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http://www.jcptogidan.gr.jp/html/menu4/2008/20080612165812.html
新銀行東京と都幹部によるブリーフィング
新銀行東京と都幹部によるブリーフィングはあった
―開示文書で明らかに―
２００８年６月１２日
日本共産党東京都議団
１、経過について
日本共産党都議団は、３月２５日の予算特別委員会において、都がマスタープランどおりの経営を旧経営陣に押し付けたことを示す重要な事例として、２００４年１１月と２００５年１月に５回にわたって開催された事業計画に関する「ブリーフィングメモ」をしめし、知事に事実関係の調査を求めた。
しかし知事は答弁にたたず、佐藤産業労働局長は「どういう資料のものなのか確認できない」と答弁し、調査も拒否する態度をとった。その後３月２８日の記者会見で知事は、「マスタープランを絶対にやれなんていう押しつけっていうのがメモにあるっていうけど、じゃ、どんなメモで、だれが書いたか出してもらいたいんだ」と居直る態度をとった。それだけに、ブリーフィング開催の有無とその内容の調査は、新銀行東京の経営破綻究明に欠かせない重要課題となっている。
その後、６月８日のテレビ朝日のサンデープロジェクトでは、ブリーフィングに出席し記録した新銀行の元行員が都がマスタープランをおしつけたことについて勇気ある証言をおこなった。
さらにわが党都議団が、ブリーフィングメモに記載された日付での会議に関する資料、及び新銀行設立本部及び産業労働局職員の新銀行東京への出張記録の開示請求を行ったこところ（開示は一部にとどまったが）、①開示文書によってブリーフィングの開催は確認され、②新銀行設立本部、産業労働局金融部の幹部が頻繁に新銀行東京を訪問し打合せをしていたことが確認された。
２、ブリーフィングの開催が確認できる都文書について
（１）都の「旅行命令簿」で会議開催は確認できた
開示された「旅行命令簿兼旅費請求内訳書」によって、ブリーフィングメモに記載された２００４年（平成１６年）１１月１２日、１５日、１６日、及び２００５年（平成１７年）１月２０日、２１日にメモに記述された幹部職員らが集団で新銀行東京に出張している事実が確認された（出席時間にはちがいあり）。しかも、「旅行用務」として「事業計画ブリーフィング外」などと記載しているケースもあり、会議の目的が事業計画のブリーフィングであったことが確認される。
ブリーフィングの日に「旅行命令簿兼旅費請求内訳書」で新銀行東京への出張が記載されている職員とその旅行時間、旅行用務、旅行先は別紙資料①の通り。
（２）会議記録の開示拒否は許せない
わが党は、４月３０日付けで「２００４年１１月１２日、同１１月１５日、同１１月１６日、２００５年１月２０日、１月２１日におこなわれた新銀行東京と東京都との協議の会議録、出席者のメモ、提出された資料など記録及び資料の全て」について開示請求を行った。しかし都は知事名で６月４日、「当該公文書については、実施機関では保有しておらず、存在しないため」との理由で「非開示」を通知してきた。
非開示決定をうけて、産業労働局にたいし、ブリーフィングに関する個人メモも含め公文書として開示すべきと要望したが、同局は「組織として共用し、保管している文書がないので公文書として開示できない」と拒否した。
都の担当組織の最高幹部らが公費による出張をおこない、新銀行東京の最高幹部らと５回にわたって長時間意見交換を行いながら、その記録を組織としていっさい残してないとしたら、当時の幹部の管理責任が問われる重大問題である。少なくとも、ブリーフィングに出席したメンバーは、知事ら幹部に報告するためのメモはとっているはずであり、これを提出することは都民と都議会に対する責務である。
ワンダーサイト問題では、わが党の開示請求にたいし、生活文化局は館長と都職員とのメールまで「公文書」として開示している。これに照らしてみても、今回の対応は石原知事及び産業労働局の姿勢が問われる重大問題である。
（３）知事は調査し報告すべき
ブリーフィングに同席し記録した元行員のテレビ証言があり、今回わが党が明らかにしたメモの日付で担当幹部や職員多数が参加してブリーフィングが行われたことが確認されたわけである。知事は、その内容について調査し議会と都民に明らかにする責任がある。
あらためて出席者のメモも含め、会議内容に関する資料、及び会議に提出された資料等すべての事実を明らかにすることを求めるものである。
（４）都議会としてブリーフィング出席者を招致して事実を解明すべき
ことは、新銀行東京に出資した１０００億円の大半が失われた真相に係る重大問題である。都議会として、仁司元代表執行役をはじめテレビで証言した元行員、元執行役及び津島氏らブリーフィング出席者を招致し、事実を明らかにすることを求める。
３、東京都の担当幹部による新銀行東京への頻繁な訪問の事実
（１）年間４０回～５０回も幹部が新銀行に出張し協議が行われた
石原知事は、新銀行東京にたいす監理責任が問われると、「風通しがわるかった」
「大枠でしか監視できなかった」等のことをあげて、経営実態の把握ができなかった責任を棚上げする態度に終始してきた。
わが党は、社外取締役に都ＯＢや知事の知人を配置するなど監視できる体制にあったことをはじめ、最大株主として株主総会だけでなく、毎月開催される株主連絡会など、状況を把握は可能であったことを指摘してきた。
さらに今回、「旅行命令簿兼請求内訳書」によって、津島隆一本部長を先頭に新銀行東京設立本部及び産業労働局金融部の幹部が頻繁に新銀行東京を訪問し打合せ等を行っていた事実が明らかになった（別紙資料②）。この事実は、都が日常的に新銀行の経営、運営状況を把握できたし、把握していた可能性を示すものであり、石原知事の監理責任があらためて問われる事態である。
主な幹部の出張記録で新銀行東京への出張回数は以下の通りである。
津島隆一本部長は、２００４年８月から０５年６月までの１１ヶ月間に新銀行東京に４１回も出張して「打合せ」を実施しており、ほぼ毎週出張したことになる。
吉田長生参事は、２００４年８月から０５年７月までの１年間に新銀行東京に５０回も出張している。吉田氏の場合「旅行用務」について具体的に記載しており、「打合せ」以外に「事業計画ヒアリング」「事業計画ブリーフィング」さらに「連絡会」などの記載がある。とくに０５年４月の本店開設以降に「連絡会」との記載が多く、４月以降の４ヶ月に１３回も開催されている。
森祐二郎参事は、２００５年８月から０６年７月の１年間に４６回新銀行東京に出張している。すでに新銀行東京がスタートした以降も、都の担当者が新銀行に頻繁に出張し協議や打合せを行っていたことが浮き彫りになる。
「旅行命令簿」では、０５年の８月以降から産業労働局の担当参事や副参事らが、社外取締役の梶原氏を訪問し打合せをしていることが明らかになった。また早稲田大学や多摩都市モノレールにも数回訪問している。早稲田大学出張は北村取締役と併記されている記録があり北村社外取締役との打合せと推察される、また多摩都市モノレールは同社社長細渕氏（元議会局長）が社外取締りであり、社外取締役との協議を都の幹部が頻繁に行っていたこともわかった。
（２）出張、協議の内容を明らかにせよ
今回明らかになった都幹部による新銀行東京への頻繁な出張の事実は、知事が経営状況の把握が困難であったという言い訳が通用しないことを示すものだ。知事は、津島氏をはじめ幹部の新銀行出張で誰と面会し、何を協議したのか、さらに社外取締役との協議の内容等を、都議会と都民に全面的に明らかにすべきである。
以上
資料①（http://www.jcptogidan.gr.jp/html/menu4/2008/20080612165812_1.pdf）
資料②（http://www.jcptogidan.gr.jp/html/menu4/2008/20080612165812_2.pdf ）
資料③（http://www.jcptogidan.gr.jp/html/menu4/2008/20080612165812_3.pdf）
【添付ファイル】 記者会見文書PDF版
http://www.jcptogidan.gr.jp/html/menu4/2008/20080612165812_10.pdf
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