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(回答先: 犯人は借金を抱えていたという報道がチラリと出されていた。 投稿者 新世紀人 日時 2008 年 6 月 11 日 04:47:39)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080610-00000059-san-soci
【17人殺傷の衝撃】(上)「全て俺の邪魔をする」もの静かさ豹変、粗暴な素顔
日曜の歩行者天国でにぎわう東京・秋葉原で惨劇が起きた。静岡県裾野市の派遣社員、加藤智大容疑者(25)=殺人未遂の現行犯で逮捕=が7人を殺害し、10人に重軽傷を負わせた通り魔事件。携帯電話のサイトに犯行予告する前代未聞の凶行に及んだ容疑者には「おとなしさ」と「凶暴さ」の二面性が潜む。トラックと刃物を凶器として準備した計画性からは、無差別殺人への異常なまでの執着もうかがえる。
▽サイトに実況
《秋葉原で人を殺します 車でつっこんで、車が使えなくなったらナイフを使います みんなさようなら》
加藤容疑者は事件当日の8日、「秋葉原で人を殺します」とのタイトルで、携帯サイトの掲示板に書き込んだ。最初は午前5時21分。7時間後の通り魔事件を明確に予告した。
《時間だ 出かけよう》(6時31分) 《神奈川入って休憩》(9時48分)
静岡県内から都内へと向かう足どりを実況中継するような書き込みが続く。
《秋葉原ついた》(11時45分)《時間です》(午後0時10分)。7時間弱で約30回も続いた発信は、これで途絶えた。
犯行現場に“オタク文化”の発信地・秋葉原を選んだ容疑者。容疑者自身が“オタク”だったかは不明だが、テレビゲームが趣味だったという。帝塚山学院大の小田晋教授(犯罪精神医学)は「リアルタイムの書き込みや告知は『劇場型犯罪』の典型」と指摘。この日は大阪教育大付属池田小の殺傷事件から7年にあたり、「『記念日』と考えていた可能性もある」とみる。
約20分後、容疑者は2トントラックで歩行者天国の通りに突っ込む。歩行者数人をはね、両刃で殺傷能力の高いダガーナイフで通行人らを刺し、7人を殺害、10人に重軽傷を負わせた。
加藤容疑者の心理状態を吐露する書き込みもあった。《ほんの数人、こんな俺に長いことつきあってくれてた奴らがいる》(6時4分) 《使う予定の道路が封鎖中とか やっぱり、全てが俺の邪魔をする》(6時10分)
「行動報告のような書き込みの中に突然、孤独感と思いどおりにならない人生に自暴自棄になっている心の内を明かしているようにみえる」(捜査幹部)
▽良い子装う
「快活で、いい青年だった」「きちんと挨拶(あいさつ)のできる頭のいい子だった」。青森市内で育った加藤容疑者の小・中学校時代を知る人は口をそろえる。
容疑者は両親と弟の4人家族で、父親は地元の金融機関に勤務。「両親は教育熱心で、そろばん教室や水泳教室に通わせていた」(知人の女性)。容疑者は小学生時代、足が速く、クラスの人気者だった。
地元の中学を卒業後、県立青森高に入学。生徒の大半が4年制大学に進む県内トップクラスの進学校だ。高校時代は目立たない生徒で、加藤容疑者が在学した学年の副主任だった男性教頭(59)は「校内でも家庭でもトラブルはなかった。印象が薄く、ごく普通の子だった」と振り返る。
しかし、別の証言もある。「中学に入り、家庭内暴力があったようだ」。加藤容疑者を小学生時代から知る男性は、容疑者が中学時代、テニスのラケットで机をたたいたり、教室でイスを投げたりしたと聞いた−と証言する。
「目立たない生徒」「粗暴な行動」。知人の証言は、容疑者の二面性をあぶり出す。容疑者自身も犯行前、サイトへの書き込みで理想的な子供を装っていたことを告白している。
《大人には評判の良い子だった 大人には》《いい人を演じるのには慣れてる みんな簡単に騙される》
二面性は勤務先での行動からも浮かび上がる。
加藤容疑者は製造業派遣大手の日研総業(東京都大田区)に登録、昨年11月から裾野市の関東自動車工業東富士工場に派遣され、塗装工程を担当していた。派遣会社の面接では口数が少なく、おとなしい印象だった。工場でも「勤務態度は良好で、同僚とも問題はなかった」(工場関係者)。
だが、今月5日、粗暴な素顔をむき出しにした。
「ツナギ(作業服)がない」。午前6時ごろ、工場の更衣室で容疑者は大声で騒ぎ立てた。そばにあるツナギを床にぶちまけ、壁を殴り、蹴(け)った。
職場リーダーが別のツナギを持っていくと、容疑者は無断帰宅。ツナギは専用のロッカーに保管されており、容疑者のツナギもロッカー内にあった。容疑者の言動は不可解極まりない。
《作業場行ったらツナギが無かった 辞めろってか》《やっかい払いができた会社としては万々歳なんだろうな》。更衣室で騒ぎを起こした十数分後から、加藤容疑者は犯行を予告した携帯電話サイトの別の掲示板に、こんな書き込みをしていた。ツナギがないと勘違いしたうえ、解雇されたと思いこんだのか。
◇
■殺害に異様な固執 リストラ話で焦燥感
加藤智大容疑者(25)が職場でみせた“異変”ともいえる不可解な行動。同僚は容疑者について「怒ったときは制御がきかない」と話す。感情をあらわにして大声を出し、歯止めがきかないという。
▽不安募らせ
実は、加藤容疑者が職場を解雇されたと誤解したのには伏線がある。
関係者によると、容疑者が働いていた関東自動車では5月末で人員の削減計画があったとされ、「派遣社員は全員リストラ」とのうわさも広まっていた。
「(派遣元の)日研が完全に撤退する」。容疑者から耳打ちされた同僚も。関東自動車は「会社全体として派遣社員を減らそうという話はあるが、(容疑者の担当する)塗装工程は縮小の予定はない」(庶務広報室)と否定。容疑者もリストラ対象でなかった。
だが容疑者は来年3月までの契約期間を打ち切られ、解雇されるとの不安感を一方的に募らせていたようだ。「事情があって裾野に来た。両親も離婚して頼れない。車で事故を起こして借金を背負っている」。最近も容疑者は同僚にリストラの不安を打ち明けた。掲示板にはこうも記した。
《『誰でもよかった』 なんかわかる気がする》(5日午後0時5分)
「2、3日前に犯行を決意した」「世の中が嫌になった。誰でもよかった」。これらの逮捕後の供述と掲示板の書き込みと合わせると、十把ひとからげにリストラされるとの焦燥感が、相手を選ばぬ無差別殺人に結び付いた疑いがある。
▽トラックと刃物
「従来の無差別殺人より、人を殺すための計画が周到で、殺害行為に固執している」(捜査幹部)。容疑者が第1の凶器としてトラックで歩行者天国に突っ込み、第2の凶器としてダガーナイフなど刃物を携帯していたのが理由だ。
「引っ越しに使う」。そう理由をつけ、静岡県沼津市で借りた2トントラックを犯行に使用。乗用車より車高が高く、幅も広いトラックであれば殺傷力は高まる。「もっと大きいトラックを借りようとしていた」(レンタカー会社関係者)との証言もある。
「福井で凶器を購入した」と加藤容疑者は供述。事件2日前の6日朝から新幹線と在来線を乗り継ぎ、福井県に出かけ、福井市内のミリタリーショップでダガーナイフなどを購入。警視庁万世橋署捜査本部は所持品などからナイフ5本と特殊警棒を発見した。
「トラックにはねられて路上に倒れた男性に容疑者は馬乗りになり、刃物で何度も刺した。男性はピクリとも動かなくなった」。目撃証言からも浮かび上がる、殺害行為への容疑者の異様なほどの固執。その結果、通り魔事件として過去30年で最悪の被害が、秋葉原という新たな観光スポットで発生した。
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