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http://www.amakiblog.com/archives/2008/05/24/#000893
2008年05月24日
官僚の強さの源泉は、国民の批判を無視できる傲慢ぶりである
いまや、政治家も、財界の重鎮も、官僚批判をはじめるようになった。世の中は官僚批判の大合唱である。
官僚のお友達は、そこから情報を安易にもらうメディアや、官僚に重用される御用学者ぐらいのものだ。
それにもかかわらず官僚がへこたれている風情はまったくない。公務員志望者は後をたたない。
なぜだろう。
その一つの答えを、24日の朝日新聞土曜版でルポライターの横田由美子氏が教えてくれている。
「読み解く」というコラムの中で、彼女は次のように書いているのだ。
(守屋疑惑をはじめ次々と起きた防衛省の不祥事に言及した後で)
・・・だが、対応にあたる現場キャリアは、悲鳴を上げる一方で、まるで不祥事を一流官庁への「洗礼」と受け止めるような声が少なからぬ若手から聞こえるのも事実である。
「今を乗り切れば、防衛省のステータスは一気に高まるかも知れません・・・」
・・・なぜ不祥事でステータスがあがるのか。彼は「先輩の例」をつぎのように理由にあげた。
「厚生労働省を見てください。前次官が収賄容疑で逮捕され、マスコミで『おねだり妻』などとたたかれましたが、結果的には知名度も上がったのです。その後も不祥事ばかりだが、霞ヶ関では意外と人気の就職先になっているじゃないですか」
それを聞いて、私は、厚生労働省の幹部がこんなことを言っていたのを思い出した。
「社会保険庁の職員の流出が確かに問題になっているけど、むしろ本省ではここ数年、質の良い新人を採用できている」
・・・(幹部も若手も)あまりに国民感情からかけ離れた言動に、やりきれなさを覚えた。
この随筆を書いているルポライターの横田由美子氏は、「私が愛した官僚たち」(講談社)という本を書いているほどの、キャリア官僚びいきのライターである。
その彼女でさえ、国民意識からあまりにもかけ離れた官僚の実態を嘆きはじめたのだ。
国民意識からかけ離れた官僚。それはもっと正確にいえば、最初から国民を無視する傲慢さ、国民とは別世界に住んでいる異邦人ぶり、という事である。
元官僚として、先輩、同僚、後輩官僚を見てきた者として、はっきりと断言する。
本当に優秀な官僚や、良心的な官僚は、その現実に失望して転進していく。
本当に優秀な若者ならば、ここまで官僚の実態が明らかにされているのに、いまさら官僚などこころざしはしないだろう。
問題は、なまじ自分は偉いのだと思い込んでいる二流どころの優秀な官僚が居直って、組織改革どころか、必死になって組織防衛、権限拡大にエネルギーを傾注している事だ。
若いくせに、権力志向、天下り志向の、官僚二世や、ひねた功利主義者の若者が、「それでも官僚だ」と公務員試験をめざすのだ。
そういう、国民の意識から乖離したそういう連中ばかりで構成される官僚組織はしぶとい。世の批判になど馬耳東風で、不祥事さえも、ほとぼりが冷めれば利用する厚顔さがあるからだ。
かくして官僚組織は永遠に生き残って、反国民的政策をどんどんと推し進めていくであろう。
日本にとって不幸な事である。
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