている。日本の場合、歯止めがないから死刑が拡大している。なんとか歯止めをつくらなければならない」。
 続いて、宮崎さんと手紙のやり取りがあった大貫さんが、「執行の少し前に面会したが、自分の置かれている立場を理解していなかったのではないか。本の差し入れや手紙をくれる人の近況などを知りたがっていた」と報告した。

秋葉原事件意識したメッセージ

 死刑廃止を推進する議員連盟の保坂展人さん(社民党・衆議院議員)が集会の最後に訴えた。
 「今回、死刑が執行された宮崎勤を知らない人はいないだろう。法務省は秋葉原事件を明確に意識して行っている。『大きな犯罪や社会的不安に対して、死刑制度の存置が必要だ』というメッセージだ」。
 「死刑執行の実態を隠してきたので、それを問題にしてきた。その当時、法務省は死刑の執行が刺激や感情のるつぼにならないように抑えるために秘行性でやっていると答えていた。それが死刑執行は『よくやった。正義の味方だ』とがらりと変わったことを見てとっている。さらに、死刑確定者百人をいっぺんに執行しても問題ないんだ、と執行のお祭り化状態もありうる。次はだれかと興味をそそり、一カ月後もありうる異常な事態だ。裁判員制度の指導や終身刑の導入の動きなど、死刑問題について真剣な議論が起きようとしている。一方、執行のベルトコンベアーは動き出している。内閣改造があっても続投もありうる。裁判員制度の始まる前に、執行を慎重化する、抑制化することが必要だ。抗議集会をやらなくてもよい状態をつくりたい」。死刑制度の廃止と執行の即時中止を!(M)


死刑の執行に抗議する
アムネスティ・インターナショナル日本支部声明

 本日、3人の死刑確定者に対して死刑が執行された。執行されたのは、東京拘置所の宮崎勤さんと陸田真志さん、大阪拘置所の山崎義雄さんである。
 従来と同様に今回の執行についても、本人や家族を含め誰にも事前の予告はなく、突然の執行となった。今回の執行でも、執行後に昨年12月の執行以来4回目となる死刑囚の氏名および罪状の公開が行われた。しかしそれ以外の情報は一切公開されていない。死刑確定のプロセスや、確定後の再審請求、恩赦請求の棄却時期などの死刑囚の基本的人権の尊重において極めて重要な情報が開示されていない。
 今回の執行は前回の執行から約2カ月後に行われたものであり、日本が大量処刑への道を進めていることの証である。日本で死刑執行が増加していることに対し、アムネスティ・インターナショナルは深い失望と、極めて重大な懸念を表明する。
 宮崎さんも陸田さんも、判決確定から執行までの期間は2年半あまりで、従来になく、早い執行ペースである。山崎さんに関しては、第一審では無期懲役の判決が出ていたものが、高裁で逆転死刑判決となっている。全体的に、厳罰化に向かう日本の風潮が現れた今回の死刑執行である。
 人間の最も基本的な権利である生きる権利を奪う死刑という制度は、人権を保障すべき現代の刑事司法にあっては、存在してはならない。日本政府には、最大限の努力を払って、死刑に頼らない刑事司法制度を構築すべき国際的な義務がある。
 国際社会では既に137カ国が法律上又は事実上、死刑廃止を達成している。昨年12月には全国連加盟国の死刑廃止を念頭に置いた死刑執行停止を求める決議が採択されるに至っている。死刑廃止が明らかな世界的な潮流となっているなか、日本政府はこの流れに逆行し、他の57カ国と共同して総会決議に対抗するための口上書を提出した。市民的及び政治的権利に関する国際規約(以下、自由権規約)の締約国である日本政府のこうした行動は、同規約6条6項が禁じている「死刑の廃止を遅らせ又は妨げるために」同規約を援用しているといわざるを得ない。
 先般、国連人権理事会で日本の人権状況が審査されたが、各国代表から死刑執行の停止の検討や死刑に直面している者の権利の保護を確保する保障規定を尊重するよう厳しく申し入れられたにもかかわらず、日本政府は、審査の段階で死刑の廃止ないし執行の停止の余地はないと述べ、6月の報告書採択に際しては、将来の批准を検討する条約のうちから死刑廃止を目指す自由権規約第二選択議定書を明示的に除外した。その直後に、国際社会に見せつけるかのように死刑を執行したことは、世界に逆行する日本政府の頑なな態度を際立たせている。
 本年10月には、自由権規約に関する第5回政府報告書が自由権規約委員会によって審査される見通しである。死刑をめぐる日本政府のこうした態度は、極めて厳しい追及を受けることになるであろう。
 日本政府が、一刻も早く人権の原則に立ち戻り、死刑の執行を停止し、近い将来に全面的に廃止することを、アムネスティは強く期待するものである。

2008年6月17日
 


 

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