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2008年06月12日
もうひとつの格差
秋葉原事件を契機に、この国の急速に進んだ格差社会が論じられている。
確かに、「痛みに耐えろ」と叫び、「聖域なき改革」を断行した小泉前首相の5年半は、この国を米国に売り渡し、大量の弱者を生み、社会を絶望的な状況に追いやってしまった。
格差社会の原因を一つに帰する事はできないとしても、小泉政権下の施策がその原因の一つである事を否定できるものはいないだろう。
しかし、もうひとつの格差が、弱者を痛めつける「格差社会」を更に助長している。
この事に国民は気づかなければならない。怒りをぶつけなくてはいけない。
それは、権力を握った政治家や官僚が臆面もなくその特権を私物化して一人いい思いをする、そういう、恵まれた「逆格差」である。より悪質な格差だ。
たとえばこの国の世襲政治家の跋扈だ。
たとえばこの国の官僚の底なしの不正だ。
6月4日の産経新聞に、小選挙制度見直し論が急速に浮上してきたと言う記事があった。
その急先鋒が小泉元首相であるという。
「選挙区が小さくなって政治家のスケールも小さくなったよな。大選挙区制のほうが議会制民主政治のエネルギーがでてくるんじゃないか!」
5月23日夜、シーファー米国大使らとのゴルフコンペに参加した小泉元首相は、前夜の宴席でこう切り出したという。
小選挙区制の下での選挙で空前絶後の大勝利を収めた後は、もう小選挙区制は要らない、というのだ。
その発言の意味する本音はなにか。
それは、自民党は再びあのような勝利は出来ないと自覚しているからではない。
民主党に大勝利をさせたくはない、という事ではない。
ましてやこの国にりっぱな政治家を送り出したい、などという事ではない。
近いうちに地盤を譲って次男を政治家にさせたいからだ。
その時は、自民党では勝てないおそれがある。いや自民党が存在していないかもしれない。
政界再編などで保守党も分裂、乱立する。
ますます小選挙区制では次男の勝利も保証できない。
都合のいいように大選挙制度に変えてしまえ、ということなのだ。
一生ワーキングプアで終わる若者が急増している御時世で、政治家の親をもった若者が、能力と関係なく政治家人生を保証されているとしたら、これほどの格差社会はない。
ひるがえって、12日の産経新聞は、国土交通省が公用車の運転業務委託を天下り会社に独占受注していた事を報じていた。
談合などという生易しいものではない。官僚ファミリーの底なしの組織的不正であり税金の私物化だ。
外務省の醜聞はせいぜい不埒な個人の公費着服であり、仕事もせずに外交特権にあぐらをかく程度のお粗末だ。
しかし巨大な許認可権を持つ国内官庁は、全国にその組織力を張り巡らしている。そして一般国民が知るよしもない無数の天下り組織、ファミリー会社を乱立させ、職員とその家族の食い扶持に予算をほしいままにしているのだ。
これほどの格差があるだろうか。
私たちは、新自由主義の餌食になって生まれる格差社会のほかに、もう一つの格差社会と戦わなくてはいけない。
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