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2008年06月20日
政権交代の前に政党が空中分解しているのではないか
どう考えても異常な状態が続出している。
重要政策に関する政府・自民党内の対立はもはや政権政党の責任を放棄しているがごときである。
北朝鮮外交をめぐって、安倍晋三前自民党総裁と山崎拓前自民党副総裁が、「百害あって利権あり」、「誹謗中傷だ。名誉毀損だ」と怒鳴りあっている。
東シナ海日中共同開発の合意を喜んでいる福田首相の互恵外交を、中川昭一元自民党政調会長が、「何の進展にもなっていない。明治時代の不平等条約みたいなものだ」とテレビ番組で切り捨てている。
福田首相の消費税引き上げ発言をめぐって、与謝野馨前官房長官らと中川秀直元幹事長らの自民党重鎮議員が、真っ向から対立している。
いずれも外交・内政の最重要懸案をめぐって、党を代表する幹部たちが決定的に対立しているのである。
翻って野党の混乱も甚だしい。
政権交代を目前にした野党第一党の民主党も分裂状態だ。
前党首で現副代表の前原誠司氏が、テレビや雑誌で繰り返し繰り返し、小沢党首の政策と言動を批判している。それを見かねた若手議員が、前原副代表を痛罵して、離党を迫る。
連立政権を組んでいる公明党も危機的状況だ。なにしろ矢野元公明党委員長が、支持母体の創価学会から言論妨害や寄付強要、脅迫を受けたとして訴訟を起こし、国会に喚問されれば憲法違反の疑いのある政教一致問題についてしゃべると言い出した。
郵政民営化への造反をきっかけに生まれた国民新党も、綿貫民輔代表と亀井静香代表代行の対立がいよいよ表面化してきた。
同じ造反組みの平沼赳夫氏と新党結成の動きをみせる綿貫代表に対抗するかのように、亀井静香代表代行は自民党の山崎拓前副総裁や民主党の菅直人代表代行らと会合を重ねる。
社民党の辻本清美に至っては、社民党議員としての活動よりも、もはや権力に近づく事に忙しいかのようだ。
やれリベラルの会、やれ日朝国交正常化議連、などと、自民党、民主党の政治家達との活動がやたらに目立つ。あきらかに政界再編後を睨んだ動きだ。
共産党の独自路線も相変わらずだ。自民党は、次期総選挙前に選挙法を変えて供託金没収のハードルを低くすることを決めた。
候補者を絞らざるを得なかった共産党に対するシグナルである。もし共産党がそのえさに食いついて全選挙区への候補者擁立を復活するような事になれば、自民党は大喜びだ。
最近の報道をざっとながめるだけでも、これだけの混乱した動きがある。
おそらく、我々の眼の届かないところで、はるかに大きな混乱が起きているに違いない。
既存政党は、政権交代のまえに、すでに空中分解しているのだ。
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