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(回答先: 最後までかみ合わなかった日米の対北朝鮮外交(その1)(天木直人のブログ) 投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 6 月 20 日 18:31:48)
http://www.amakiblog.com/archives/2008/06/20/#000949
2008年06月20日
最後までかみ合わなかった日米の対北朝鮮外交(その2)
米国の北朝鮮外交は、6カ国協議が進まない事をさとった米国が、勝手に、ひそかに、北朝鮮との二国間外交を始めた時点で大きな転換を見せる。
厳しい金融制裁を課して北朝鮮を締め上げ、武力行使もちらつかせながら金正日を脅かす。
その一方で金正日は核実験を重ね、事実上の核保有国を宣言して捨て身の抵抗を示す。
その瀬戸際外交は、中東のもう一つの核脅威排除を優先する米国のイスラエルロビー外交とあいまって、米朝間の取引外交を導き出した。
米国の最大の関心事は北朝鮮の核がテロリストやアラブのテロ支援国家に渡らない事だ。
このうちテロが今の段階で核を使用する可能性は少ない事を米国は知っている。
だからテロ支援国への核兵器を防ぐ事が唯一の米国の関心だ。
イスラエルにシリアの核施設を攻撃させ、これ以上テロ支援国に核を渡すとただではおかないと北朝鮮を脅す。
その一方で、シリアやイランには、次は本物の軍事攻撃だという決意を見せつける。
北朝鮮は自らの体制容認と引き換えに核の凍結でと中東へのあらたな供与を行わない事を約束した。ブッシュ政権にとってこれで十分なのだ。
その間のブッシュ政権内の動きを、日本がまったく知らされていなかった事は、北朝鮮が核実験を行った時、日本だけがやたらに強硬姿勢を見せ、最後は米国にはしごを外された事から明らかである。
米朝の二国間秘密交渉が進むのとは対照的に、拉致問題に関する日本と北朝鮮の話し合いが凍結され、6カ国協議もまともに開かれなくなっていったのは、当然の成り行きであった。
「拉致問題は解決済み」、「6カ国協議に日本は不要だ」などという北朝鮮のふざけた発言を米国は放置する。
日本はそれを指をくわえて眺めるほかはなかった。
そして今回の米国のテロブッシュ政権のテロ支援国の指定解除だ。
二国間で合意しておいてそれを形式だけの6カ国協議を開いて他の4カ国に承認させる。
その時の唯一の障害国が日本だ。
だから日本に拉致問題の進展を促し、それを日本が受け入れて日朝交渉の再開と拉致問題の進展を実現させる。日本による制裁解除を図って北朝鮮の要望に応え、そのうえで6カ国協議を開くというシナリオだ。
私が情けないと思うのは、もはや誰も目にも明らかなこのような米国の日本軽視外交にもかかわらず、日本政府が国民に嘘をつき続けているということだ。
日米同盟はゆるぎないという嘘をつき、北朝鮮は拉致問題で譲歩したから制裁を解除したという嘘をつく。
そして拉致問題の解決なくしては国交正常化なしといい続けてきた政府が、あっさりと、国交正常化なくして拉致問題の解決なしと180度方針を変更する。
強硬派でならした斎木が協調派に豹変する事などは官僚のお手のものだ。
見逃せないのが小泉元首相の無節操ぶりだ。今回の幕引き外交を評価しているという。
拉致犠牲者は運が悪かった、といわんばかりの左翼イデオロギストは、外交の複雑さや駆け引きなどはおかまいなく、過去の謝罪と国交正常化が進めば、すべてよいと評価するばかりだ。
取り残されるのは、拉致被害者とその家族であり、アジア敵視の右翼強硬派だけである。
なんという非情さか。なんという皮肉か。
C
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