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http://www.ohmynews.co.jp/news/20080529/25688
後期高齢者ーどうして75才?
その歴史を調べてみました。榎木まる(2008-05-29 21:00)
2005年の国勢調査を元に国立社会保障・人口問題研究所は今後の人口の推移を予想しています。それによると、2050年には35.7%(3人に1人)が高齢者です。少子高齢化は加速度を増し、日本は世界に類を見ない高齢者社会に突入しようとしています。
現在、国民医療費の半分以上が65才以上で占められているという調査結果もあり、この先の日本の医療費はどのぐらい膨張するのか、早急な医療制度改革は必要不可欠なものです。
悪評ばかりの「後期高齢者医療制度」です。医療改革の必要性は、理解していても心理的に抵抗が多い。姥捨てを連想させるネーミングと、線引きされた75才という年齢。75才、まだまだ一線で活躍される方も多い年代です。だいたい何で75才以上なのか。後期高齢者と線引きされた75歳はどんな人生を送ってきたのか調べてみました。
現在(2008年)、75歳の誕生日を迎える方は1933年、昭和8年に生まれています。満州事変の年です。日本が軍国主義に傾き、物心がつくころには日中戦争が始まり、日本は戦争一色になります。
太平洋戦争が終わったのは1945年(昭和20年)で、12才の時です。ほとんどの方は、ひもじさと寂しさを味わって終戦までの学童期を過しています。終戦後も生活苦は続き、闇市での食料の調達、アメリカに占領され、焼け跡の中で復興がスタート。そして、1955年(昭和30年)、22才を迎えた頃、日本の高度経済成長が始まります。有名な「もはや戦後ではない(経済白書)」は、翌年生まれた言葉です。
戦後の混乱を生き抜き、仕事に生きがいを求めた世代です。モーレツな働き方で、その後の日本経済の繁栄の基礎を作ります。
次の転機はバブル。1980年代後半から始まった異常な好景気は、50才台のこの世代を直撃します。終身雇用に支えられ管理職で働いている年代です。株や不動産などへの投資が一般化、年収の何倍ものマンションを転売目的で購入し資産を増やした人もいます。
私見ですが、戦後の復興と高度成長を体感してきた世代だからこそ、国の成長を信じて、無謀とも思えるバブル投資を恐れず出来たのかも。そしてたぶん予想もしなかったバブルの崩壊は1990年。60才まであとわずかで、吹き荒れたリストラの嵐。残った社員もバブルの後始末に終われ、経済の回復を見ないまま定年を迎え、再就職には不況の厚い壁が立ちはだかります。
誕生 1933年 (満州事変)
3才 (日中戦争始まる)
12才 (終戦)
22才 (高度成長)
50才 (バブルへ)
57才 (バブル終焉)
75才 2008年 (後期高齢者医療制度始まる)
2007年3月、厚生労働省は2005年の国勢調査などを基礎資料として「第20回完全生命表」を公表しました。それによると、現在75才男性の平均余命は、11・07才、女性は14・83才です。生きる戦後史とも思えるこの世代の方を「後期高齢者」と呼ぶのは、あまりに酷いのではないでしょうか。
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