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(回答先: 見過ごせない小泉純一郎氏の言葉(天木直人のブログ) 投稿者 クマのプーさん 日時 2008 年 5 月 27 日 10:20:46)
http://www.amakiblog.com/archives/2008/05/27/#000899
2008年05月27日
見過ごせない曽野綾子氏の言葉
人の言葉の揚げ足を取るつもりはない。しかしどうしても見過ごせない言葉であったので紹介しておきたい。
曽野綾子という作家が産経新聞に連載しているものに、「透明な歳月の光」という随筆がある。
5月26日の第289回のそれは、植物と「後期高齢者制度」というものであった。
どういう結びつきなのだろうと読み始めて、それが「後期高齢者制度」を変えないと頑張っている福田政権を援護しているものであることに気づいた。
「後期高齢者制度」に怒っている多くの後期高齢者に対して、「もうすぐ死んでいく身分だから、ガタガタ騒ぐな」、と言っているのだ。
さすがは作家である。そのような直裁的な物言いは巧みに避けている。しかしその意図するところは明らかだ。
「私は人生の半ばに視力を失うかもしれないという危機があった頃から、突然、植物を育てる趣味を持つようになった・・・」という文章からはじまるその随筆は、その殆どが植物を育てる愛情あふれるエピソードに費やされている。
・・・・日本ではケヤキ、クス、モミジ、フジなど、どれを取ってみても数十年、数百年という寿命を持っている。しかし、我が家にある外来種は、数年で若い株を分け、挿し木で増やし、古い部分をさっぱり切ると、下から若い部分が旺盛に伸びてくる、という原則を繰り返すものが多い・・・
とここまで書いたあとで、随筆の最後の6分の1あたりに、次のようなこの随筆の本音の部分が現れてくるのだ。
・・・庭の手入れをしながら、私はいつも、古いものは取り除かれ新しい命に譲る、生の継続と繁栄の姿を見ている。
すると、「後期高齢者」などという制度や呼び名に腹を立て、「老人に死ねというようなものだ」などと怒ることもなくなるだろう・・・
あまりにも強引なこじつけである。後期高齢者医療制度の問題は、このようなたとえ話と一緒にして葬り去ってしまう問題ではないことぐらい、曽野綾子氏も知っているはずである。
それにしても、かねてから私が思ってきたことであるが、曽野綾子氏は不思議な人物である。みずからキリスト教徒を自認している氏が、その伴侶である三浦朱門氏ともども、ここまで骨の髄まで沁みこんだ保守、エリート主義の強者の論理に立てるものだ。
もっとも、キリスト教そのものが、支配者に都合のいい、人間は原罪を背負っていると、皆に思い込ませる、弱者いじめの宗教であるという説もあるのだが。
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