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2008年06月16日
「脱藩官僚の会」の動きに注目する
つくづく乱世の世の中になったと思う。
自民党の元幹事長で、次期総理を目指そうとしている中川秀直さえも、「官僚国家の崩壊」なる本を出版し、この国の官僚支配を認め、それを変えなければこの国は崩壊する、などと言い出すようになった。
今度は、中央官庁を途中で退職した若手キャリア官僚による、「脱藩官僚の会」の設立の動きである。
16日の朝日と日経にその事が報じられていた。
江田憲司衆院議員が発起人となって近く動き出すその会の正式名称は、「官僚国家日本を変える元官僚の会」というらしい。
天下りの禁止や地方分権の実現などで、霞ヶ関と対抗するシンクタンクを目指すという。
私はこの動きに多大の関心を持って注目したいと思う。
本来ならば「注目する」ではなく、「賛同する」と書きたいところだが、そうは行かないところにこの動きの難しさと、不透明さがある。
私が評価する点はいくつかある。
彼らが言うように、霞ヶ関の正体を知り尽くしている元官僚だからこそ、官僚組織の悪を誰よりも鋭く追及できる。
比較的若い元官僚たちから構成されているのも期待が持てる。堺屋太一や榊原英資などという、さんざん権力のうまみを享受してきた古い官僚OBでないところがいい。
既存政党の議員や候補者は対象としない、というのも賛成だ。政界再編の道具になってはならない。
なによりも、「退職後に出身官庁と縁を切り自力で生きる」という参加条件がいい。このことは言うは安いが、それを実行する事は簡単ではない。
しかし、不透明な部分もまた数多い。
脱藩官僚はいずれもはぐれものだ。中央官庁の同僚・後輩にとっては敵だ。権力を持った官僚組織と対峙していくには、よほどの覚悟と実力が要る。結束が要る。
脱藩官僚は一匹狼が多い。それらをどうやってまとめていけるのか。そのまとめ役がつとまる人間がいるのか。その人間は誰か。
脱官僚支配を当面の共通目標にするのはいいとして、その後に目指すより大きなもの、たとえば脱新自由主義であるとか、対米自立外交の実現であるとか、国民主権の政治の実現であるとか、根本的なところについての政策一致はあるのか、一致出来るのか。
なによりも、脱藩官僚たちの思いの底に、私怨や個人の復権といった曇りを離れ、国民のために政治、政策実現のために尽くす、という無私の気持ちがあるのか。その言動に一点の曇りもない、と言い切れるのか。
たとえば発起人の一人と報道されている元財務省官僚の高橋洋一は小泉・竹中改革の賛同者として重用された男だ。いまでも政府の顧問をしている。
このように注文をつけていけばきりがない。文句は誰でも言える
しかし、それらすべてを勘案した上で、
私はこの新しい動きに注目している。今までには見られなかった動きだ。時代の変化を感じる。
願わくば、この会に良質な若手元官僚がどんどんと決集し、本物の改革勢力、いや革命勢力になってもらいたいと期待している。
今でも、やれ小泉の復活だ、麻生だ平沼だ小池だなどと、この国をダメにした過去の政治家の名前しかでない政治状況よりも、よっぽどおもしろい。
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