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「経済コラムマガジン08/6/2(529号)
・もう一つの「から騒ぎ」
・間抜けな議論
先週号、本誌は「地球温暖化は『人間』が排出した二酸化炭素が原因」の騒動を「世紀のから騒ぎ」とした。騒ぎの発端はIPCC(地球の温暖化については専門家で構成する気候変動に関する政府間パネル)の報告書である。人々のこの報告書の理解は「産業革命以来、化石燃料を燃やし『人間』が二酸化炭素を排出し続けていることが地球温暖化の原因」となる。
不思議なことは、世界中がこの説を検証しないまま走り出していることである。時たまこれに対して異論は出るが、これらは全て抹殺される。またメディアに登場する者がこれに反する発言をすれば、「袋叩き」に遭う雰囲気である。まるで世界中がカルトに占領されているみたいだ。本誌は98/11/2(第88号)「「空気」を考えるーーその1」http://www.adpweb.com/eco/eco88.htmlと98/11/9(第89号)「「空気」を考えるーーその2」http://www.adpweb.com/eco/eco89.htmlで、日本人が言動を世間の雰囲気(空気)に合わせることを取上げた。しかし今日の騒動を見ていると、「空気」に左右されるのは何も日本人だけではないことが解る。
二酸化炭素の排出量削減が重要な政治課題になっている。また二酸化炭素の排出権なるものが商取引の対象になっている。つまりIPCCの説明に全く誤謬がないことが前提になって世界中が動き出している。しかしIPCCは、単に地球温暖化の原因を「『人間』が排出した二酸化炭素」の可能性が高いとしか言ってはいないのである。
仮にIPCC説が正しいとしても、国際世論が非常に奇妙である。人々のIPCC説の理解を基にすれば、地球の温暖化にストップをかけるには、二酸化炭素の排出量を産業革命以前のレベルに戻す必要がある。つまり今後石油や石炭を燃やしてはいけないという話である。したがって「化石燃料の消費の伸びをゼロにする」とか「二酸化炭素の排出量を5%カット」といった今日の議論は間が抜けている。
まず二酸化炭素の排出量をどれだけ抑えれば、何度気温が下がるという説明をほとんど聞いたことがない(先週号で紹介した丸山教授は二酸化炭素は年間1.0〜1.4ppm程度の増加であり、これを温度変動に換算すると0.004〜0.005度の上昇要因と説明)。仮に50%削減しても、二酸化炭素の排出量は累積されるのだから、IPCC説によれば地球の温暖化は着実に進むことになる。少しでも思考力がある者なら、このような疑問を持つはずである。しかし大手のメディアは、この点を二酸化炭素の排出量のカットによって地球の気温は安定化すると誤魔化している。
「から騒ぎ」の原因は、科学的や合理的な検証がないまま片寄った仮説が信じられることである。おそらくこれには取り巻く人々の偏見だけでなく、利害が深く絡んでいるものと筆者は考える。つまり環境問題は大きな力によって支配され、しばしば科学的な議論が拒絶されることがある。
こと環境問題に関しては、昔あれだけ騒がれていたことが今日誰も関心を向けないことが沢山ある。例えばゴミの焼却で問題となったダイオキシンは、今日では特に問題になっていない。焼却炉を改良したからと言われているが、本当のところはダイオキシンの毒性がそれほど強いものではないということが専門家の間では昔から分かっていたという話である。イタイイタイ病で大問題になったはずのカドミウムは、平気で携帯電話の電池に使われていた(ニッケルカドミウム電池)。分別することを強く求められていたペットボトルも、今日では他のゴミと一緒に焼却している自治体が多いと聞く。二酸化炭素騒動もそのうち皆が忘れてしまうような気がする。
・から騒ぎの構図
しかし考えてみると「二酸化炭素による地球温暖化」騒動は、今のところ人々にそれほど害を与えていない。むしろ化石燃料の消費を削減することについては、全く別の理由で筆者も大賛成である。2050年に二酸化炭素の排出量を50%削減するという目標にも賛成である(技術的に可能ならもっと削減すべきである)。
結果論ではあるが、「二酸化炭素による地球温暖化」騒動は大きな実害はないというところである。むしろこれほど原油や石炭の価格が高騰している今日、省エネや代替エネルギーの開発は重要な急務である。しかし日本には人々に実害を与えているもう一つの「から騒ぎ」がある。それが「日本の財政危機」騒動である。
文芸春秋の2月号に菊池英博氏(日本金融財政研究所所長)が「大増税が医療・年金を破壊する」という文章を寄せている。今日、日本の経済問題のほとんどは、財政支出の削減と増税を推進する政策が原因となっている。この背景には、日本の財政が危機状態だという間違った認識がある。そして日本の財政政策はこの考えを貫いた方針で進められている。このためのマニアックな目標が2011年のプライマリーバランスの回復である。
菊池氏は医療費・年金への財政支出削減や増税もこの方針の線上にあると指摘している。この結果、例えばGDPに占める医療費への公的支出の割合は先進国で最低になったと説明している。しかし政府はこれも「財政危機」なんだからしょうがないじゃないかという態度である。
これに対して菊池英博氏は、財政の健全度を国際比較するには純債務(債務額から金融資産額を差引いたもの)の対GDP比率を用いるべきと主張する。日本のこの数値は他の先進国と遜色がない。日本の財政債務額は大きいが、これから差引く金融資産の保有額も巨額だからである。これも日本の外貨準備高や社会保障基金の積立額が突出して大きいからである。
菊池英博氏はこの主張を長年続けておられる。実際、国際的にも一国の財政状態を見る場合は、菊池氏のように純債務のGDP比率を用いるのが一般的である。しかし日本の財政に問題がないと分れば、政府がこれまで言ってきたことが全部嘘ということがバレてしまう。
筆者の周りには菊池氏と同様の考えの人が多い。おそらく官僚や政治家の中にもこの見方に賛同する方々は結構いると思われる。筆者も大いに参考にさせてもらっている。だいたい現行政府も簡単にアフリカへのODAを増額すると言っているように、日本の財政が危機なんて思っていないはずである。しかし大手メディアではこの主張がほとんど抹殺される。
テレビ朝日系のサンデープロジェクトで司会の田原総一郎氏が、この文芸春秋の菊池英博氏の文章を引合いに「日本の財政に問題はない」という意見があるがどう思うかと、ゲストの竹中平蔵氏に質問していた。筆者もこれにはちょっとびっくりした。それに対して竹中氏は何と「それは15年前に決着した」と訳の分らないことを言っていた。明らかに合理的な説明を回避する意図が見え透いている。経済学者にあるまじき発言である(もっとも筆者はこの人物を経済学者とは思っていないが)。「二酸化炭素による地球温暖化」騒動と同じ構図がここにも見られる。
日本の金利は異常に低い。そのような国の財政が危機なんてありえない。ちなみに先日行われた20年国債の入札結果は2.3%であった。筆者に言わせれば、市場の動きは他の先進国並の金利水準になるまでむしろ財政支出を増やせと言っているのだ。
人間の歴史は「から騒ぎ」の連続である。しかし時間が経てば「から騒ぎ」は収まるものである。例えばノストラダムスの大予言にまつわるから騒ぎは1999年7月をもって終了した。ただ「日本の財政が危機」というから騒ぎはいつまで続くか見通しが効かない。なにしろこれに加担している人々が多すぎる。
来週はグローバル経済の現状を取上げる。」
http://www.adpweb.com/eco/eco529.html
経済コラムマガジン筆者氏は、「CO2地球温暖化はから騒ぎだが、人々にそれほど実害を与えていない。」としています。しかし、「排出権取引」で多くのお金がこの「から騒ぎ」がらみで動く事を考えれば、決して「実害は少ない」とは言い切れないようにも思います。
関連
地球の寒冷化(経済コラムマガジン)−「CO2地球温暖化騒動」は「日本の『財政危機』」と同様の「世紀のから騒ぎ」
http://www.asyura2.com/08/senkyo50/msg/443.html
投稿者 JAXVN 日時 2008 年 5 月 25 日 16:06:24: fSuEJ1ZfVg3Og
毎年1兆円・騙されむしり取られる哀れな日本!・・詐欺用語「放射強制力?」って!?
http://www.asyura2.com/08/nature3/msg/155.html
投稿者 スパイラルドラゴン 日時 2008 年 5 月 04 日 06:56:07: 0zaYIWuUC0gac
「命の尊さ」教育と矛盾するサマータイム
http://www.asyura2.com/08/senkyo50/msg/556.html
投稿者 スパイラルドラゴン 日時 2008 年 6 月 01 日 05:29:41: 0zaYIWuUC0gac
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