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http://mainichi.jp/select/seiji/tsumuji/news/20080604ddm005070015000c.html
つむじ風
信念語らぬ首相
「子どもたちが多く犠牲になっている。これからも頑張ってください」
97年、小渕恵三外相(当時)は、地雷探知装置の試作機を手に、冨田洋さんに声をかけた。経営する会社の道路空洞探査技術を利用し、探知装置開発に当たっていた冨田さん。同行して取材した私は、質問を重ねる小渕氏の熱心さに驚いた。
「長い海岸線を守るため、日本の防衛に地雷は不可欠」との声が政府・与党に多い中、小渕氏は早くから対人地雷廃絶を唱えた。「小渕さんが外相でなければ、あんなに早く日本が全面禁止条約に署名することはなかった」と評価の声は多い。小渕氏は「日本は被害者の支援をしているのだから、条約批准は当然」「犠牲者ゼロに向け、さらに努力する」と、自らの信念を繰り返し語った。
冨田さんはその後、探知装置の改良を重ね、タイ・カンボジア国境の遺跡などで地雷除去を果たす。自衛隊が保有していた約100万個の対人地雷は廃棄処分された。
クラスター爆弾も、不発弾による市民の被害が絶えないことから、対人地雷と同様に廃絶運動が起きた。事実上、即時全面禁止する条約案に、一転して賛成に回った日本。福田康夫首相の政治判断だったという。
素晴らしい決断だと思う。だが、もどかしい。首相から、決断に至った信念が伝わってこないからだ。信念を語らぬリーダーに、魅力は感じられない。【丸山雅也】
毎日新聞 2008年6月4日 東京朝刊
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