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2008年05月29日
官僚の高笑いが聞こえる
「官僚の高笑いが聞こえる」、と書けば、いかにも官僚が勝ち誇っているかのように傲慢に聞こえる。実はそんなに官僚が傲慢になっている訳ではない。
ここまで官僚の無能な正体が国民に明らかになってきたきたのだ。官僚は世論の批判の前に戦々恐々としているに違いない。
しかし、今の政治の体たらくを見ながら、同時に官僚はほっとしているに違いない。
理由をつけて抵抗すれば、なんとか組織防衛を図れるかもしれない。逃げ切れるかもしれない、と。
昨今の政治の混迷を見るにつけても、官僚は安堵しているに違いない。自民党と民主党の政争を見ながら、このまま政治の弱体化が進めばいい、と思っているに違いない。
自分たちも生き残れるかどうかわからないが、自民党や民主党も生き残れるかどうかで精一杯だ。これでは政治が官僚つぶしを本気で出来ない。官僚はそう思っている。
そういう意味で、官僚の高笑いが聞こえる、と書いたのである。
それにしても、今の日本の政治では、官僚支配を変える事などはとても出来そうもない。今の政治家の誰一人として官僚組織を改革してみせる意思と能力を持っている政治家はいない。
国家公務員制度改革法案が衆院内閣委員会で可決された時、渡辺善美担当大臣は涙を見せた。それを見て、メディアの中には渡辺大臣を「良くやった」とほめるものもいた。
「やればできるではないか」(5月29日の毎日新聞社説)という表現で、今回の国家公務員制度改革法案の可決を喜ぶものもあった。
しかし、少しでも官僚の実態を知っている者であれば、この改革法案が如何に無意味なものであるかがわかる。
本質的な改革には手をつけず、定年年齢を延長するとか、採用試験の名称を総合職、一般職専門職に変えるとか、内閣官房に人事局を新設するとか、およそどうでもいいことばかりが決まっただけの改革法案である。
それでも成立が無理と思われていた法案が成立したのだ。それだけで大臣は感涙し、メディアは「やればできる」と書くのだ。
そういえば今日の各紙では、この国家公務員改革法案の可決のほかに、地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)の第一次勧告案がまとまったという記事が見られた。
しかし、この第一次改革案は気の遠くなるような第一歩に過ぎない。これでは本当の地方分権がなされるまでに百年はかかる。
この調子で行けば、官僚支配が崩壊する前に、間違いなく国民生活のほうが崩壊してしまう。
それほど公務員改革は進んでいない。その一方で、国民生活の困窮はもはや後がない。
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