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http://www.amakiblog.com/archives/2008/06/27/#000966
2008年06月27日
日本の外交力が問われている(前編)ー北朝鮮の核保有を認めた米国
私は25日のブログで、北朝鮮の核保有を認める米国について、それでも日本は従属していくのか、という問題を指摘した。
そのことについてもう一度あらためて書く。
こんどは、「おもしろくなってきた」、などという茶化した言い方は止めて、真剣に問題提起する。
北朝鮮外交を語るとき、日本政府もメディアも国民も、これまで北朝鮮の核問題と拉致問題を一体として取り扱ってきた。
今度の米国の北朝鮮外交の適否を議論する際は、いまこそこの二つの問題を完全に切り離して議論しなければならない。
それは、今回のブッシュ大統領の北朝鮮への譲歩が、如何に間違っているかを浮き彫りにするために必要な作業であるからである。
私はこのブログで繰り返し拉致問題の解決の重要性を指摘してきた。
しかし、拉致問題については、国内には、ピョンヤン宣言を高く評価して、拉致問題の解決よりもよりも国交正常化を優先すべきとする意見がある。
それは、日本の戦争責任と絡めて、拉致以上に残酷な事を日本は北朝鮮に対して行ってきたのであるから拉致だけを騒ぐなという左翼イデオロギストの立場からの意見が主であるが、保守派の中からも様々な思惑で国交正常化を急ごうとする者たちがいる。
なによりも小泉元首相や外務官僚たちも、国民に対する説明とは裏腹に、そういう立場である。国交正常化と言う外交的成果を自分の手で行いたいのだ。
このような考えと、私のように、拉致問題を最大の人権蹂躙ととらえ、その方法は制裁でも対話でもどちらでもいいから、そして謝罪や補償や国交正常化と絡めて同時決着でもいいから、とにかく早急かつ明確な解決を、北朝鮮に強く迫るべきだ、とする考えとは、なかなか議論が深まらない。
そこで、ここで拉致問題については一切触れることなく、北朝鮮の核保有を許していいのか、という問題に絞って、ブッシュ外交の間違いと、それでも日本はブッシュ外交に従属していくのか、という、日本外交の根本問題について考えてみたい。
今回の一連の流れは、断片的に報道されるブッシュ政権や日本政府の表向きの説明を額面どおり受け取ったとしても、どう考えてもブッシュ政権が北朝鮮の核保有を認めたということだ。
ブッシュ政権が当初の方針を180度転換した理由が、任期前に実績を作りたいという理由なのか、あるいはテロに対する核の横流しを防ぐ引き換えなのか、あるいは北朝鮮の資源目当てなのか、あるいは中国から北朝鮮を引き離すという深謀遠慮なのか、それはわからなが、はっきりしていることは、何かの理由で、核問題では米国が北朝鮮に譲歩したということだ。
それを批判してみたところで意味はない。ブッシュ政権はブッシュ政権の利益にもとづいて最善と考えた決断をしたのだ。
問題は日本として、北朝鮮の核保有を認められるか、ということである。
建前として、唯一の被爆国である日本は、核不拡散、核廃絶を世界に訴える立場だ。その最大の矛盾は、米国の核に守られているという理由で米国の核を認めてきたことだ。
さらに言えば、たとえばイスラエルであるとか、最近ではインドであるとか、米国が核保有を認めるようになった国の核に目を瞑ってきた事だ。
そしてとうとう米国は米国の思惑で北朝鮮の核を認めることになった。
その時に、また日本は黙ってそれを認めwることになるにか、という事である。
これは拉致問題の解決とは理論的にはまったく関係のない話である。
日本の安全保障政策の話である。
北朝鮮の脅威を最大限に訴えてきた日本政府は北朝鮮の核保有を許せるのか。北朝鮮の核保有を譲歩したブッシュ政権に従うのか。そういう問題ととらえれば、今後の6カ国協議や米国の動きから目が離せないのは、これからなのである。
続く
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