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2008年06月11日
防衛省改革の挫折に見る大臣の軽さ、官僚支配の強さ
11日の毎日新聞に、石破防衛大臣の防衛省改革案が省内外の強い反発にあって挫折したという記事があった。
6月中にも取りまとめられる防衛省改革会議案は現行組織を基本的に温存する小手先のごまかし改革案になるという。
一般国民にはピンとこないかもしれないが、この顛末をめぐる一連の動きは象徴的だ。
防衛省に限らず、およそあらゆる省庁の官僚組織が、実は、特権にあぐらをかいた無能で弛緩した、反国民的組織であるという正体が、ようやく国民にさらされるようになった。
官僚OBの堺屋太一氏や中川秀直自民党元幹事長政治家などを筆頭に、これまで官僚の味方であったような人物までも、一斉に官僚支配の打破を訴えるようになった。
国民を代表した政治家による政策実現に走りだしたように見える。
お上に楯突かないはずの財界人でさえも、丹羽宇一郎氏(伊藤忠商事会長)などのように、地方分権改革委員長となって、「従わない官僚はクビだ!」などと威勢がいい。
しかし、実際は、官僚支配は微塵も揺るがない。
今でも大多数の政治家、有識者、財界人は官僚の味方だ。彼らが官僚支配を守る。
それを見事に証明したのが今回の防衛省改革の挫折である。
守屋事件やあたご事件、更にはその前の機密漏洩やテロ給油をめぐる情報隠蔽など、あらゆる醜聞が重なって求められた防衛省改革であった。
石破氏が、大臣としての識見と権限で、国民に向かって抜本的改革を行おうとしたまではよかった。
しかし、それが官僚(背広組、制服組)の強い抵抗にあう。
そして防衛族の浜田靖一(浜田幸一の息子)などが、防衛官僚の意向を受けて反対する。
極めつけは、五百旗頭防衛大校長が石破案を骨抜きにする改革案を提案し、官僚との関係を穏便に済ませたい福田首相が、それを支持したという事だ。
五百旗頭氏は日米同盟の重要性を訴え続ける神戸大学の国際政治学者である。
その御用学者ぶりが重宝され、06年8月から防衛大校長に抜擢された人物だ。
その五百旗頭氏が防衛省改革会議のメンバーに入り込み、挙句の果てはメンバーの案が大臣の案を覆したのだ。
そして総理大臣が、内閣の一員である大臣の案よりも、有識者会議の一メンバーの案を優先させたのだ。
大臣の軽さよ。官僚支配の強さよ。
中川秀直氏の本ではないが、官僚支配は、この国を崩壊させるまでは終わらないという事である。
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