★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK50 > 659.html ★阿修羅♪ |
Tweet |
信頼回復の道険しく NHK 今度は『記事盗用』(東京新聞)
2008年6月6日 朝刊
NHKで、長野放送局の記者が地元紙の記事を盗用するという新たな不祥事が発覚した。元記者らによるインサイダー取引問題に続く、報道の根幹にかかわる不祥事。同問題を調査した第三者委員会(委員長・久保利英明弁護士)が指摘した「組織全体としての危機意識の乏しさ」を、あらためて露呈した。 (近藤晶)
「痛恨の思い。報道倫理が厳しく問われる中、誠に申し訳なく思っている」。福地茂雄会長は、五日の定例会見で謝罪。長年、報道に携わってきた今井義典副会長も「ざんきに堪えない」と頭を下げた。
先月二十七日に公表された第三者委の報告を受け、NHKとして再発防止策を徹底するとした直後だっただけに、幹部らは終始険しい表情だった。
NHKによると、記事を盗用したニュースを放送したのは三月三十一日。放送直後、長野県安曇野市の担当者から「取材を受けていない」などと長野放送局に指摘があり、同局は四月二日、市役所を訪れ「間違った報道をした」として謝罪。翌三日には謝罪文も送っていた。
しかし、記者が盗用を否定していたことなどから、今月二日に信濃毎日新聞社から指摘を受けるまで、東京の本局には約二カ月間報告されなかった。
インサイダー取引問題で第三者委は、当事者の倫理観や職業意識の欠如のほかに、背景として、風通しが悪く危機意識が乏しい組織上の問題点を指摘している。
福地会長は「悪い話はすぐに上げろと言っているが、それがなされなかったのは、まさに第三者委の指摘の表れ。あらためて、この辺は追及していかなければいけない」と述べた。
◇
一方、インサイダー取引問題では、第三者委の調査報告書に対し、国会で「調査が不十分」と批判が噴出した。株を保有していると回答した役員・職員の約三分の一に当たる九百四十三人から有効な委任状が提出されず、取引履歴の詳細な調査ができなかったためだ。
しかし、福地会長は、この日の会見で「調査権がない以上、進まない。再発防止策を徹底して進めていくことの方がより大事だろう」と述べ、再調査は行わない方針を明言した。
勤務時間中(休憩時間を含む)の株取引が発覚した八十一人と調査に非協力的だった百三十五人に対し、会長名で遺憾の意を示す手紙を送るにとどまった。十六日午後十時から、インサイダー取引問題の検証番組を放送する予定。
視聴者の疑念は払拭(ふっしょく)されたかと問われ、福地会長は「払拭されたと思っている」と言い切った。だが、職員アンケートによると「正直者だけがばかを見るようなことはせず、徹底的な調査を望む」「勤務中の株取引(を行った者)はもっといると思う」といった声が局内にもある。
インサイダー取引問題の受信料への影響は、今のところ顕著に表れてはいないが、今後、記事盗用問題が影を落とす可能性もある。このタイミングで発覚した新たな不祥事によって、信頼回復の道のりは、さらに険しくなったといえそうだ。
NHK長野放送局松本支局の記者が地元紙の記事を盗用した問題で、福地茂雄会長は、五日の定例会見で謝罪するとともに、全国の放送局で報道に携わる職員を対象に、今月中に緊急討議を実施するなどの対策を明らかにした。
討議では、ジャーナリストとしての根幹を確認し、問題点やリスクを洗い出すとともに、報道局幹部を派遣して現場の課題を把握する。また、人材育成担当の業務主幹を中心に、ジャーナリスト教育の在り方を抜本的に見直す。記事を盗用した大田明博記者(35)については、調査が終わり次第、厳正に処分するとしている。
一方、長野放送局の放送部長が同日、記事を盗用して報道した長野県安曇野市役所に出向いて謝罪した。
大田記者は、三月二十五日付の信濃毎日新聞朝刊に掲載された同市の観光PR事業を紹介した記事を基に、取材を行わないまま加筆して原稿を作成し、三十一日の地域ニュースで放送された。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2008060602000108.html
▲このページのTOPへ HOME > 政治・選挙・NHK50掲示板
フォローアップ: